オレ様専用に用意したってか!面白れぇじゃねえか。でもダメだねまだザコだ
振り払えない腕を見ると、鉄の鈍色の鎖が巻き付いていた。
ガキの一人が――いや二人が鎖を武曽の腕に鎖を巻き付け、ソレを引いていたのだった。
その間にも、突っ込んでいた数名が武曽へと飛び出す。無論背後に回られたガキも、手に持つ氷の槍を振り返り、突き刺そうとしていた。
――なめんじゃねぇよ!
「<<ディストーション>>」
逆の手で、快晴の青空のように眩く光を生み突っ込んできたガキどもへ撃ち放つ。
<<ディストーション>>それは、蒼の螺旋の魔力で周囲を吹き飛ばす魔法だ。それはガキどもともども地面へと当たり地面をえぐる。
鎖も鬱陶しい!
繋がれた腕を振り払うと、鎖はことごとく砕け散る。
「<<フレアフォース>>」
炎が渦巻き、鎖を持っていた二人、それとその他後ろで待機していた者をすべて、この緑あふれる公園ごと焼き払った。
炎は渦を巻き劫火を上げる。
その様子を、カレンは薄く笑いただ、立っていた。
<<ディストーション>><<フレアフォース>>どちらも止み。えぐれた焼け果てた地面だけが残っていた。
そう――そうなるはずだった。
ははっ――。
その光景を見た時、武曽は歓喜のあまり笑みを漏らした。
全員生きてやがる。
ディストーションを受けた前衛のガキは、何やら立体的ないくつもの線の魔法陣に包まれかたまり。方や後衛のガキどもは青いドーム状の光の中にかたまって守られていた。
そして、えぐれ焼けた地面は、神秘的に地面から新たに生命が生まれ、草や薔薇が生え盛り、元の自然豊かな場所へと戻る。
「いいじゃねか!少し評価を変えてやる!協力してオレ様の力を受けきるとはなあ!」
嬉しくなり――そうしてオレ様は突っ込む。
前衛のガキどもに割入り、一人を蹴りとばそうとすれば、武器で数人がそれを防ぎ、シャイニングブレードで振り払おうとすれば、後衛の奴がその力から、前衛の奴を守る。逆に――後衛の奴に魔法を放てば前衛の奴がそのすきをみて攻撃をしてくれる。後衛をも協力し、防いでいる。
いい!いいねえ!
ちゃんと連携が取れてやがる!
30数名いるが、ソレをうまく部分的に分け、オレ様の攻撃を防いで、しかも攻めてきやがる!
飛び回り、戦うオレ様は、歓喜に笑みがこぼれている。
「お気に召したかしら?」
ただ、立って見ているだけのカレンが言った。
「ああ」
「そう――。その子たちにはアナタのいままで居た世界の知識を共有させている。だから、アナタがどんな攻撃をしようとその対象法は分かる。アナタのことは詳しく調べせてもらったわ。って言ってもやったのはカレンじゃないのだけど」
はは――っ。オレ様専用に用意したってわけだ!
だが、これならどうだ!
さらに力をだす。