第14話 到着
死ぬ程どうでもいい事ですが、メレンは別に俺の好みで小学生並みの低身長にした訳ではないのです。ネタにしやすいと思ったからです。本当です。
あ、でも実際にこんな低身長の可愛い子がいたら確実に惚れるかな……………。いや、幼女好きではないですよ?
(カイン視点)
あれから3日、ようやく俺は退院の許可が出た。やっと集中魔力治療から解放される。3日ぶりの外の空気だ。
ずっと寝ていたからか歩こうとしたらバランスを崩してふらついた。メレンが慌てて俺を支えてくれる。
「大丈夫?歩ける?」
心配そうな声でメレンが聞いた。
「あぁ。大丈夫。3日歩いてないからな…………すぐ普通に戻るだろ。」
しばらくすると直ぐにいつも通り動けるようになった。
「ありがとうございました、ドクター。」
「ああ、もうあんな怪我をしないよう気をつけるんだよ。」
俺は医者に礼を言い、病院から外に出た。(治療費はネコから頂きました。ありがとう。)
「すっかり時間くっちまったな…………さ、いこうか。」
「うん。」
この城下町は城を中心にその周りを建物が囲んでいるというドーナツのような形だ。おまけにやたらと広い。
で、城の門と病院がまったく正反対に位置しており、しかも病院は中心からかなり離れている。
まぁ何が言いたいかというと………………。
遠い。
なんだってまた歩かないといけないんだ。しかも長距離を。
俺が不機嫌なのに気がついたのかメレンが不安そうに声をかけた。
「あの…………カイン?」
「ん?どうした?」
「あの………その…………怒ってる?私の…………せいで…………?」
こいつはどうやら自分のせいでタイムロスしたから怒ってるのではないかと思っているようだ。不安そうに見つめてくるのを思わず可愛らしいと思ってしまった。俺は微笑んでメレンに言った。
「いや、そんな事はない。ごめんな、心配させちまって。」
「ううん、いいの、それなら…………。」
そう言ったメレンは、複雑そうな表情をしている。何かあったのだろうか……………?
「どうした?元気なさそうだけど。」
「ううん、何でもない。」
そう言ってメレンは笑顔を見せたが、俺には無理矢理笑っているように思えた。…………あまり追及しないほうがいいかもしれない。
「あぁ、それなら………早く行こう。」
「…………うん。」
で、歩き続けて40分くらい。……………いままで何時間とぶっ通しで歩いてきたせいかやたら短く感じてしまった。………これは俺の感覚がおかしくなったのか……………?
とりあえず、近くで見ると本当にでかい。シンデレラなんかで出てきそうな洒落た城だ。
で、城門にたどり着くと兵士と思われる西洋甲冑着た男の人が立っていた。ネコに向かって声をかける。
「おぉ!CT!!戻ったか!!と、すると…………この方達が…………。」
「あぁ。そんなところだな。」
ネコが気だるそうに答える。すると兵士は嬉しそうな顔をして、
「そうか!!君たち!!これから王に会わせる。まず身だしなみを整えてもらう。君(俺)は私に付いてきて、、君はあちらの女性に付いていってくれ。」
「じゃ、後で。」
そう言って、俺はメレンとは別々に歩いて行った。メレンはいかにもメイドといった姿の綺麗な女の人に付いていった。
更衣室で俺は髪を整えられ、私服からここの町の人が着ている物より少し上等といったような落ち着いた感じの服に着替えさせられた。まあ、あんな私服で面会する訳にもいかないからな……………。着心地は少々悪く、動きづらいが、文句など言えた立場ではない。
そのまま、俺は兵士に玉間へと連れていかれた。
(メレン視点)
カインと別れた私はメイドに連れられて更衣室にきた。
「こちらにお座り下さい。」
大きな鏡の前の椅子に座らされる。手入れをしてないせいで髪がボサボサになっている。メイドが私の髪をとかし、整えてくれた。そして、軽く化粧を施される。
私はちらっと通路側を見た。すると数名のメイドが、私を見て何か話している。内容はわからないが、テンションが高い。
私はその後、町の人が着ている物に似ている服に着替えさせられた。…………少し大きいかな………。着心地はいいとは言えず、サイズが大きくて動きづらいけど、まぁいい。
私はメイドに連れられて玉間へと連れていかれた。
髪をとかすの“とかす”ってどの漢字だったっけ……………。解かすかな?