表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/67

ほら、やっぱり本気を出すとこれだ。結局瞬殺じゃん

 シャイニングブレードは閃光を解き放つ。

 

 それとほぼ同時に女の子二人は消える。

 そう、女の子二人とその後ろまで光は届き、光は遠くに広がる山までも粉砕した。


 丸く、光が通った場所をえぐった。


 それを武曽が確認した途端、左右から同時に二人の女の子は走りこむ。


 右は大釜を構えるカレン。

 左は小太刀と太太刀を構える美代。


 武曽を挟む形で襲い掛かる。


 来たか!


 武曽はまず、シャイニングブレードをカレンへと振るう。


 無論、先ほどと同じ、刃からは閃光が放たれ、それが横向きにカレンともども包み込む。


「あら、遅いわよ」


 だが――それは当たらない。砕け散る周囲に紛れ、カレンは瞬時にシャイニングブレードを振り切った武曽の正面へと姿を現し、釜を振り下ろす。


 はっ――。


 楽しくて楽しくて、笑みがこぼれた。

 逆からは美代が迫っている。


「<<クリアマインド>>」


「消えっ――」


 武曽が姿を消し、さっきまで武曽が居た場所にカレンが立つ。美代もその場で立ち止まり。


 ――ズガアアアアアアアアアアアアア。


 二人の立つ地面から、いくつものチェーンが伸びる、それが襲い掛かった。


「<<エクセキューソナ>>」


 続いて、天に紫色の円型の魔法陣が現れ闇が――中心から溢れる。

 塊が天から、巨大な闇の塊が押し寄せる。 


「<<ザ・テンペスト>>」


 空間は歪み、響く。自身のようなその衝撃は周囲を響かせる。


 ――炎が広がった。そして――それから、爆発が。周囲で置き始める。


 封印の鎖。

 闇の墜落。

 灼熱の地獄。


 力加減を間違えれば、この大陸は軽く吹き飛ぶ力だ。それをすべてぶつけてやった。


 武曽は、城からはなれた上空で、それらが弾ける様を見届けていた。



<<クリアマインド>>


 それは、空間を瞬時に移動する魔法だ。

 武曽はそれを使い、あらかじめ脱出し、二人のいる城に向かって、強大な魔法を撃ち放ったのだった。


 あれだけ大口叩いてたんだ。これぐらいの手品ぐらい見抜いてくれないと。


 一種の期待と、残念感。まともにやりやったんじゃ。オレ様の速度が速すぎて、一瞬で終わっちまう。少し力を抜いたつもりだが、消しとんだ城を見るに、やりすぎたのかもしれない。


「なんだよ。この程度か」


 荒野に降りて、落胆する武曽。


「随分な言われようですね」


 なに?


 背後からだ。

 二人は居た。


 傷一つない姿で二人はそこに立っていた。


 あれから、無傷で出るとは。


「なんだよ。女の子だからって一瞬で終わらせてやろうと思ったのに……」


「それはどうも。ですが――能無しもいいとこです。ただただ大きな力を放てばいいというものはないのですよ」


 なんだよ、このオレ様に説教か。

 まあいい。


 じゃあ、本気でやってやるか。

 まずは、うるさいザコからな。


「よく言うわねぇミヨ。カレンがぁ――決壊をさせなきゃぁ――――っ」


 無駄話はもういいって。


 瞬間的にオレ様は動く。

 そうして、美代をシャイニングブレードで刺しつけた。


「あっ……」


「このっ――」


 ブンッ!


 慌ててカレンが大釜をオレ様に振った。まあ、そんなものとっさにバックステップしてよけるけどな。


 シャイニングブレードが貫いた胸から抜け、血を吹き出し、美代倒れた。真っ白かったワイシャツが真っ赤に染まっていく。


 ほら、やっぱり本気出すと簡単に倒せちゃう。


 こっちはどうだ?


「おっ!?」


 カレンが消えて、目の前に現れる。


「十三の柱……」


 周囲に、カレンの宣言通り、十三つの柱が武曽を囲む形で円形で地面から突き出る。


 遅いって。


 突っ込んできた、カレンにシャイニングブレードを振り入れる。

 だが、手ごたえをはない。

 視界のそとから、大釜が迫るのが見える。

 とっさに避けるも、ソレは何度も視界のそとから襲い掛かる。


 姿を捕えようとするも、姿が見えない。

 ただ、視界のそとから、襲い掛かる。。


「死の舞踏会(キリングダンシング)……」


 冷たく声が聞こえる。


 避けれども避けれども、カレンの姿は捕えられず、視界の外から大釜が武曽を襲った。

 それは、まぎれもない。ダンスのように。武曽は避ける。


 








 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ