第38話 帰還途中(続き)
最近更新遅くなって本当に申し訳ない。
(メレン視点)
大雨で足止めを食らってから三日後、その後は特に何の問題もなくいたって順調に進んでいる。1回リッドさんが間違えて反対の方向に進んじゃったけど、サネスさんがすぐに気づいてくれたおかげで大したタイムロスにならなかったし。
そしていつものようにリッドさんとサネスさんが食料の調達、残った私たちがキャンプの準備。
キャンプと言っても焚火と落ち葉で作った寝床の準備だけでどちらかと言うと野宿みたいなものなんだけど。まあ、この準備は5分位で終わってしまい、二人を待つのは結構退屈。暇をつぶすものなんて何もないし、リリちゃんと何か話をして時間をつぶしてもいいけど、いかんせん住んでいる世界が違うためなのか、たいして話が弾まない。
それに、ここのところリリちゃんはカインにくっついてばかりだし。いまもリリちゃんはカインに寄り添ってうたた寝をしている。カインは困った様子を見せつつも、微笑みながらリリちゃんのあたまをなでており、あながち嫌でもなさそう。
リリちゃんがバロンガ戦以降よくカインにくっついているのは、多分カインに助けられたときにカインに惚れたからだろう。なんか映画でありそうな展開だ。別にリリちゃんがカインに恋をしようがしまいが関係ない………はずなのに、どうもふたりが気になってしょうがない。
気になるだけではなく、リリちゃんがカインにくっついているのを見るとどうもイライラする。いや、無性に寂しくなって、わたしもカインに構ってもらいたくなる。
なぜこんな気持ちになってしまうのだろう?べつに私もカインに恋してるというわけではない。カインに恋してるか?と聞かれたら即答で違うと言える。それともやっぱり自分でも気付かないうちにカインに恋をしているとでも言うのだろうか?否、そんな事はあり得ない。自分の事は自分が一番よくわかっている。
私が単に寂しがりなだけだろう。最近誰もあまり構ってくれないからこんな気持ちになっているにきまっている。ナミラだって私が高校行く前までしょっちゅうあなたは寂しがりな性格をなんとかしなさいと言ってたっけ。
高校にあがってから自分でも寂しがりは克服できたと思ってたがそうでもなかったみたい。
「…………あの、メレン?この間から思ってたけど、何か怒ってる?」
カインがこちらの様子に気づいたのか少し心配そうな表情で聞いてきた。
「別に!」
なぜか自然と不機嫌な口調になってしまう。あぁもう、カインがに恋してる訳でもリリちゃんに嫉妬してる訳でもないのに!!
「ん、………ううん………。」
あ、リリちゃん起きた。
リリちゃんはカインにもたれながら大きく伸びをして立ち上がり小さく欠伸をした。頬が僅かに赤くなっている。
「リリちゃん、顔赤くなってるけど具合悪い?」
「い、いや?なんでもないよ?」
……………もしかして、カイン、リリちゃんがカインに惚れてるった気づいてない?
私はカインに聞いてみる。
「ねえ、カイン。もしかして気づいてないフリしてる?」
するとカインはきょとんとして、
「へ?何が?」
と答えた。ちなみにリリちゃんはこちらをいきなり何を言っているんだとでも言いたげな表情で見ている。
あ、本当に気づいてない……………今までつれなかった女の子が急に近寄ってきて顔赤くしてたら気づくでしょ、普通…………。
この人、鈍感……?