番外編 暮らし7
「あかんあかんあかん〜!」
お母さんが、僕の異変に気付いたようだ
「ハゲてるハゲてる!」
僕のお気に入りの首輪は、僕とは合わなかったようだ
僕は、首輪が嫌いではない
首輪はチリンチリンする鈴が付いていて、この音が僕の存在を確認してくれるみたいで
嫌いじゃない
だから、首輪を失くしても、又付けてくれるのを待っていた
僕は、とても大きい
普通サイズでは明らかに合わないのだそうだ
新品の首輪は嫌いじゃない
買って来てくれた首輪も
「これ、小さいかもしれない」
と言いながら、頑張って伸ばしてくれているお母さんの横でずっと待っていた
「嫌なら嫌で、お外行かんのなら、付けやんでもいいのよ」
と、お母さんは言っていたけど、僕はずっと待っている
僕が1人でいた事の方が、多分寂しい
首輪を失くしても、怒られる事はなかったし
新しい首輪も嫌いじゃなかったのだけれど…
お母さんは慌てて、首輪を外し
数日後には、新しい首輪を付けてくれた
柔らかいけど、鈴は大きめ?
つけ心地は良いのだけれど…
深夜、身繕いしてたら、アガッと下顎に引っ掛かった
鈴の音の異常に気付いて、お母さんが起きて、すぐに外して
長さを調節してくれた
僕は、この首輪も好きだよ
と、しっぽをプルプルさせた




