第186話 カインVSディスター決着
「崩山拳衝ォォォ!‼︎」
「斬撃、海王三叉槍ッッ!‼︎」
ズガアアアアアアッ‼︎‼︎
二人の最大の技がぶつかる。ぶつかった際の衝撃で思わず吹き飛びそうになったが、なんとか踏みとどまった。
ガガガガガガガガガガガッッ‼︎
「う、ぉぉぉぉぉッ‼︎打ち勝て…………突き抜けろォォッ!‼︎」
「で、でかい…………まさか、オレの最強の技が………崩山拳衝が…………。うぉぉ………‼︎」
ズドォォォォォォォォン‼︎‼︎
「……………な、なんとか………打ち勝てた………。………‼︎おい、ディスター‼︎大丈夫か!?」
「………ああ。なんとかな。危うく意識が飛びそうになったが。」
ディスターがよろよろと立ち上がる。血だらけだったが命に別状は無さそうだ。
「………ハハッ。強くなったな。カイン。敵わねえや。オレの最強の技まで打ち負けたんだからな。………本当、一年でよくここまで強くなれたモンだよ。」
「いや、正直、わからなかった………。お前も強かったし、最後は打ち勝てるか不安だったんだ。それに………、ゲホッ‼︎………はぁ、はぁ………。」
俺は咳き込み血を吐いた。貰った攻撃の数はそこまで多いわけではないが、内臓に相当ダメージが入っている。
「こんなにダメージ負ってるんだ。一発一発が重かった。勝負は時の運とも言うし、運がよかったよ。」
「へへっ、それくらいはやらねぇと面目たたねぇからな。」
俺たち二人は軽く笑い合う。
「本当………お前なら、いつかリメイカーを倒せるかもしれないな。」
「もう、迷いはないか?」
「ああ。お前のおかげだ。ありがとよ。………じゃ、リメイカーを辞めないとな。カイン。頼みがある。」
「なんだ?」
ディスターがオレに足首を見せる。足首にリングが着けてあり、それにはリメイカーのマークがあった。
「オレのリメイカーの所属を証明しているものだ。これを壊してくれ。自分じゃ壊せないようになってんだ。」
「おう。」
パキィンッ!
小さな斬撃を飛ばしてリングを壊す。
「よし‼︎これでオレは自由の身って訳だ。これから…………しばらくは身を隠すとするか。オレはこの瞬間から裏切り者だからな。きっと刺客が追ってくるだろう。レリカが来るかもしれないな。」
「おい、大丈夫か?なんなら俺たちの仲間に………。」
「………裏切り者云々はオレの問題だ。お前らに迷惑はかけられん。ただ、この問題がひと段落して、もし会えたら………。そん時はまた誘ってくれ。」
「…………ああ。また勝負しようぜ。もっと強くなって。」
「望むところだ。次は勝ってやるからな。………ああ、そうそう。大事な事忘れてたよ。」
バキイッ‼︎
ディスターが腕輪を壊した。
「これでアイヌゼラを縛る鎖の一つが解けたハズだ。お前はまだやる事があるんだろ?」
「ああ。この先に行って、アイナさんを助けるんだ。」
「…………負けんじゃねぇぞ。じゃあ、オレは行くぜ‼︎ありがとうな!また会おうぜ‼︎」
「ああ‼︎気ィ付けろよ‼︎」
ディスターが窓からどこかへ去っていった。………また会える時が楽しみだ。
…………よし。個人的な決着はつけたし、先を急ごう。この部屋の先に階段があるかもしれない。またリメイカーが出てくるかもしれないが、立ち止まってる暇はない。
「アイナさん、待っててください。必ず助けます。」
扉を開け、先に進む。当然のようにリメイカーの雑魚達が集まってきている。
「テメェら‼︎怪我したくなけりゃあ下がるんだな‼︎斬撃、三又螺旋‼︎」
ドガアアアッ‼︎
「雑魚達はこっから来たのか…………階段はこっちか?」
とにかく進もう。俺は通路を再び走り出した。