世界を崩壊させる力か?すげえやあ!だが無駄だ!そんあんじゃオレ様は倒せねえ!
「お望み通り……消してくれるわ」
両手を大きく広げ、魔法を展開するエリザベート。
なにする気だ?
圧倒的な覇気に、世界が震える。
大地を揺るがし、突風がまい、黒い稲妻がちらつく。
これは……すげえ。
魔法陣が膨れ上がり――途端。収束する。
そして、天へと黒い光は一直線に飛び。
世界を分かつかのように突く。
空が闇へと、血のように赤い空へと変色する。
そうして、現れる。
黒い月?
真っ黒な月が、一直線に天に伸びた光の先に現れる。
「滅んでしまえぇ」
世界を変えるほどの巨大な力。だが、それだではない。ドス黒く世界に穴をあけたような月は大きくなり始め、降ってきているのが分かる。
「ちょっとエリザ!」
「あの馬鹿――なに奈落落とししようとしてんの!?」
エリーゼとティアラがエリザベートの行動に、慌てふためく。
無理もない。こいつぁ。
世界を崩壊させる力だ。
だからどうした?世界ごとオレ様を倒そうってか?
あまいあまい。
「その程度かよ?」
シャイニングブレード持ち。そしてオレ様は振るう。
空か降りゆく漆黒の月を撃ち落とすべく。
「<<エンドオブディアイン>>」
閃光を振るい、そして――いくつもの魔法陣を一気に周囲へ展開、そこから七色のオーラが飛ぶ。
そのオーラはこの世界その物。
大地を揺るがし、空間を引き裂く。地は消滅し、二つの力はぶつかった。
空間が、歪む。世界が、時が。天が。冥府が。この世のありとあらゆるものが震え、全てのものを吹き飛ばした。
その力は同士の激突は、圧倒的に武曽の方が上だった。
漆黒の月は崩れ消滅し。赤くなった世界は元へと戻る。巨大な力によって残ったのは武曽ただ一人のみ。
他のすべては砕け。
三人の最強はその場に倒れていた。
あっけない。
ああ……あっけなかった。だが――オレ様の力はやはり最強だった。もっと力を出せると思った。もっと、世界を破壊する威力の攻撃を相殺どころか消し飛ばす。それすら可能。だが――足りない。まだ本気ではない。
「――世界に衝撃が加わる瞬間。この世界を守ったか……」
倒れるエリーゼとティアラを見て、二人が障壁を使い世界へのダメージを防いだのを知る。
「もっと強い奴いないのか?いい相手だったが、所詮は格下。やっぱりザコはザコだったか……」
倒れた三人を見て武曽が言った。
まっ――あれだけの衝撃を受けて消滅もしないなんて、たいしたもんか。普通なら塵も残らない。
ちょうどいい。いい女どもだ。捕まえてオレ様のモノにでもするか?
「――それはやめておいた方が良い」
「なぜ?」
かけられた言葉にオレ様は訊き返す。