表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

剣を手に持った者

懲りずにまた小説を執筆しました。時間のある人だけ読んでいってください

 剣を持ち外へ飛び出すや否や、ゾンビの大軍をその目に焼き付けることになった。

 「ミラ!俺も一緒に戦う!」

 俺は気づいていたら叫んでいた。自分でもよくわからない、だけど俺はなぜか自分は俄然無敵な気がしていた。だから、一緒に戦うなんて言っていた。

 その叫びに気づいたミラは

 「危ないから下がってろ!感染したらお前まで殺すことになるからな!」

 と、反論をしたが、俺が噛まれていてもいまだに感染していなかったってことから考え直したのか、

 「おい!死ぬ覚悟があるのなら俺たちを手伝え!」

 と、意見を直してきた。

 俺は、異世界に来たってことから強気になっていたのか

 「おうよ!こちとら死ぬ覚悟なんかできていらぃ!」

 と謎の江戸っ子口調で返した。

 と、その瞬間一体のゾンビが目の前に躍り出た。

 俺は時代劇やらの見様見真似で剣を振った。

 意外とこの世界のゾンビは防御力が低くてよかった。俺の一閃はゾンビの右腕を吹き飛ばした。だが、相手は全くひるむ様子がなくなおもこちらへ向かってきた。

 次は腹部に一撃。

 その時今までに感じたことのない感触が伝わってきた。筋繊維が音を立てて切れながら伝わってくる、かすかな振動が。骨の砕ける感触がある、その感触は得も言われなかった。

 その一撃によってゾンビの上半身は吹き飛び、腐りかけていた体から内臓があらわになって音を立てて落ちた。

 しかし、ゾンビはそのようなことがおこっても意に介せず、大量の血を流しながらなおもこちらに向かってきた。

 とどめの一撃として脳天に一撃を食らわせたっきり。そいつは動かなくなった。

 「ブラボー!内野!その調子でどんどん頼んでいくぜ!」

 と獲物の方天戟を振り回しながらこちらに向かって話してきた。

 ここからは持久戦となった。

 どんなに倒しても無尽にわいてくるゾンビ共。そいつらを倒すためには達磨にしてしまうか脳天を突き破るかしかない。

 俺は初めて剣をふるったせいか手にマメができ、そしてつぶれた。

 剣のグリップに血がにじんでいく。

 それを好機とでも見えているのか、ゾンビたちはいっせいに俺の方に向かってくる。

 ミラは方天戟を振るってゾンビを押し返そうとしているが、多勢に無勢。包囲網は刻一刻と迫ってきている。

 その時、電流が走った。頭に、体に、腕に、足に、空間に、視界に、聴覚に、触覚に、嗅覚に。

 俺はわけもわからず剣を横に突き出して、ゾンビの方にタックルを始めた。

 俺が進んでいったところはゾンビの首が、腕が、足が、内臓が。ありとあらゆるものが吹っ飛んだ。

 もう100体ほど切り刻んだだろうか、というときにほかのゾンビとは違うやつがいた、そのゾンビは俺に対して受け止めることのできないほどの負のオーラを発してきた。そのオーラにやられたのか俺の体は一瞬すくみその間にゾンビが攻撃をすることを許してしまった。

 ゾンビが噛みついてくる。俺は次の瞬間、生ける屍の仲間入りを覚悟したが、そうはならなかった。

 話によると「すぐに」ゾンビになるということらしいから、1分ほどして確信を持った。俺は、感染しないチート能力を持った人間なんだと。

 そこから俺は気が抜けてしまったのかゾンビの追撃を許すこととなった。痛みを感じ、そこに熱を持つ。その繰り返しが行われていたがその熱はやがて怒りへと変わった。

 その怒り、窯に煮えたぎる湯のように熱かった。そして、ゾンビを振り払った刹那、さっきオーラを発したゾンビに向かった。そして一閃。

 斬ったと思わせた感触が手に伝わったがそれはまやかしだった。ひじに剣が食い込んだだけだった。そしてそのゾンビはこちらに目標を定めると目にもとまらぬ速さのラッシュをかけてきた。

 その一撃は軽い、しかしながら弱点を突いてくる。

 20ほど食らっただろうか。俺は膝をついていた。

 そこにすかさずゾンビの大群が押し寄せてきて腕を引きちぎろうとしてくる。

 叫び声をあげる筋繊維に容赦なく追い打ちをかけてくるゾンビたち。

 出血もひどくなってきて意識朦朧としてきた瞬間ミラの顔が一瞬見えて暗闇へと俺は落ちていった。

 次に目を覚ますと周りのゾンビたちはいなくなり、代わりに返り血を全身に浴びた悪鬼の姿があった。

 いや、すんません。悪鬼は言い過ぎました。鬼、もとい救世主のミラは俺の前に立っていた。

 ミラは俺に目をやると

 「よくやったな。お前のお陰でだいぶ俺が楽できた。」

 と一定の評価をしてくれたが。

 「ただ、突っ走んのはまずい。今回は相手が結構腐りかけだったからよかったものの、丈夫な奴だったらさっきの戦法は使えないかもな。ただ、よく考え付いたと思う。」

 と、しっかりと突っ込みは入れられた。

 まあ、戦いの初心者の俺は生き残れただけでも御の字としよう。

 たぶんそれがいいよね。

 たぶん。

 今日学んだことといえば、ゾンビ相手に突っ走っちゃいけないってことだ。

 戦いのプロが言うんだから間違いはないはず。なんでプロってわかるかって?そりゃ、俺を助ける余裕があるような人だからですよ。

 しばらく、俺はこのツリーハウスにお世話になることになったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ