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【第一章】第三部分

「れら、あんなのいっちょうらを破るなんて、万死に値するでちゅ。この服でオニイチャンがメラメラになる未来が曇ったでちゅ。」

「アナちゃん、メロメロの間違いだよ。そんなことより、王子とあたいのシブヤハチコー前でのいい感じデートをチョーどうしてくれるんだよ?服代を弁償だよ!」

弁償価値は、女子高生玲羅のお小遣いHPを一蹴した。


「どこかに、三食朝寝坊のみの無労働高額バイトないかなあ。」

到底ありそうにないバイトを探す玲羅。姉のケンカに巻き込まれての弁償という不条理を踏まえたもので、同情の余地はある。

玲羅はフリーペーパーを見て探すということもなく、家の近所をぶらついていた。。

「あたし、家事だけで手一杯なのに、お姉ちゃんたちの服を弁償するためには、バイトするしかないし。困ったわ。まあ弁償するためのバイトだから、家事は放置プレイで問題ないか。」

玲羅の気楽過ぎるところが、姉たちとの折り合いの悪さの一因であったが、そんなことに気づかないのも玲羅らしさであった。

「どこかにバイトが落ちてないかしら?」

玲羅は女子高生なので、本来なら大手ハンバーガーチェーン店とかが最適であるが、家から少々離れているというものぐさな理由で、近所で最も手頃な探索方法を選択した玲羅。電柱広告読み迷い猫でも探すような低いモチベーションの就活。怪しいモノが多く含まれており、よい子にはオススメできないメソッドである。

「あら、このバイト、面白いかも?」

玲羅が見た電柱ポスター。

『バイト募集中。映画、【おぞましくないかもしれない墓場を走る女子高生】。ホラー映画のエキストラだけど、主役級だよ?』

「ホ、ホラー映画のエキストラ?しかも主役級?!すごく魅力的だけど、ちょびっと、心臓に悪いからね。そ、それって、ハートのことじゃなく、走ると血圧が上がって心臓に悪いからかもだから。候補としては後回しね。べ、別にホラー映画がコワいとかじゃ、ないんだからねっ。」

ひとりツンデレする玲羅であった。なお当然ながら、エキストラと主役級という言葉は相反するものである。

「あら、これならいいかも。」

『家事手伝い募集中。超軽労働疑いなし。場所はこの先スグ。大王寺学園生徒は歓迎いたしません。』と書かれていた。

「『いたしません』って変だわ。」

よく見ると、『ません』を、手書きの二本線で『ます』、と書き換えてあった。

「この二本線は、ディスカウントストアでよくある割引みたいなものね。気をひくための訂正だわ。だから安心ね。」

その手の割引はたいてい本来の売値にしてあるから、要注意である。


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