第15話 面会
癒しが欲しい……………。前回の君の部分のルビがメレンでしたが(俺)←コレみたいにしようとしたらああなりました。どうやっても直せませんでした。ごめんなさい。
(カイン視点)
俺は改めて自分の服装を見た。あっちの世界にいたままだったら恐らく一生着なかったであろうファンタジーの町人と言った感じの服だ。……………似合ってないような気がする。
玉間の外で待っているとメレンがメイドに連れられてきた。ボサボサだった長い髪の毛を整え、軽く化粧をしているため、さっきよりも可愛く見える。メレンもファンタジーの町人のような服を着ており、よく似合っている。小柄なメレンには少し大きいようだ。動きづらそうなのが一目でわかる。
「大丈夫か?動きづらそうだけど。」
「大丈夫。…………でも、もっと小さいサイズ無かったかなぁ…………。」
そりゃあこんな城に小学生が面会してくるなんて想定しないだろうから(メレンは17)小学生サイズなんて用意してないだろう。…………本人には言わないが。
「こちらへどうぞ。」
メイドが俺達を玉間の中へ通す。
そこはまさにお伽噺のお城といった場所だ。床には赤いカーペットが敷き詰められており、一番奥に豪華な玉座が設置してある。その両サイドには数多くの兵士が整列している。全員西洋甲冑でこれだけみると全員同じに見える。
床から天井までは50メートル程と、とても高く、天井には巨大なシャンデリアがいくつもぶら下がっている。
とてつもなく豪華な場所だ。ちょっと前に同級生(ボンボンの息子)が自分の屋敷を自慢していたが、玉間だけでもその屋敷を嘲笑うかの如く豪華だ。
で、玉座に身長が2メートルくらいありそうな男性が座っている。年齢は50くらいで顔つきがけっこう強面だ。この人が王様か。
…………こういうのって挨拶しないといけないんだろうなぁ……………。どんな風にすればいいかな…………。
メレンをちらっと見るとハンドサインで俺から挨拶するよう意思標示している。しょうがない。無難そうなやつで挨拶するか……………。ヤバイ、緊張する。
「お初にお目にかかります。ええっと、異世界からやって参りました。カイン・セプルと申します。お目にかかれて光栄です。」
……………こんなもんか?
「えーと、同じくお初にお目にかかります。メレン・マチルです。」
あ、こいつ挨拶パクったな。
「ほう、そなたらが異世界からやって来た者達か!よくぞ参った!!」
王様が見た目に反して優しそうな声で言った。参ったのではなく半強制に拉致されてきたのだが…………。
「そなたらも知っているようにこの世界は今、危機にさらされている。悪しき者共が高い魔力を持っているのをいいことにこの世界を破滅に導こうとしている。」
危機に晒されてる割に町は平和だったが…………一般人は知らない…………というより聞かされてないだけだろう。
まぁ…………、こんな事実、知らない方がいいだろう。
「この世界の者では対抗できん程強力な力だ。そこで、異世界の者に助けを求めた。」
と、その時、メレンが口を挟んだ。
「話の途中申し訳ありません。質問してもよろしいですか?」
「何だ?」
「異世界で魔力を持った者を連れてきても、それはこの世界で魔力を持つ者と同じなのではないのですか?」
「いや、異世界で魔力を持つ者はこの世界の者よりも格段に強い力を持っているようなのだ。だからこそ、異世界から来てもらったのだ。」
…………格段に強い力…………ね。俺は盗賊相手に苦戦したが、そんなんで強い力な訳がない。王様の言葉、本当なのか?
もしかしてゲームでよくあるレベルアップ的なので強くなるのか……………?
………………それはないか。
「と、いう事で、君達にこの世界を救ってもらいたい。やってくれるかね?」
やるもなにも、やらないと元の世界に帰れないんだ。やるしかない。
「もちろんです。」
「そうか!!」
と、いう事で旅の拠点にこの城の三階を使っていいという事になった。この城には装備品を初めとした様々な物があるため、ここで度々手持ちの整理や補充などを行う事になるだろう。
世界を救うといっても敵がどこにいるのかわからない。話によると、この悪人の影響で様々な魔物が凶暴化、異常な行動などを起こすようになっており、それを片付けていけば、敵に近づけるかもしれないらしい。とりあえず、手がかりもないのでそうするのが良さそうだ。
で、魔物の異常行動などの噂は町の外れの酒場のマスターがよく知っているらしい。まずは情報収集からだな……………。
しかし、もうかなり日が落ちてる。今日は一旦休もう。明日準備と情報収集して、出発しよう。
俺はこの計画をメレンに話した。メレンも承知してくれた。
そして、俺は休む為に城の三階へと向かっていった。