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短編集

現と夢

作者: 小田 浩正




君が目覚めるまで、僕は寝ないよ。




僕は見守り続けるよ。



僕には願っていることがあるんだ。

君が夢の中で、笑顔を溢れこぼしながら飛び回っているだけじゃなくて。

ちゃんと、こっちの世界で走り回って欲しいんだ。



君がいるべき世界はこっちなんだ。

いつまでも夢の中にいてはダメだよ。

僕のところまで来てくれないか。



足を入れればいいだけなんだ。

大地に着いた君の足は、確実に大地を踏みしめることができるよ。

僕がいるんだから。



だから、僕はずっとこっち側にいるよ。



君をこっちへ引っ張り出すために。














あなたが眠るまで、私は起きないよ。



私は見つめ続けるよ。




私には願っていることがあるの。

あなたが現実で、苦しみながらも大地を踏み続けているだけじゃなくて。

和やかに、こっちの世界で飛び回って欲しいの。



そこに何があるというの。

いつまでも苦しみ続けることなんてないのに。

なんで、こっちの世界に来てくれないの。



手を伸ばせばいいだけなの。

空に伸ばした手は、空虚を掴むことなんてないの。

私がいるから。



だから、私はこっち側にいるよ。



あなたを引っ張り入れるために。








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― 新着の感想 ―
[一言] お邪魔します。 お互いの”こっちの世界”に、どこか、寂しさを感じました。 やはり、手の届かない愛なのでしょうね。 眠り、夢を、虚空の世界に仕上げました。 生死にとらわれない表現に、詩の…
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