【第三章】第十四部分
「ここ数日、気分がすぐれないわ。」
玲羅は日に日に顔色が悪くなり、杏名たちの訪問を拒否するようになっていた。
遼斗も玲羅のことが気にかかっていたものの、ケンカが尾を引いて、いまだに玲羅に近づけないでいた。
「う、うわああ。白いメイドが襲いかかって来るわ!」
『ガバッ。』
メイドコーナーに寝ていた玲羅は目覚めて、『ハアハアハア』と呼吸を乱していた。
白いメイドは真白ひとりしかいないが、真白は部屋でふて寝していた。
「あたし、いったいどうしたんだろう。このところ、変な夢ばかり見るわ。喉が乾いたわ。これは毒のようにおいしいから目覚めにはいいのよね。」
玲羅は徳リンゴジュースを一本、一気に飲み干した。
『うおおお~!』
玲羅は体内でダイナマイトが爆発したような感覚を覚えた。
「これ、ホント効くわ。」
一瞬、体調が回復したかのように見えた玲羅。
『ゴホゴホ。』
玲羅は苦しそうに咳き込み始めた。
「やはりな。これが真実の証明となったな。ワハハハ。」
凛子は腰に手を当てて、底抜けの大笑いをしていた。
その後も玲羅は徳リンゴジュースを『おいしい、やめられない、止まらない。』と言って飲み続けた。
玲羅の病状は日に日に悪化して、ついには一日中ベッドに伏せる事態にまで陥ってしまった。
医者に見せたが原因がわからない。玲羅は遼斗室内のメイドコーナーでの治療を続けていた。
遼斗は心配してやってきた。しかし、メイドコーナーには『王子立ち入り禁止』という赤いコーンが立てられて、遼斗の面会を拒絶していた。やむなく遼斗はメガホンを使って玲羅に病状を尋ねるという強行アナログ手段に打って出た。
「玲羅、気分はどうだ。」
「べ、別になんともないわ。横になって思索にフケッているだけよ。どうして『木へんに黄色』が横で、縦は『糸へん』なのか、を考えているだけなんだから。」
「わかった。まだ元気そうで何よりだな。」
玲羅に突き放された遼斗は元気なく離れていった。
ちなみに、縦のほうは織物をするときのたて糸から来てるので糸偏であり、横の成り立ちは諸説あり、詳しくはウエーブで検索すべきということで、縦横は無関係に作られた漢字である。




