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神なんてミジンコ野郎だ
オレ様はもうお前らに縛られたくない。
片手を振り上げ、その手に力を宿す。
魔法やら、クラフトやら、そんな感じに呼ばれる奴だ。オレ様のはそれらをいくつも組み合わせてできている力。
武曽の上げた右腕の手のひらに光の球が浮かび上がり、そして――
それは大きく、大きく。
周囲の光を竜巻のように吸い込み拡大していく。
そしてそれは次第に、170程ある武曽の身長をはるかに超える大きさに、全長は膨れ上がり、昼間の太陽のように光が輝く。
「なんだ、この力は!?」
神は動揺する。
目の前の圧倒的な力に。
オレ様の力に。同様する。
ククッ――当たり前だ。たかだか500レベル程度の神如きが、このオレ様の力を理解できるわけがない。
黙ってそのまま、チリになりやがれ!
「まっ、まて――ヤメロォ」
目の前で起きていることに、慌てふためいた神のことなどしらない。
武曽の手にある太陽は、神へと向けられ、そして――包み隠す。
世界は衝撃と共に、眩い光を放つ。
こうして、オレ様はこの世界の神を殺して。世界へと舞い落ちたのだった。