第190話 メレンVSチェリ①
フロウに関してはもうちょっとお待ちください。とりあえずしばらくは出てこないです。
(メレン視点)
「魔力大鎌‼︎」
私の放った魔力大鎌はチェリに蹴り飛ばされ、天井に向かって飛んでいき、天井に真っ直ぐな切れ込みを容れた。
正直、蹴り飛ばされるのは予想外だ。魔力大鎌は修行中に習得した私の技の中でも相当強い方だ。ハッキリ言って命中すればどんなに相手が強くても真っ二つにしかねない。アイナからもそれを危惧されて余程の事がない限り使わないように言われていた。
それがあっさり蹴り返されるなんて………。やはり、相当強い。
チェリが左腕を私に見せる。そこには黒い腕輪がはめられていた。
「何それ…………。もしかして、それ大切なもの?」
チェリが無表情のまま頷く。
「アイナと関係あるの?」
再び頷いた。
「つまり……貴女を倒してそれをどうにかしないといけない?」
それを聞くと同時にチェリが突っ込んできた。足に魔力を込める。
タンタンッ‼︎
一回目の瞬間跳躍でキックをかわして壁まで跳び、二回目で壁を蹴って上空に飛ぶ。
「針雨‼︎」
魔力のエネルギーを針状に尖らせ、大量に降り注がせる。
ズドォッ‼︎
げ、特大の魔力弾で自分に向けて降ってくる針を弾きながら反撃してきた‼︎こ、これは、これで貫けることを祈るしかない‼︎
「指回転銃‼︎」
ドチュン‼︎
やっぱり相殺しきれない‼︎防御しないと
ドガアアアアッッ‼︎
ドサアッ‼︎
な、なんとか、致命傷は避けられた………。だけど、結構ダメージが大きい。序盤からあまり攻撃喰らいたくはなかったけど………。
ドカッ‼︎
追撃で襲いかかってくるチェリをキックで迎えうつ。手に魔力弾を形成し、投げつける。この前と同じ、これは反射鏡だ。
更に今回はいくつも造ってはチェリの背後のあちこちに展開させる。複雑に反射させ、起動なんて読ませない。いけるッ‼︎
「指狙撃ッ‼︎」
これは避けられるが予想通り。複雑に反射させるために撃ったんだから。この軌道を読むなんてできないハズ。
ガキィンッ‼︎
「え…………?」
あっさり拳で弾かれた。しかも、チェリは一度も背後を振り向いていない。まさか、反射してくるのは予想済み?しかも、私が魔力弾を投げた腕の動きで鏡を展開した位置を割り出して反射の軌道を読んだというの!?
ドカァッ‼︎ドォォン‼︎
「きゃああッ‼︎」
腹に回し蹴りを叩き込まれ吹っ飛ばされ、木箱に叩きつけられた。木箱が木っ端微塵に吹き飛ぶ。
「この………。」
木箱の破片を掴み、投げつける。チェリはそれをあっさり回避。そして大きな魔力弾を一瞬で造り投げつけてくる。魔力を溜めるのも私より早い。
直前まで………私に当たる直前まで魔力を溜める‼︎
「魔力大砲‼︎」
ドゴォォォォォッ‼︎
なんとか相殺するが至近距離でぶつかり爆発したため私は衝撃で吹っ飛ばされる。
ヒュン‼︎
げっ、瞬間跳躍で追いつかれた!?
ドガアアアアッ‼︎
私は地面にヒビが入る程の勢いで叩きつけられる。咄嗟に魔力で身を守ったが凄い衝撃が走った。
ガッ‼︎
起き上がると同時に反撃で蹴りを放つもあっさり受け止められる。
ズドン‼︎
「あああッ‼︎」
右足の太腿に魔力弾を撃ち込まれた。足から血が吹き出す。
「指回転銃弾‼︎」
ズドン‼︎
………消えた?いや、上‼︎
「…………ッ‼︎」
巨大な魔力の刃が私に向かって降ってきた。私の魔力大鎌の3倍は大きい。避けないと真っ二つになる‼︎
立ち上がろうとしたが、さっき足に撃ち込まれたせいでふらつく。こうなったら‼︎
私はわざと魔力弾を自分の目の前で炸裂させ、その勢いで吹っ飛んでなんとか回避した。魔力の刃がまるで床に沈んでいくかのように滑らかに床を斬りながら下へ飛んでいく。もし私に命中したらと思うと背筋が震える。私なんてハムを切るようにスパッと真っ二つになるに違いない。
チェリが私を仕留めるべく近づいてくる。
バキィン‼︎
突如、チェリの後方から何かが破裂するような音が響く。チェリが咄嗟に音のした方へ体を向ける。
「魔力大砲‼︎」
ドゴォォォォォッ‼︎
私の魔力大砲の直撃を受け、チェリが大きく吹っ飛ぶ。あの爆発はさっき投げた木片によるものだ。予め魔力を注いで、魔力を弾けさせ破裂させた。
チャンス‼︎着地際を狙い、私は瞬間跳躍でチェリに追い付いた。怪我した足から血が吹き出し激痛が走るが歯を喰いしばって我慢した。そしてもう一発魔力大砲。
ドゴォォォォォッ‼︎
追撃で再び着地際を狙い腹に肘打ちを叩き込んだ。魔力大砲でのダメージも大きかったのかチェリが怯む。そこにアッパー掌底を撃ち込んだ。魔力を込めていたため、チェリが僅かに浮き上がる。
「おりゃあああああああッッ‼︎」
チェリの腕を取り、思いきり投げ飛ばし、近くにあった木箱に叩きつける。これでどうだ‼︎
ッ‼︎
ガッ‼︎
チェリから繰り出される蹴りを受け止める。咄嗟だったため左足で受けてしまった。怪我した右足を軸にしてしまったためよろけてしまう。そこに魔力弾を投げつけらる。
ドガアッ‼︎
「きゃあああッ‼︎」
なんて耐久力なの!?魔力大砲計3発、肘打ち、アッパーと結構危険な攻撃立て続けに喰らって、そして投げ飛ばされて木箱に叩きつけられたのに‼︎
チェリがややふらつきながら立ち上がる。流石にダメージは大きいようだ。だけど、魔力大砲くらいじゃ倒せない。…………チェリとの戦いの後にもまだ戦うだろうから、ペース配分とか考えてたけど、そうも言ってられないみたい。使おう。私の最強の技。じゃないと、アイナを助けられない。
チェリが突っ込んできた。ダメージが大きくてもう瞬間跳躍も使えないみたい。………これは好都合。
ヒュン‼︎ドガァッ‼︎
瞬間跳躍でチェリの横に回り込み、魔力を込めたキックを打ち込む。右足で蹴ったため再び右足から血が出て激痛が走るが気にしてられない。
ドッ‼︎
「ぐふ…………ッ‼︎」
しかし、チェリは怯まず、反撃のキックを叩き込んできた。私の腹に直撃し、私の口から血が溢れ出した。