第46話 再び城へ
(カイン視点)
……………朝か………。結構日が高くなっているな………。この世界には時計が殆ど無いから困る。今は10時くらいだと思うんだか………。
俺が辺りを見渡すと、二人はぐっすりと眠っている。ジェルスは寝相が悪いのかメレンから離れて寝ていたハズなのにメレンの近くまで来ており、今はメレンに頬を蹴られている姿勢で眠っている。ブーツが顔に食い込みながらも熟睡してるのはなかなかシュールな画だ。
俺は立ち上がり大きく伸びをした。頭を掻くと
髪が酷い寝癖になっているのがわかる。俺は軽く舌打ちし、魔法で、寝癖を直しはじめた。
俺は髪が長いせいか時々寝癖が爆発する。毎回なかなか直らず、洗面所で苦戦している。直せなかったらクラスメートに大笑いされていた。髪を短くすればマシになるのだろうが、小学生の頃短髪にした際にクラスメートからそろって似合ってないと呼ばれ、そこから散髪が大嫌いになり、滅多な事では理髪店に行かない。最後に理髪店行ったのいつだっけ………。
少なくともメレンはまだ起きないだろう。早く、早く直さな
「ん………おはよ……カイン……。」
…………………………。
「?………カイン………?どした………の。」
…………………………。
「ぷっ!!くくく…………あはははは!!何それ!!?あははははは!!ありえないって!!あははははは!!」
「テメェ何で起きてほしくねぇ時に限ってじぶんから起きるんだぁぁぁーーーーー!!」
クソ!!見られた!!見られたくなかったのに!!
「ん……何をそんなにうるさ………く。」
………………………。
「くくく………ははは………。あはははは!!ちょっ、お前ッ!!どうしっ!!たっ!!あはははははははは!!」
「本当、ありえないよね、あははははは!!」
「あはは!!全くだ!!あははははははは!!」
…………………………………………。
「お前ら、黙りやがれええぇぇぇ!!!!」
5分後、ようやく二人とも落ち着き、寝癖も元に戻した。
「全く………。」
俺はそう呟き、メレンに声をかけた。
「おい、そろそろ出発するぞ。」
「うん。…………、ねぇ、カイン?」
「ん?どうした?」
「いや、なんでも無い。」
「?なんでも無いなら行くぞ。」
俺は気絶している上に縛り上げられたジェルスを引きずりながら歩きだした。
………メレンが何か言いたげだが、………ま、いっか。
しばらく歩き、ようやく城下町の門までたどり着いた。入口の兵士が気づいて声をかける。
「おお、お前達、どうだった?集落は?」
「はい、獣に襲われてましたけど、倒しました。」
「そうか。それはよかった。………で、気になっていたのだが、お前が引きずっている、その………人?……は?」
「あぁ。こいつは俺達と同じ世界から来ました。」
「………ま、まぁ、報告ついでに紹介するといい。通れ。」
そう言われ、城へ向かって歩いていく。
歩いて10分くらいすると、引きずってる物が動きだした。
「おお、気づいたか。ジェルス。」
「ああ………えーっと、俺、何やってたっけ?それと、何で縛られてんの?」
「それは、地面で転んで頭撃って気絶してさ。お前でかくて背負うの難しかったから縛ったんだよ。」
「うーん………なんか、釈然としないけど………まぁ、いっか。」
「………。」
「ん、どうかしたの?メレン?」
「いや………何でもない。」
で、城に到着。
顔パスで城の中に入り、使用人の男性にジェルスを突きだして、着替えさせるように言った。
で、王様に報告。そうだったかとかご苦労だったとかこれからもがんばってくれとかそんな事言われただけだった。
ジェルスを紹介しても俺達と同じようなものだった。
で、報告の後、俺は部屋に剣だけ置いて、風呂場に直行した。
脱衣場でリリちゃんのブレスレットをポケットに入れて服を脱ぎ、風呂に入る。
あぁ………気持ちいいな………。でも、今度は寝ないようにしないと………またあんな目にあるのはゴメンだからな………。
風呂でボーッとしていると、聞いたことのある声が。
「カイン様、新しい服を置いておきますね。着ていた物を洗っておきます。」
あ、あの金髪のメイドさんか。
新しい服か……あの服、汚れてるし裂かれてるし、新しいのはありがたいな………。
ふぅ………久しぶりだからか、メッチャ気持ちいい…………。
ん?待てよ?あのメイドさん、着ていた物を洗っておくって言わなかったか?
ということは、ポケットの中のブレスレット
も………。
……………。
俺は急いで体を拭き、服を着て脱衣場を出た。やはり、もうメイドさんは消えている。
服を洗う部屋はどこた?………とにかく、メイドの休憩室に行けば教えてくれるだろう。
メイドの休憩室に行くと、長い茶髪で眠たそうな目をした色っぽいメイド一人。
「あら、急いでいるようですが………何かご用ですか?」
「あの、メイドが普段服を洗う場所はどこですか?」
そのメイドさんは一瞬怪訝な表情になった。まぁ、普通そんな場所に用のある奴はいないだろう。
「そちらでしたら………。この先の右の二つ目の部屋ですが………。」
「ありがとうございます!!」
そう言って俺はその部屋に駆け込んだ。ちょうど金髪のメイドさんがズボンを洗おうとしていた所だった。
「ちょっと待ったーーーー!!」
ブレスレット確保。
「ご、ごめんなさいごめんなさい!!確認もせずに……ごめんなさい!!」
また泣き出してしまった……………。
前回と同じ要領で泣き止ませ、ブレスレットを右腕に再装着し、部屋に戻る。さっきの茶髪のメイドさんが泣き声を聴いていたようで、こちらを不思議そうに見ていた。
部屋に戻ると、丁度隣の部屋からジェルスが出てきた。
「カイン、どうかしたか?疲れた顔してるけど。」
「いや………何でもない………。」
そう言って俺は部屋に入る。
なんか………すげえ疲れた………。




