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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第3部 戦いに生きる人造人間
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第191話 メレンVSチェリ決着

「ぐふ…………っ。」


脇腹に蹴りが直撃。体の芯に響くような衝撃が広がり、お腹から何か逆流してくる。口から溢れて来た液体は真っ赤で、酸化鉄の独特な臭いが鼻をつく。


私の体が大きくぐらつく。チェリが僅かに笑ったように見えた。


ガシ‼︎


「…………ハァ、ハァ、ハァ………。絶対………、離さない…………‼︎」


チェリの蹴り足を掴み、腕と体を使って、逃げられないようがっちりホールド。このチャンスを逃したら、絶対に勝てない。ここで決めるしかない。右手に魔力を込める。


ドカッ‼︎ドカッ‼︎ドカッ‼︎


チェリが私の頭を何発も殴る。口から更に血が流れる。


「言ったでしょ?絶対逃がさないって…………。私は必ずアイナを助けてみせる。その為に、貴女にも勝ってみせる‼︎」


ズドン‼︎


顔に撃ち込まれた魔力散弾も魔力でガード。よし、魔力が溜まった。これで………決める‼︎


魔力重機関砲(マジックガトリングガン)ッ‼︎」


ズガガガガガガガガガガガガガ!‼︎


高密度のエネルギー弾がもの凄い数でチェリを襲う。発射数は1分間に480発。一発の威力は魔力大砲より弱いが、数で圧倒する。あまりに大量の魔力を消費するため、溜め時間が要る上に、私自身の魔力も殆ど使うまさに私の最終兵器(リーサルウエポン)


ズガガガガガガガガガガガガガ!‼︎


大量の魔力弾はチェリをどんどん押して、壁に叩きつける。しかしまだ。まだこんなもんじゃ倒れない‼︎もっと撃ち込まないと‼︎


ズガガガガガガガガガガガガガ!‼︎


次第にチェリの後ろの壁にヒビが入る。蜘蛛の巣のようなヒビは徐々に大きくなり、そして………。


ドガアアアアアアアッッ‼︎


チェリが壁ごと吹き飛んだ。と、ここで私の魔力が尽きて、魔力弾が止まる。私の体にまるでマラソンを走った後のような疲労感が広がり、私は耐え切れず膝をついた。これでダメなら打つ手はない。しばらくは魔力弾を撃つのはおろか、走る事さえ容易にはいかないだろう。


壁を吹き飛ばした際の土煙が徐々に晴れ、視界がクリアとなる。しかし、チェリが襲ってくる気配はない。


私はなんとか立ち上がり、よろよろと吹き飛んだ壁の方へ向かう。壁の大穴から覗き込むと、通路にチェリが倒れていた。あちこちに血が流れており、意識を失っているようだ。胸が動いているため、死んではいない。………よかった。生身の人間にこれを撃つと確実に殺してしまう(レリカなどの人外クラスを除く)。チェリが丈夫な人造人間だからこそ、この技を使う事ができたようなものだ。もっとも、こうでもしないと倒せないのだが。


左腕を見ると、件の腕輪が壊れていた。これがどういうものかはよく分からないが、なんか、壊すのが正しいような確信があった。だからこれでいいのだろう。


「ごめんなさい………貴女はリメイカーに利用されているだけなのに………でも、私にも譲れないものがあるの。必ず、アイナを助けないといけないから………。」


そう。チェリは自分の意思でリメイカーについて、私と戦った訳ではない。アーテスの命令に逆らう事が出来なくて、無理矢理戦わされていただけだ。


………アーテス、絶対に許さない。感情を奪い、戦わせ、アイナを殺そうとしている。絶対に私が倒してみせる。


ほんの少し休憩して、私は通路の先へ向かった。もうリメイカーの雑魚達はいない。………これはありがたい。私はチェリとの戦いでボロボロだ。戦わず、少しでも体力を回復できる。これでアーテスとも戦える。


通路をひたすら進む。………階段はどこだろう。いくつか分かれ道があって、虱潰しに探しているが、どうもさっきから同じ所をグルグル回ってるような気がする。


「…………あれ?」


さっきの通路だ。相変わらずチェリが倒れている。放っておくのはどうかとも思うが、今の私にはどこかに運び込んだり、魔法で治療してあげたりする余裕はない。可哀想だが置いていく。


5分後………。


おっかしいなぁ…………。またチェリが倒れてる通路に戻ってきちゃった。………もしかして、階段は隠されてる?


今度は注意深く辺りを観察しながら進む。すると、途中に何やら怪しい場所を発見した。


一見すると普通の壁だ。しかし、少しだけ色の違ってる所がある。もしかして、これは………。


色の違う部分の中心を押してみる。


ゴゴゴゴゴゴ………。


あ、やっぱり。北のお城のソルア(私が今持ってる闇の力を持つらしい剣。)が封じられてた所と同じだ。壁が開いて階段が姿を現す。


私は大きく深呼吸をした。この先に、アイナがいる。


「遂に…………来たよ。アイナ。もう少しの辛抱だから‼︎」


私は階段を駆け上がった。

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