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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第2部 リメイカー副将と東の大陸
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第95話 副将クーヤ

(カイン視点)


聞き覚えのある声がした。声をした方を見てみると、


「あ、貴女は……………。」


黒髪のポニーテール。スレンダーな体つきの綺麗な女性。この女性、会った事がある。確か……………。


「確か、城下町の酒場であった…………あの……………。」


「そう。久しぶりね。」


女性はそう言って僅かに微笑んだ。


「あなた達、去年と変わらずあちこち行ってるの?」


「ま、まあ、そうですね。」


リメイカーと戦うために一年間修行してたとか言えねぇよ……………。


「あ、お久しぶりです。貴女はどうしてここに?」


メレンも女性に話しかける。


「こちらこそ久しぶりね。あなたがすごい甘えてきたの、よく覚えているわよ?」


「え?甘えてたって、ええ!!?」


「ああ、お前、その時酔っ払っていたから……………。」


それを聞いて女性は小さな声で笑った。


「あはは。そうそう。お酒でもなかったのに酔っ払っちゃったの、とても不思議だったのよ。あれ、いったい何だったの?」


「いや、あの、あれは…………。」


「まぁ何故酔っ払ったのかはいいわ。可愛かったわよ?」


「あ…………あう……………。」


メレンが恥ずかしそうに下を向いた。


「ところで、貴女は何故こんなところに?」


「あたしはここから東の大陸へ向かおうと思っていてね。船がまだこないから散歩してたら爆発音がしたから来てみればあなた達を見つけたって訳。」


「ああ。そうなんですか。」


「……………で、何やってたの?」


「まあ……………何といいますか……………強いて言えば、断罪?」


「……………………まあいいわ。」


そんな事を話していると。


「……………貴女…………どこかで……………。」


「ん?どうした、ジェルス。」


「そうだ、貴女は…………確か……………タスウェンで、……………そうだ、思い出した…………。思いだしたぞ……………何もかも…………。」


「何!?本当か!!ジェルス!!!」


「ああ。ジェルス・ノヴァール。16歳。出身国アメリカ。お前はカイン。CAINじゃなくてKAINだろ?」


「おお!!!思い出したみたいだな!!!」


「本当!?よかった!!!」


無邪気にはしゃぐ俺とメレンに構わず、ジェルスは女性を睨みつけた。


「おい、どうしたんだよ?ジェルス。記憶を思い出したかと思えば女性にガン飛ばして、おい!!」


「ちょっと黙ってろ。カイン。俺はこの人に話がある。」


「あら、どうしたの?」


「アンタ、どうしてタスウェンの町にいたんだ?」


「え?いたのか!?タスウェンの町に。」


「俺は確かに見た。酒場のカウンターに俺たちが座ると即座に店を出た。それに、俺たちが町を出る時もこっそりこっちを見ていたよな?」


「……………それ、本当なの?」


「ああ。それに、恐らく酒場で喧嘩した翌朝も宿屋を見ていたんじゃないのか?アンタ、何故俺たちをこっそり見ていたんだ?答えてくれ。」


女性が笑うのを止めた。


「………………何のことだか」

「それにアンタ、さっき“やっぱりここにいた”と言っていたよな?それ、俺たちがここに居る事を知ってたように聞こえたが?どういう事だ?説明してもらおうか。」


それを聞いて女性がニヤリと笑う。


「……………何でだと思う?」


ジェルスが答える。


「もしかして……………カインのメッセージを聞いていたとか?そうなると、俺たちの動向をずっと探ってたって事になるが……………。」


「……………そうだとしたら?」


「もしかして……………貴女……………リメイカー、とか?」


『なっ………………ッ(カインとメレン)』


「ふ、ふふ、あはははははは!!!それ正解!!ご名答!!!あなた、結構やるじゃない!!ま、あたしのミスなんだけどね!」


「じゃあ…………ッッ」


「…………自己紹介しましょうか。私はリメイカー副将、クーヤ・サドゥン。名乗ったのは初めてでしょ?よろしくね。」


「リメイカー…………副将…………?」


まさか、ディスターやサーリッシュ達幹部の上?


「副将っていうのは、その名の通り、上から二番目の地位って事よ。ま、あたし一人だけじゃないから私がナンバー2って訳じゃないけどね。」


「私達を倒しに来たんですか?」


「いいえ。と、いっても仲良くしに来たって訳でもないんだけどね。貴方達も敵が仲良くしに来たとは思わないでしょ?」


その問いには俺が答えた。


「ええ。それはそうなんですけど…………酒場で会った時、とても優しくて、敵とは思えませんでした。」


「あら、ありがとう。悪の自覚あるけど、それでもそんな事言われるなんて悪い気はしないわね。」


「ええ。俺はできれば貴女とは戦いたくありません。でも、俺たちにはリメイカーの情報が必要なんですが……………。」


「ま、あたしもバカじゃあないからね。リメイカーの情報が欲しかったらあたしと戦って力ずくで聞き出す事ね。」


「くそ、やっぱり戦わないといけないのか!!」


「ま、どの道だろ?修行の成果を実践で試してやる。戦おうぜ?」


「あら。ジェルスとか言ったっけ。貴方はずいぶんと喧嘩っ早いのね。別にいいけど。」


「メレン!!お前は宿屋に行って皆を読んで来てくれ!!」


「……………わかった!!」


俺は剣を抜く。ジェルスも続いた。


「………………さ。一年でどれだけ成長したのか見てあげる。かかってきなさい。」

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