第4話 メレン・マチル
メレン……どこかで聞いた事があるような気がする……だが、思い出せない。多分気のせいだろう。
俺はメレンと名乗った女の子をまじまじと見つめていた。黒い艶のある髪を肩甲骨のあたりまで伸ばしている。肌はやや白っぽい。顔は端整で目が大きく可愛らしい。手足は細く華奢な感じ。
とても可愛い子だ。ただ、こんなに小さい子が拉致されてきたのだろうか。伸長が俺より頭1つ低い。伸長140ないだろう。
「あの……、メレン?」
「ん?何?」
「えーっと、君、小学何年生?」
とたんにメレンの顔つきが不機嫌そうになる。
「今、何て?」
「いや、小学何年」
「私は17なんだけど。」
…………………え?この子……いや、この人………17?俺より歳上……?
とてもそうには見えない。しかし、胸はかなり膨らんでいるし……。
「………はい、これ。」
メレンが小さな手帳を手渡した。メレンの通ってる高校の生徒手帳のようだ。中身をパラパラめくり、メレンに返す。
「どう?これで信じてくれる?」
「あ、はい。すいません、マチルさん……。」
「あー、謝らなくていいよ、慣れてるし。あと、敬語もやめて。マチルじゃなくて、メレンって呼んで。私、そういうの嫌いだから。」
「えーっと、じゃあ、メレン、お前もこれから城に行くのか?」
「うん。行く途中で偶然あなたに会ったんだけど。あ、そうだ。一緒に行こうよ。この犬のレーダー壊れて道がよくわかんなくなってたからさ。」
「別にいいけど……、この犬ってやっぱりアニマロイドか……。」
その犬が口を開く。
「はい、DGです。よろしくお願いします。」
おぉ、礼儀がいい。どこかのクソネコとは大違いだ。
「お前、今どこかのクソネコとは大違いとか思っていただろ。」
「何の事だかさっぱりわからんな。で、ネコ。この犬ってお前の知り合いか?」
「あぁ。こいつは俺より後から改造された奴でな。後輩みたいなもんだ。」
ふーん……。何か犬のほうが先輩っぽいな。
「さ、行こ。」
メレンがさっさと歩き出す。俺とアニマル共も後から追いかける。
で、歩き始めて30分くらい。
「……………。」
「……………。」
………まずい、話す事が全くない。元々女子と話すのは苦手で、ましてや二人(+二匹)きりでは………。この先大丈夫だろうか………。
「………ねぇ、カイン。」
「え、何?」
「………いやらしい事とか考えてないよね?」
「お前みたいなのに手をだしたらロリコン犯罪者じゃねぇか!!考えてねぇよ!!」
「何よ!!私のほうが歳上なんだからロリとか言わないでよ!!」
……………前言撤回。
これから先、賑やかになりそうだ。
本文に敬語とかありますが、
"名前からして主人公達外人で外国語に基本敬語ないのに敬語とか"など思うかもしれませんが、丁寧な表現だと思ってくだされば幸いです。