第63話 西へ(準備&休憩)
タスウェンを出て一週間。俺らはようやく城下町まで戻ってきた。メレンは火山灰から解放されて機嫌がどこかよさそうだ。城下町から城へ一直線へすすみ、顔パスで中に入る。
城に入ったら即座に三階へ直行し、俺は二人に話した。
「じゃあ、今日はもう準備と休憩。明日からバハル港へと向かう。これでいいな?」
二人が頷いた。
「よし、じゃあ、解散という事で。」
二人は部屋へと入っていく。俺は折れた剣の代わりを探しに武器倉庫へと歩いていく。倉庫に着いた辺りで、誰かが叫ぶ声がした。ほんの微かにしか聞こえなかったから、気のせいかもしれない。ま、いっか。
倉庫に入ると、前回見た時より武器が明らかに減っている。ロングソードが一本もない。城に入る時、金属の打ち合う音が聞こえたから訓練でもしているのだろう。まぁ、使えれば何でもいいか。
といっても、余っているのはバトルアックスとかモーニングスターとかバトルハンマーとかやたらとでかくて重いものばかり、俺には到底扱えない。
しばらく中を漁っていると少し埃を被っているがなかなか立派な長さが俺の身長と同じくらいのランスを見つけた。試しに素振りしてみると結構いい感じ。これにしよう。
で、折れてしまった剣は、今まで背負っていたが、別次元にしまって持っていく事にした。お守りみたいなものだ。
部屋に入り、荷物の準備をする。といっても水の補充くらいしかないのだが。
あとは何かする事あったかな………………。無いな。風呂入るか。
俺が風呂場へ向かうとジェルスが丁度出てきたところだった。表情をみる限りかなり疲れているようだ。あと、何か左目に殴られた跡がある。
「お前、どうかした?」
「いや、何でもない……………。」
?………なんかやつれたような声だった。何かあったのか?
………………俺には関係ないか。
えーっと、男湯ってどっちだったっけ………………。扉の文字を魔法で翻訳しようとしたが疲れているためかそれともしばらく意識して魔法を使っていなかった為か文字が歪んで見えただけだった。
うーんと……………。たしか左……………だったかな?
ガチャ。
バタン。
うん。間違えた。メレンの服と下着床に置いてあったもん。あいつ、服脱ぎ散らかすのか……………。なんか意外。あと、下着の色は黒。
右のドアを開け、更衣室で服を脱ぐ。ブレスレットをポケットに入れようとしたが、またズボンと一緒に回収されたらたまったものではないため、別次元に入れておく。
あまり長く入ると眠ってしまいそうだったので短めに入浴を済ませ、服を着て風呂場を出る。丁度メレンも風呂からあがったところだった、が、何か機嫌が悪そうにしている。
「……………どうかした?」
「………………見られた………………。」
「は?」
「見られたのよ……………ジェルスに。」
なんか今にも泣き出しそうだ。
「見られたって…………何を?」
「下着姿……………脱いでる時に…………間違えて入ってきて…………。下着見られちゃった……………。」
………………。
「あ、あの…………なんだ、その…………まぁ、気にすんなって。」
メレンはそれに答えず、泣きそうな顔のまま部屋へと戻っていった。
言えねえ……………俺も下着見ていたなんて…………口が裂けても言えねえよ…………。
………………忘れよう。この事は忘れよう。
部屋に戻ると、急に眠くなってきた。まだ夜の8時くらいだが、疲れが出てきたのだろう。今日はもう寝よう。
また何日と歩きだから、しっかり疲れ取らないとな……………。




