あーあ。勝っちまったよ。もっと強い奴はねえのかな~
「人の女を奪うのは良くないってことだ」
「なら、止めて見ろよ。ザコが」
振り向くと、そこに青年が居た。
ローザとカレンに呼ばれていた青年だ。
なんだ?100レベルにもいかないやつが。戦いに巻き込まれてしんだと思っていた、生きていたのか。
その横にはカレンもいる。
「荒事は嫌いなんだがな?」
「それはお前がザコだからな。で?ザコのくせに何し来たんだよ?」
今更なんだ。この程度の奴の話など聞く価値もない。
だが――あれほどの力を持つ者を使役するこの男。何かある。
「交渉かな?――目的は?」
「目的だ?」
はっ、オレ様の目的?そんなもの決まっている。
「全力だ。オレ様は全力を出してみたいんだ。こいつらでもだめだった。世界を破壊しうる力でも結局は格下だ。それじゃあ意味がない。全力が出せる相手を呼んで来い!」
そうだ――全力だ!オレ様はオレ様の限界を知りたい。そして、自由となる。もはやなんだってできるオレ様なのだから、逆にできないことを見つけてやりたい。
オレ様に不可能な事を!
「まだ力を出したりないか……あれだけの超魔法をいくつも放ち、まだ消費もしていない……か。ならば――ハッキリ言おう。今のお前を超える奴なんていない。世界最強だよ。おめでとう晴れてキミは最強となった訳だ」
「ふざけるな!まだいるだろ!オレ様と堂々の奴なんて!」
まだ居る。そうだまだ居る。オレ様はその存在を知っている。例に出したあの二人まだ。
「やめて置け。お前の言った二人を既に、はるかにお前は超えれている。呼んだところで無意味だ」
何を知ったようなことを。このザコは言っている。
まるですべてを見てきたような事を言ってやがる。
世界は広い。数百の世界を転生してきたオレ様ですら、まだ見たことない世界が存在する。ならば――どこかに居るだろう。そいつは。
絶対的な、力を持つ奴は。
「ああ――もういいさ。テメェみたいなザコと話すなんて時間の無駄だ。オレ様は行くぜ、世界を一つずつ回ってつぶせばあぶり出てくるだろ。強い奴ぐらい」
「ちょっと、待ちなさい」
立ち去ろうとするオレ様を、カレンが止めた。
ああ――こいつは世界を壊されたら困るやつだったか。
うるさい連中だ。消えてなくなれよ。
シャイニングブレードを手に取り、振るい閃光を放つ。
この力なら、形すら残らないだろう。
二人仲良く消えな。




