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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第3部 戦いに生きる人造人間
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第176話 必ず助ける

アイナさん達がどこかへ消えてしまったあと、俺達はしばらく動けなかった。5分くらいした後、俺達は焚き火を囲む。しばらくは誰も何も言わなかったが、辛抱ならず、俺はメレンに言った。


「なぁ、メレン。お前は………アイナさんが人造人間であることを知っていたのか?」


「うん。聞かされた。出会って割りとすぐに。」


「なんで、アイナさんが自分が人造人間であるかと言わなかったのかわかるか?」


「アイナは自分が人造人間ってだけでひどい迫害を受けてたの。いつ壊れて何をしでかすかわからないって。アイナはとても強かったのも迫害を酷くさせたんでしょうね。石を投げられる、暴行を受ける、レイプもされて、酷い時には処刑されそうにもなったって。」


「そうか。」


………それなら俺達に黙っていても仕方ない。とても辛かったに違いない。俺達に人造人間であると知られて、俺達に今までのように迫害されるのが嫌だったのか。


「…………南の町で、アイナは私に言ってくれたの。皆といるのが楽しいって。もっと皆といたいと、もっと話がしたいって。」


「…………そうか。…………そういや、メレン、人造人間ってのは、いったいどういう意図で産み出されたんだ?あの女、チェリはリメイカーだったが、人造人間はリメイカーの戦闘員にするためなのか?」


「いや、人造人間は本来リメイカーに対抗するために造られたみたいなの。アイナから聞いた。………どうしてチェリがリメイカーに?いや、そもそもなぜアーテスは対リメイカーからリメイカーへと寝返ったのかな?」


「試作品であるアイナに嘘を吹き込んでいたという可能性は?アイナは普通の生活が送れるかのテストで戦闘員ではなかったんだろ?」


「………どうだろう。その可能性はあるかもしれない。でも、リメイカーがそんな回りくどい事するかな?アイナは修行した私達3人纏めてかかっても勝てるかわかんない程強いからリメイカーなら普通に戦わせると思うけど。」


「そうかもしれんな。まあ、対リメイカーのハズの人造人間がなぜリメイカーにいるかなんて今は重要な事じゃない。リメイカーの手中にあるのは事実らしいからな。」


「ああ。そうだな。」


「アイナ、あんな酷い事いって、私やカインに暴力を振るったけど、あれはきっと本心じゃない。きっと、皆をチェリから守るためにワザとあんな事やったハズよ。だから、アイナは酷い人なんかじゃない。アイナは………。」


フロウも会話に加わる。


「でしょうね。大切な人、つまりメレンさん、貴女の為に自ら憎まれ役を買ってでる……、いい話じゃあないですか。とてもいい女性ですよ。アイナさん。そんな素晴らしい方が迫害が受けるなんて間違ってますよ。」


「ああ。その通りだ。んじゃ、行こうか。」


俺はそう言って立ち上がる。


「行くって、どこへ………?」


「決まってんだろ。アイナさんを助けに行くんだよ。それとも何だ、アイナさんが言ってたようにアイナさんを忘れてどっか行くとでも思ってたのか?」


「そうじゃないけど、いいの?アイナが人造人間だって知ったのに。」


「もちろんだ。フロウも言ってたが、あんなにいい人を嫌いになる理由がない。人造人間がなんだってんだ。あの人にはちゃんと心があるじゃないか。それが造られたものであっても関係ない。俺は助けに行く。きっとリメイカーに、あのチェリも待ち受けているだろうが、関係ない。俺は戦う。そして助け出してみせる!!」


「…………よかった……カイン………。」


「それに、アイナさんは俺達ともっと話がしたいって言ってたんだろ?俺もアイナさんと話がしたい。この戦い終えて、助け出して、わだかまりが解けたら皆でたくさん話しようぜ。」


「そうですね。私もカインさんに同感です。女性一人助けられないようでは男として生きる意味はありません。このフロウ、アイナさんの為に戦いましょう。」


「お前らならそういうと思ってたよ。本当、優しいな、お前ら。」


「フッ、お前はどうなんだ?ジェルス?」


「当然。ついていこう。仲間があんな目にあってるのに、黙ってみているなんて俺の性にあわん。必ず助け出そうぜ。お前も来るのか?キュリア?」


「はい。当然です。わたしだって戦います。わたしは皆を助けるためについてきたんです。」


「…………。わかった。ヒノ、お前は………。」


「わたしもいく‼︎アイナちゃんをたすけるの‼︎おにいちゃんにぼうりょくはダメって言われたけど、こんかいは人をきずつけてたのしむためじゃない‼︎アイナちゃんをたすけるためにあたしもたたかうの‼︎」


「言っても聞かないよな。わかったよ‼︎ヒノ‼︎ついて来い‼︎」


「うん‼︎」


「…………ありがとう、皆。」


メレンの礼に対し、俺はこう言う。


「あー、そういうのは後だ。全部終わらせて、アイナさん取り戻してから聞いてやる。」


「うん。わかった。じゃあ、アイナを取り戻しに、行くよ‼︎皆ッ‼︎」


『おうッッ‼︎‼︎』


「よし、フロウ。探知の魔法で今アイナさん達がどこにいるか探してくれ。」


「言われずともやってますよ。しばらくお待ちください。………チッ、さすが、対策はしてますね。探知の魔法に引っかからないように探知妨害の魔法をかけているようです。あのアーテスとかいう人、口だけではないみたいですね。私の探知の魔法を上回る妨害魔法を仕掛けるなんて。」


「そうか………しかし、大まかな方向はわかっているんだ、時間はかかるかもしれんが」

「わかります!!」


「キュリアちゃん!?」


「わたしが気の流れを読んだらアイナさんの気配のある方向を掴めました‼︎近くに似たような気配があるのでそれがチェリさんだと思います‼︎」


「キュリア………その能力、魔法によるものではない事は知っていたが………一体………、いや、今はそんな事はいい‼︎キュリア!!案内できるか⁉︎」


「はい‼︎方向はわたしが指示します‼︎」


「でかしたぞ‼︎キュリア‼︎じゃあ、行くぞ‼︎案内してくれ‼︎」

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