異世界へいざなわれし者
続きます、今回は状況説明みたいな感じの強い話です。前回同様拙い文章でもよいという方だけお進みください
事の起こりは3か月前の事である。
予期せず高層ビルからの下界ダイブを行うことになった俺は気を失った瞬間「裁きの門」とやらに連れてこられた。
そこで俺に告げられたのは「世界を救え」という斜め上方向からの話だった。
ちょい待ち、俺がそんなたいそうな役をできるわけないだろう。といおうとした瞬間、俺は異世界へと突き落とされていた。
只、落とされた方法が悪かったのか、頭を砂漠に突っ込み足だけが出ている状態、すなわち「犬神家スタイル」が見事に完成していた。
30秒くらいすると息が苦しくなってきた。脱出を試みたもののただただもがいただけでストレスがたまる一方だった。
息が続かなくなってきて来たので死を覚悟したその時俺は救いの手によって引き上げられた。しばらくの間俺はむせて救いの手の持ち主を見上げた。
救いの手の持ち主はかっこいいお兄さんではなく40手前のマッチョマンだった。彼は手を振りながら「当然のことをしたまでだ」ときざなセリフを残して去っていった。
が、俺が礼を言おうとする前にこんなことをされたのだから、俺は感謝より先に「こいつイタいな」というつぶやきが漏れてしまった。
しばらくの間呆然としていると奴らが来た。
そう、この世界の支配者、ゾンビである。
しかし俺はこの時ゾンビの存在を知らなかったため「あの~、どちら様でしょうか?」といった間の抜けた質問しかできなかった。
そんなのんきな質問をした俺は見事に全身噛まれることになってしまった。
が、俺も無抵抗でかまれていれるほどできた人間ではない。
「だーっ!うっせぇ!」と大声をあげながら腕をぶんぶん振り回した。
そのかいあってか、周りのゾンビたちは吹っ飛んで行ってくれた。
見事、異世界に来てから最初の危機を脱出した俺はさまようことになった。
ただ、さまようべきではなかったと俺はそのあと後悔することになった。
のどが渇いた、とにかく渇いて仕方がなかった。
俺のチート体質は、感染を防ぐ抗体を持つだけというところが重要なところで無敵というわけではない。
つまり、この時俺は無駄に動き過ぎたせいでのどの渇きから死にそうになっていた。
のどが渇き過ぎたせいで死にかけていた。
ただ、この世界に来た分で運にも上方修正がかかっていたのか。
倒れる前俺はたすけてくれた人の姿を見てから意識を失った。
意識を取り戻した時には俺は粗末なベッドの上にいた。
大げさではあるが、俺にとっては救世主がやってきた。
「おーい、兄ちゃん、大丈夫か?」
とあちらから声をかけてきてくれた。ひげ面のもじゃもじゃ頭だが悪い人ではなさそうなので一応安心した。が、その時俺はまだのどが渇いていたので話そうにも話せなかった。
「まあ、そらやばいよなぁ、よくゾンビにかまれた跡があるわけだしな」
という風にしれっとゾンビがいる世界ということを教えてくれたのと一緒に、自己紹介もしてくれた。
「俺は、ミラ・デストランデ、ミラって呼んでくれ、っと、水、飲ませてやんの忘れてたな」
といって俺に対して水をくれた。
俺はしっかりとそれでのどを潤してから自己紹介をしておいた
「えっと、俺は内野圭介って言います」
と俺も自己紹介を返しておいたところで、一度引っかかっていたゾンビの存在について聞いてみた。のだが...
「済まねぇ、俺も教えてやりたいのはやまやまなんだが、今は情報もろくに集まっていないからな。わかっているのは捕まってかまれたら即アウトってことだ。」
と、こちらにをやりながらこうも付け足した。
「が、ここには例外がいるんだけれどな。」
と。
俺は一応聞き返しておいた。なんで俺を保護してくれたんですかって。ふつうかまれているのなら避けるもんだし。
ただミラの方は
「ただの気まぐれだ。」
と取り合ってくれなかった。
自分を保護してくれた理由くらい教えてくれても普通はおかしくないんじゃないかと俺は思ったが。まあ、突っ込まないことにしておこう。命の恩人に対してあまり失礼なことはできないしね。
そして、これからここに長ーい期間保護してもらうとのことになったからアジトの妖怪をしてもらうことになった。
どうも、ミラの作ったアジトはツリーハウスに近い設計になっていて、ゾンビが木を登ってくるところを撃退できる仕組みになっているそうだ。そして間取りとしては1DKになっていてそこに4人、俺を合わせて5人が住むことになるとの事らしい。
このアジトにいるときのルールとかを説明してもらっている間に仲間が返ってきた。
まず一番にしたのは聞くからにごつい男の声。
そして次にひょろい声、たぶん線の細い理系気質の奴だろうと思う。
その次に効くからにチャラい声。ホストでもやってんのかってくらいの軽い声だった。
そしてラストに、やっとこさ女の子の声。それも聞いただけでわかる、めっちゃ可愛い。
さーて、自己紹介をとのんきな考えをしていたら彼らは口々に言った。
「「「「ゾンビが来たから迎撃準備始めるぜ(よ)」」」」
と。
その声を聴くや否やミラは方天戟のような武器を持ち出して応戦に向かった。
そして俺はどうしていいのかわからないのでそこら辺にあったブロードソードを持ち出して外へと飛び出した。