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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第2部 リメイカー副将と東の大陸
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第159話 女の子

(カイン視点)


俺は風呂から上がった後、三回の広い部屋に全員(ヒノちゃん含む)集め、これからどうするかの話し合いをする事になった。メレンが真っ先に口を開く。


「というか、まず手掛かりがほとんどないからね…………どうするっていうのが……………。」


そう。メレンの言う通り。びっくりする程リメイカーについて情報がない。確かなのは俺達を今のところは生かしておいて何かに利用しようとしている事くらい。


「でも、移動中よくリメイカーに襲われてますから、そこで戦って勝って情報を吐かせるっていうのはアリかもしれませんね。誠に失礼ですが、ヒノさんは何も知らないようですが。」


フロウがそう言うと、ヒノちゃんが反応した。


「あ、あたしちょっとならたちぎきしてしってるよー。レリカちゃんは時間がある時いっつも何かべんきょうしてるみたいなのー。てちょうみたいなの見てて、ぶつぶつつぶやいてたよー。」


「手帳…………?何か研究………なのか?」


アイナさんがそれに対して言う。


「………それは気になるけど、直接役に立つってモンでもなさそうね。他に何か知らない?」


「んーとねー。ガイルっていうお兄さんがいたんだけどー、その人が“れいのもの”がかんせいしたってー。それきいたレリカちゃんが使ってみようかっていってたー。それがなにかはしらないけど。」


「…………それは関係ありそうね。覚えておきましょうか。」


「例のもの、ねぇ…………。レリカの使ってみようか、ていうのが俺達に向けて、なのか、それとも適当な場所で試験でもするのか…………。」


「あたしがしってるのはこれくらい。ねぇ、あたしやくにたったー?」


「ん?ああ、そうだな。えらいえらい。」


ジェルスに頭を撫でられてヒノちゃんが嬉しそうに微笑む。


「仲いいですね、本当に戦いしたんですか?二人。」


フロウにたずねられ、ジェルスが答える。


「ん?ああ。ほら、左肩にこんな感じで傷もあるぞ。」


「うわ、結構重い物で斬られたような傷ですね」

「重くないもん!!!」


「え?えーっと、すいませんでした?」


ああ、そういやあの傷踵落とし(+仕込み刃)によるものか。知らなかったとはいえフロウは相当失礼な事を言ったことになるのかな。


「話戻すけどさ。特にどこ行くっていうのが無いなら、ヒノの故郷を探すのを優先してもらっていいかな?」


「…………まぁ、別にいいけど。(アイナ)」


「どうやらコイツの故郷は割りと高い所にあるらしいんだけど…………。」


鳥人間(ハーピー)は基本閉鎖的な種族ですからどこに鳥人間の村があるのかは分かりませんが………この大陸の南にドヌレイ山脈という山脈があります。高所、というなら近い所はここですが、いかがでしょうか?」


「…………ああ。皆、いいか?」


否定意見は無し。


「よし、じゃ、そこに行こうか。」


「ドヌレイ山脈の麓近くに町があったハズです。そこで鳥人間の情報をあつめましょう。」 


「ああ。」


以上で解散。何人かは早々と部屋に帰ったが、俺、ジェルス、ヒノちゃん、キュリアちゃん。


「なあ、カイン。前々から聞きたかった事があるんだけどさ。」


「ん?何だ?」


「大した事じゃないんだけど。そのブレスレット。いつも大事そうに着けてるな、と思って。」


それを聞いた女の子二人が右手のブレスレットを覗きこむ。


「そういえば、ずっと着けてましたね。」


「きれーなブレスレット。でもちょっとふぞろいだね。」


「ああ、これか。俺達二人とお前が出会った時さ、とある集落から北の都に帰る途中だったんだ。その集落でリリちゃんという女の子に会ったんだ。」


「ほうほう。」


「その子、俺達の魔物退治に同行する事になったんだけど、まぁ、小さい女の子だったから俺は心配して同行には反対だったんだ。リリちゃんは女の子だからという理由で心配されるのが気に喰わないようで、最初は酷く嫌われたよ。」


三人は黙って聞いている。


「だけど、途中で俺が謝ってほんの少し和解して、魔物との戦いで危なくなったリリちゃんを助けて、そっから急に仲良くなって、別れる時にこれをもらったんだ。」


「そっか…………。」


「じゃあ、リリちゃんって子は、カインさんの事よっぽど………。」


「………だから、大切にするってリリちゃんとも約束したんだ。」


「ヨルダとの戦いの時預けたのも………。」


「ああ。激しい戦いになる事が予想されたからな。傷でも付いたら大変だから預けたんだ。メレンもこれがどんな物かは知ってたからな。」


「…………すまなかったな、カイン。」


「は?」


「俺、最初にそれ見たとき、正直格好悪いとか、似合ってないとか思ってたんだ」

「オイコラ。」


「だけど、そんな大切なものだったんだな。…………。」


「……………ま、そういう事だ。俺は部屋に戻るぜ。」


そう言って俺が部屋の出入り口辺りまで来た時、キュリアちゃんの声がした。


「あの……、ジェルスさん。今日、貴方の部屋に行っていいですか?」


「え?」


「あの、一緒に、その、寝ても…………。」


「うーん、ヒノも一緒だけど…………、それでもいいなら、来るか?」


「はい!!」


なんか嬉しそうだな。さて、そろそろメイドさんが夕食を運んでくる頃かな…………。

最近思うのがフロウが全然目立ってないなって事。

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