第7話 拉致されて(続き)
ふあぁ………。色々な事があった割にはよく寝れたものだ。私は体を起こして体についた落ち葉を払い、大きく伸びをした。既に日は高く昇っており、日差しが暖かい。今は9時くらいかな?
ふわぁ……私は大きく欠伸をした。まだ眠い。私は朝に弱い。休日とかたまに昼まで寝ている時がある。
さて、早速出発しようと思っていたが、いまだに寝ぼけていた私は朝っぱらからとんでもない事をやらかした。
ん?何か足に生々しい感触が………。足下を見てみると ………。
「あ、ごめん。」
犬踏んじゃった。犬が凄い表情で悶絶している。
「大丈夫?」
「痛たたた………レーダーが壊れてしまいました……。」
ふーん……レーダーが………。
……………………………。
…………………………え?
レーダーが壊れた………………?
「ええぇぇぇ!?」
一気に目が覚めた。え?ちょっと、それヤバくない?いや、壊したのは私なんだけどさ。
……………壊したものはしょうがない。とりあえず出発しよう。
しかし、方角もロクにわからずにあちこち歩き回ると余計に道に迷うもので………。
だいたい歩き始めて6時間くらい。
はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……。
疲れた……足痛い………休憩しよう………。私は地面に腰をおろした。ふぅ………。
私は疲れた足を揉んでマッサージする。無意識のうちに魔法を使っていたのか、みるみる痛みが引いていき、楽になった。
足が楽になったところで、私は食べ物を探した。朝から何も食べていない。お腹すいた。
ちょうど木の上に果物があったため、私は木によじ登り、果物を手にとり、その場でたべはじめた。
見た目はリンゴのようだが色は真っ白で大きさがイチゴを少し大きくしたくらい。味はアロエに甘酸っぱさを足したような味だ。中々美味しい。
私が一息ついていると、人の声が。
「おい、ネコ。あの果物取ってこい。」
「は?何でおれが……。」
「うるせぇ!!拉致されて荒れ地歩かされて食い物もねぇしこっちの身にもなってみやがれ!!」
もしかして……私と同じ拉致されてきた人?しかし怒鳴り声がうるさい。
「うるさいなぁ……静かにしてよ。」
その人が辺りをキョロキョロしている遠いから分かりにくいが一見女子っぽい。しかし、口調と声が男っぽい。でも声はやや中性的かな?
「こっちこっちー。」
そして、私はその人の前に飛び降りた。茶色がかった髪はそこそこ長く、顔も中性的。ただし、結構な美形だ。伸長も私と比べたらでかいが男子のなかではそうでもないだろう。
「あなたも拉致されてきたの?」
そして、私はカインと出会ったのだった。