本気だ!本気を出せる!お前ら三人なら文句はねええええ!
「師よ、ここは私に」
ティアラが剣を構え、前へと出た。
「いいぜぇ、遊んでやるよ」
こいつらなら、本気の本気。オレ様の力のすべてを出せる!オレ様すら知らない、最大の力を!
「やめとけ。こいつらの力を見たみたいだが、どうせお前の相手にはならない。お前が結局最強なんだからな」
ああん?なんだよせっかく盛り上がってきたのに、邪魔すんのかこのザコが!
「陛下!我々では力不足というのですか!?我ら――いえ!私であればこのような者!」
エリザベートが大きく手を振り、男へと反論する。
「そうだそうだ、もっと言ってやれ、お前みたいなザコはすっこんでろって」
武曽のその言葉に、エリザベートが振り返り武曽を睨んだ。
「小僧――今何と言った?」
ドスの効いた、少女が放つものとは思えない重圧。殺気。普通のモノであれば、この殺気だけで、気絶しかねない。人を殺せる殺気だ。それが武曽へと途端に向けられた。
おお怖い怖い。
「なにって?ザコって言ったんだよ」
その瞬間、武曽の頭上を囲むように、四方に黒の魔法陣が現れ、黒い雷を放って、弾ける。
バジジジジジジ―――。
閃光と、共に稲妻は弾けて、武曽を襲い、地面と共に焼き払う。
だが、それは武曽に当たることなく、魔法のバリアーが武曽を包み守った。
「参ります。――ティルウィング!」
ティアラが飛び出し、武曽を囲む魔法陣と稲妻ごと剣を振ると、閃光がその場を消し飛ばした。
無論。その攻撃も、武曽には効かない。閃光は晴れるとそこには笑って立っている武曽の姿があった。
「虹の極光……」
今度は無数の色とりどりの宝石がエリーゼの周りに現れ、魔法陣を築き上げて、それが、虹の大きなレーザー放った。
だが――それは武曽は片手で受け止め、振り払うと、そのレーザーと共に宝石がすべて砕け散った。
はははッ――。
いいねえいいねえ最高だよ。最高だ。
いままでの奴とは違う。それだけの重圧と威力を持ってる。
流石レベル1000超え。いい勝負ができそうだぜ。
オレ様は消える。
違う。光を超えた速度で移動する。それは――姿すらとらえられない。
だが――、
ティアラが剣で武曽のシャイニングブレードを受け止めた。
こいつらは見えている。どんなに早く移動しようが、こいつらは俺の速さについてこれる。
なら!こいつはどうだ!
<<インディネイトジャッジメンド>>
天に巨大な魔法陣が浮かび、光が刺し、滅びの光が振る。
この光はオレ様にはきない。だがオレ様が敵と認識したやつは全て滅ぼす。裁きの光だ―――!
「yellow destruction……」
エリザベートがつぶやく。
宙に、赤黒い巨大な魔法陣が展開される。
光が降ると同時に、魔法陣からは闇が禍々しく放たれ、光とその闇は激突する。
巨大なエネルギー同士の衝突が、強い衝撃を生み出し。世界が震える。