第185話 カインVSディスター②
ガキィンッ‼︎‼︎
剣と小手がぶつかり、派手に金属音が鳴る。お互いバックステップで距離をとる。
剣を持っているこっちがリーチなら有利だ。だが、小回りならあっちが効く。ましてや、フットワークの軽いディスターなら剣を振った隙に懐に潜り込んで反撃してくる、なんて容易な事だろう。なら…………。
「斬撃、回転刃‼︎」
ガキィィン‼︎
ディスターが小手で斬撃を受け止めようとする。
ギャルルルルルルッ‼︎
斬撃と声が激しくぶつかり、火花が散る。
「お、うおお…………ッ‼︎」
徐々にディスターが押されていく。そして………。
ガキィンッ‼︎
ディスターが押し負け、吹っ飛ばされた。ディスターは受け身を取り、こちらに向かってくる。
「オラアッ‼︎」
次々と飛んでくるパンチをなんとか避ける。剣で受け止めるとガードした際にできる隙にパンチを叩き込まれるから避けるしかない。
バックジャンプで距離を取りながら剣を向ける。
「斬撃、散弾‼︎」
ズドンッ‼︎
「うおッ‼︎………接近戦向けの斬撃技か………ならこっちも飛び道具を使わせてもらおうか‼︎砕岩拳衝‼︎」
やべ、スピードが早い。斬撃撃つ暇がねえッ‼︎
ガキィンッ‼︎
なんとか剣で受け止める。肩が外れそうな程の衝撃だったがなんとか耐えられた。
「隙ありィッ‼︎」
ドゴォッ‼︎
「ぐはぁッ‼︎」
俺の顔に右フックが叩き込まれる。魔力でガードしてなきゃ意識が飛んでいたかもしれない。ガードしても口から血が溢れる威力だ。
「なんのォッ‼︎」
斬撃散弾を撃つがディスターに避けられる。しかし、これは距離を取るためにワザと避けさせたモノだ。
「砕岩乱打衝‼︎」
次々と飛ばす砕岩拳衝か‼︎散弾じゃ弾けねぇ‼︎避けないと‼︎
「オラオラオラオラオラオラオラァッッ‼︎」
ドガドガドガドガ‼︎
大量の拳衝が壁をあちこち吹き飛ばしていく。文字通り一撃で岩を砕く威力だ。こんなモン何発も貰ったらタダでは済まねぇな。
「オラオラオラオラオラオラァッッ‼︎」
クソッ、ひたすら連射する気か‼︎避けるだけじゃ埒があかねぇ‼︎何とかこれで突破を………‼︎
「斬撃、三又螺旋、剛!‼︎」
「何!?この連打の中、突き抜け………?」
ドバアアッ‼︎
「へへっ、ちっとは効いたか?」
ディスターは斬られた怪我で血を流すも立ち上がる。
「ああ、十分過ぎる程だ、だが、まだまだだ‼︎」
「斬撃、回転刃‼︎」
ディスターが斬撃をジャンプで回避し、更に俺に近づいてくる。
「オラァッ‼︎」
ガキィィィィッッ‼︎
右ストレートをなんとか剣で受け止める。ビリビリと衝撃が腕に伝わってくる。
だが、甘いな。さっきの回転刃はブーメランのように戻ってくるぜ。
バシイッ‼︎
何?斬撃を掴んだ?
「オラアッ‼︎」
「うおおッ‼︎」
ガキィィン‼︎
何て奴だ‼︎回転刃を掴んで俺に叩きつけてきやがった。回転刃と剣がぶつかりまたも火花が飛び散る。
「弾けろ‼︎」
回転刃が弾けて散弾となる。ディスターもこれは読めなかったらしく、マトモに喰らう。勿論近くにいた俺も散弾をくらうが、予め魔力で防御しているため軽い怪我で済む。
怯んだディスターに全力でショルダータックルをぶちかまし、吹き飛ばす。
「斬撃、散弾、連射‼︎」
ズドンズドンズドンズドン!‼︎
「平手防壁‼︎」
掌の形をした盾が展開され、散弾が弾かれる。
「鷲球‼︎」
速ッ、
「うおおッ‼︎」
反応しきれずモロに喰らい吹き飛ばされる。だが、止まってられないッ‼︎
「斬撃、回転刃‼︎」
「砕岩拳衝‼︎」
ドガアアアッ‼︎
「………本当、強えな。カイン。」
「言っただろ?リメイカーから救えるくらいの力を見せるって。」
「ああ。戦いを通じて………何か、信じられるようになってきた。」
「じゃ、もう一息か?」
「ああ。どうやら普通にやりあってもお前は倒せんらしい。だから、オレの最強の技を使う。お前も最強の技を使え。この技に勝ってみろ。」
「ああ。やってみる。」
そう言ってお互い距離を取り、ありったけの魔力を込める。
「うおおおおお…………ッッ‼︎」
「はあああああ…………ッッ‼︎」
どうやら同時に溜めが終わったらしい‼︎絶対に打ち勝ってみせる‼︎いくぜ、現時点での俺の最強の技だ‼︎
「これで決めるッッ‼︎行くぞぉぉぉぉぉぉぉッッ‼︎」
「来いぃぃぃぃッッ‼︎」
「喰らえッッ、崩山拳衝ォォォ‼︎‼︎」
「斬撃、海王三叉槍ッッ‼︎」