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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第2部 リメイカー副将と東の大陸
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第158話

(メレン視点)


にしても、鳥人間ねぇ…………。家が見つかるまで私達についてくる事になったって……………。ジェルスも面倒見がいいのね、ま、家が見つからなかった時の事を考えてないあたり、後先考えないジェルスらしいというか………………。あの子をほっとけなかったのかな。


………というか、めっちゃ仲いいね。あの二人。一度ガチの殺り合いしたとは到底思えない。ヒノちゃんが人懐っこい生活だからだろうか。


解散した後私は部屋に戻り、上着だけ脱いでお風呂場へと直行する。お城が警戒体制に入って私達も手伝ってた時はゆっくりお風呂に入る暇も無かった。


お風呂場のドアを開けると、ちょうどアイナが服を脱いでいた。アイナも私と同じく、すぐお風呂に入りたかったのだろう。


「あら、メレン。貴女も?」


「うん。ここん所ずっと入ってなかったからね。」


「どうだった?見張り。夜遅くまでやってたけど、貴女辛かったでしょ?」


「まあまあ、ちゃんと睡眠は取れてたよ。アイナは?」


「あたしは徹夜には慣れてるから…………、それより、兵士共の視線が気にくわなかったわ。」


ああ、やっぱ男の目を引くんだ……………。アイナ自身は男が嫌いだから、良い気分じゃないよね………。


服を脱いで二人で浴室へ入る。体を洗っている時、私はふとアイナの体をじっと見つめていた。


本当、凄まじいスタイルだ。スラリとした高身長、大きく主張した胸、細いウエスト、脚長いし。裸を見ると改めて凄いと思う。私の小さい体がみすぼらしく見える程だ。


「…………あのね、メレン。例え女同士でも、凝視されると恥ずかしいんだからね?」


「だって、凄いスタイルいいじゃん。どうやったらこんな風になれたの?」


「え?そうねぇ…………外に放り出されてすぐに膨らみ始めたけど…………何したかな。食べて寝ただけのような…………。」


「………身長は?」


「身長も同じような感じかな。」


「私もたくさん食べて寝れば」

「太るわよ。」

「ちぇー。」


私も身長180、とまではいかなくても、もうちょっと身長が欲しいなー。せめて150。あと17cm。


あれ?ずいぶん理想を低くした(30cmも下げた)のにまだ遠い気がする……………。


ああ、羨ましいなぁ…………。私は思わずため息をつく。………………。


むにっ。


「~~~ッ!!」


むにゅむにゅっ。


「…………こらっ!!何やってんの!!やめ、~~ッ!!もー、覚悟しなさい!!」


「ひゃっ!!………あうっ………あんっ!!!」


しばらくはしゃいで胸のいじり合いをして楽しんだ。


しばらくふざけていたが、向こう(男湯)で誰かが風呂場のドアを開ける音が聞こえたため、ふざけるのを止め(ここの風呂場は壁が薄く声が聞こえやすい。)、その後はおとなしく湯船につかった。


風呂からあがり、更衣室に用意されている新しい服にきがえる。着ていた服はメイドが回収、洗濯してくれる。この辺は私の家と変わらない。


アイナは濡れた髪に軽く手を当て、指をパチンと鳴らす。


ジュンッ!!!


水分が蒸発するような音が響く。アイナが軽く首を振って髪を揺らすと髪は既にサラサラに乾いていた。


ふと顔を見ると、最近、というかカイン達と再開後ほぼやっている厳しそうな表情になっていた。私はそれについて言及しようとしたが…………止めた。恐らく、本人も無意識なのだろうし。


私と二人きりを時以外、多分独りの時も………あんな表情をしているのだろう。アイナは私に言ってはいないが、私以外に心を開いていないのは明らかだ。一人で旅をしてずっと…………人造人間という理由で辛い目に会っていたから。私には絶対想像できないだろう。実際、彼女の心の闇がどれ程の物なのか分からない。


アイナが黙って更衣室から出ていく。私は何故かすぐにあとを追う事ができず、1分くらい後になって更衣室を出た。


しばらく歩いていると、偶然カインとすれちがった。ジェルスからさらっと聞いただけだが、ヒノちゃんから顔面に怪我を負わされたらしい。確かに、カッターのような物でまっすぐ斬られたような傷痕がいくつか見える。


「大丈夫だった?」


「ん?何が?」


「怪我よ、怪我。痕残ってんじゃん。」


「ああ、これな。大丈夫だって。顔を斬られたといっても眼球ブッ裂かれたりしない限り平気だろ?」


「そりゃあそうだけど…………あっさり負けちゃったみたいだからね。これでもほんのちょっと心配してんだから…………。」


「まあ、上から来るなんていくらなんでも思わなかった…………けど。」


そう言ってカインが鼻で笑う。


「…………何よ。何が可笑しいの?」


「いや、お前も心配してくれてるんだって。」


「……………ハァ?」


「いや、バルドとの戦いの時はしてないって言ってたからさ。」


「あ!」


そうか。あの時ちょっと恥ずかしくて心配してないって嘘言ってたっけ。


「………う、うっさいわね!!ちょっと鍛えたオッサンとリメイカーじゃ訳が違うでしょッ!!!このバカッ!!」


「へいへい。」


それだけ言ってカインは風呂場へサッサと行ってしまった。


もう、アイツ…………。恥ずかしい思いさせて…………。ちくしょう。

アレくらいならセーフだと信じています。

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