第61話 逃走
毎日寒いですねぇ。
鹿児島でもこんなに寒いのに北の方はどんだけ寒いのやら。
あと何か話す事あるかな……………。
うーん…………………。
別にいっか。どうせ俺の話なんて誰得(誰も得しない)だし。
(メレン視点)
あっという間にカインもジェルスも倒れてしまった。私が二人の言葉が気になって戦うのをためらっていた隙に………………。
カインとジェルスが抵抗しなくなったのを確認した二人が、私の方を向いた。
「で、貴女はどうするの?殺り合う?逃げる?何立ち止まっているの?」
「あっちの……………カインとか言ったか?あいつは躊躇いながらも立ち向かってきたが……………お前はそれすらもできない……………。お前、それでも本気でオレ達を止める気か?」
「それは……………。」
「つまんねぇな。アイツからは殺すなと言われていたが……………こんな臆病者じゃ遊ぶ気にもなれねぇよ。」
「というか生かしておく価値あるの?こんなんじゃあたし達がでる事無くそこらへんの獣に殺されそうだけど?」
「そうなんだよなぁ……………アイツもなんでそんな指示出したのやら……………。」
「どういう事?殺さないって…………。」
「は?そんなのお前には関係な…………あるかな?オレらの上司にはお前らは殺すなって言われているんだ。何考えてんのかわかんねぇけど。」
どういう事だろう?私達を殺さない?てっきりここで私達を排除する為にこの二人が待ち伏せしたのかと思ったけど……………。
でも、少なくともここでは、カインもジェルスも殺されない。それは良かった。
「喋り過ぎよ。ディスター。さて、貴女は戦う気はないみたいだし、この辺で見逃してあげましょうか。」
「そうだな。さっさとその二人を連れて逃げる事だな。致命傷にならないよう手加減しておいた。死ぬ事はないだろうよ。」
…………………。
私は二人の方を警戒しながらジェルスの方へ近づいた。
「大丈夫?ジェルス。立てる」
「あぁ……………。なんとか大丈夫…………。立てるよ…………。」
ジェルスは右腕と脇腹を深く斬られ、血をダラダラと流している。左手で腹を抑えながらヨロヨロと立ち上がった。
ジェルスの肩を支えながらカインの元へ歩いていく。カインは激痛で喘ぎながらもなんとか意識を保っていた。でも、いつ気絶するかわからない。気絶したら体を守る魔力が消えてしまうだろう。早くしないと。
「そうそう、お前達に教えておいてやるよ。」
不意にディスターが言った。
「オレ達、リメイカーの本部はこの大陸には無い。ここ、北の大陸ではなく西の大陸にある。お前達が本気で俺達を止めようと、世界を救おうと思うなら、バハル港から海に出るといい。」
サーリッシュが付け加えた。
「ただ、貴方達が今のままあたし達の所に来ても、ただ命を無駄にするだけでしょうね。ま、どうするかは貴方達の自由だけど。」
私はそれに対して何も言わず、カインの腕を掴んだ。タスウェンの町をイメージして唱える。
「“瞬間移動”(テレポート)。」
シュン!!
気がつくと、タスウェンの町の門のすぐ近くにいた。
「よかった、テレポートできた…………。早く………カイン………と………ジェルス…………病院…………」
テレポートで魔力を使い過ぎた…………眠くなっていく………。ダメ………起きて……………病院へ……………。
ドサァッ。




