第170話 謎の女性(その2)
前回は中途半端な所で終わってしまい大変申し訳ありませんでした(加筆しました)。
ところで、人造人間のルビがアンドロイドなのですが、アイナさんは有機質人造人間なのでバイオロイドですね。(アンドロイドは無機質人造人間。アトムとかアラレちゃんとか。バイオロイドは綾波レイや18号)
なんですがアンドロイドの方が響きがいいのでこっちを採用します。
フロウがこちらに近寄ってくる。
「フロウ、アンタ、あのデカイのと戦ってたんじゃ…………。」
「今はそれどころじゃありませんよ。ほら、来ます!!」
飛んでくる魔力弾をフロウが私を抱えて飛んで避ける。私も足止めのため、女性に手をかざす。
「魔力散弾!!!」
ズドン!!ズドン!!ズドン!!
命中させる度僅かに怯むが倒れる気配はない。
「とんでもない頑丈さですね。にしても女性ですか…………。男なら躊躇せずにぶっ飛ばせるんですが………。」
「敵なのに?」
「敵とはいえ女性じゃないですか。」
「それなら下がってなさい。邪魔よ。」
「アイナ!!」
アイナも現れ、女性を相対する。
「…………なんというか、この人。“普通じゃない”わね………。雰囲気が違うというか…………。」
アイナも感じているんだ………。
「さあて、手並み拝見………と!!」
アイナが女性に近づきハイキック。女性が腕で受け止めるも防ぎきれずよろける。しかし女性もパンチで反撃。
「うッ!!………強いわね………この人。」
その後しばらく打ち合い。隙を突いてアイナが腹にキックを叩き込む。魔力で防いでもしばらく呼吸ができないくらいに痛いキックだ(魔力無しだと体が分断されて即死)。なのに女性はすぐ持ち直して反撃してくる。
「コイツ、強いだけじゃなくて、痛みを全く気にしていないわね。まるで痛覚自体が無いみたいに。」
「効いてないの?」
「いや、確実にダメージは入ってるわ。パンチやキック、フットワークも鈍ってきてる。貴女たちの戦いでも相当ダメージを負ってるみたいだし、もう少しで撃退できると思う。」
確かにもう瞬間跳躍も使ってこない。
ガシ!!
「そおれッ!!」
女性のパンチを掴んで止め、片手で放り投げる。
「魔力散弾ッ!!」
ドガアッ!!!
アイナの散弾は私のそれとは違い、女性を吹っ飛ばして地面に叩きつける。
「さーて、まだやる?それとも止める?ていうか、貴女喋れるの?」
女性は忌々しそうにアイナを睨み付けるが瞬間移動でどこかに消えてしまった。
「ふぅ。大丈夫?メレン、キュリア。」
「うん。大丈夫。」
「はい………。ちょっと………痛いですけど。」
「てか、なんでジュランガ君がここに?窓に叩きつけられてなかったっけ?」
「丈夫なのが取り柄なのはアイツだけじゃないって事ですね。こちらの方から何と言うか………嫌な気配がしたもんで。」
「あ、フロウ。言ってなかったね。助けてくれてありがと。」
「いえ。もったいないお言葉です。」
「………ねえ、そういえばカイン達は?」
「あの二人はまぁ大丈夫よ。あのインゴー兄弟はわからないけど。セプル君が病院に運んでるみたいよ?」
「…………。」
まあ、強いから大丈夫だとは思うけど………。
「アンタ達も怪我してるでしょ。さ、病院行くわよ。メレン、アンタなんて腹撃ち抜かれてるじゃないの。」
と、ここでキュリアちゃんが呟いた。
「あ。ヒノさんは…………。」
あ。えーっと、確か私が町の皆を逃がすように頼んだんだっけ。
「やれやれ………。私が探しましょう。アイナさん、お二人を病院へ。」
「アンタに言われなくてもそうするわ。行きましょ。一人で歩ける?」
「うん。そうだ、フロウ!あたし達が壊しちゃった屋根と壁直しといて!!」
「へ?………アレですか?………破片があればなんとかなりますが………破片は」
「頑張れ!!」
「………………。分かりましたよ。ヒノさんを探したら直しましょう。はあ、何時間かかる事やら………。」
フロウが大きくため息をついた。
「さ、ここは男に任して、行こ。」