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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第2部 リメイカー副将と東の大陸
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第157話 

(ジェルス視点)


あれから3日後、俺たちは東の都へと帰ってきた。兵士達は一部を除いては復興の為にルーテを残るようだった。


都にリメイカーが攻めてくる、なんて事は予想通り無かったようで、警戒体制は念のため明日まで様子を見て解除するという。


「…………その子は?」


帰って6人+同行する事となった一人が合流して真っ先にアイナが聞いてきた。俺がそれに答える。


「ああ。ヒノっていうんだけど、元リメイカー。」


「元………?」


「ああ。リメイカーがどういうものかも知らずに手を貸してたらしい。説得して脱退させた。で、家がどこかわからないって言うから、家が見つかるまで同行することになったんだ。」


ちなみにヒノも仲間だと言えば城にあっさり入れてもらえましたとさ。元リメイカーってのはもちろん秘密。


「あ、一応言っとくけど、この子は戦闘員じゃないからな。俺達に同行して家を探してるって事で。」


「はいはい。」


「じゃ、三人はヒノに自己紹介してやって。」


「はいはい。あたしはアイナって呼んで。」


「うん!よろしくねー、アイナちゃん!!」


「ちゃ、ちゃん?」


「うん。アイナちゃん。」


「…………ちゃん、アイナちゃん。アイナちゃん。…………。」


「どしたの?アイナちゃ」

「い、いや、何でもない。」


「じゃ、次は私ね。私、メレン。よろしくね。」


「うん!!よろしくー。」


そう言ってヒノがメレンの頭を撫でる。多分17歳とは夢にも思ってないだろうな…………。身長20cm差があるし。


「では、最後は私ですね。どうも、お初にお目にかかります。フロウと申します。以後、よろしくお願いします。」


「…………、このお兄ちゃん、なんか…………。」


「ん?どうした、ヒノ?」


「よくわかんないけど、なんかえっちいかんじがする………。」


「はい?」


それを聞いたカインが大笑いした。一年一緒に居たためか性格分かりきってんだろうなぁ…………。


「あはははは!!聞いたかフロウ!!本性見抜かれてるぜ、あーっはっはっは!!!」


「えー……………。」


フロウが明らかに不服そうだったが、自己紹介は終わり。


「ヒノ、お前部屋はどうすんの?」


「んー、おにいちゃんのへやじゃだめ?」


「え?………………。」


しばし考える…………。一緒に居るのは恥ずかしいが…………、いや、コイツは目の届くところに置いておかないと何があるか分からん。どっか行くかもしれないし。…………何か保育園児の世話してるみてぇだ…………。


「…………よし、じゃ、一緒の部屋にしようか。」


「うん!!」


考えてみれば、一年キュリアとベッド一つで一緒に寝てたから、あまり変わらんだろ。あ、翼がかさばって寝づらいかなぁ…………。


「じゃ、俺の部屋こっちだか………いねぇ!!!」


あの(アマ)どこ行きやがった!?ほんの数秒見てないだけだぞ……………全く。


とりあえずメイドに聞いてみるか…………。そこに居た青い長髪のメイドにたずねてみる。


「あの、すいません。羽根生えた女の子見ませんでした?」


「羽根ですかぁ?……………うーんと…………わたし人の背中全く気にしないので分かんなかったですぅ。」


…………なんか、マイペースというか、とにかくゆる~い人だ。あと、ちょっとズレてる気も…………。


……………どこいった?


「ヒノーーーー?返事しろ、ヒノーーーーーー!!」


………………返事がねぇ……………。


………城から出ていないと思うから探してみるか。


しばらく歩き回ってみるが見つからない。うーん、外に出てしまったか?


……………なんか、あっちの方、兵士が騒がしいな。


ここ、玉間か?何が…………、…………ッ!!!


「コラテメェ玉座に座るんじゃねェーーーーーッ!!!」


玉座まで猛ダッシュしてヒノをひっ掴み引きずり降ろす。


「テメェ王様が居ない間に何してんだ!!?」


「お兄ちゃん!!すごいよこのイス!!すっごいフカフカ!!」


「そうじゃねぇんだよッ!!座るな言うとんじゃこのアホッ!!!」


「えー…………。」


兵士達にもただただ平謝り。


「本当すいません!!この子ちょっと、否、だいぶ世間知らずで!!!次は無いよう気をつけますんで!!!ほら、お前も謝れ!!!」


「おそとさんぽしてきていい?」

「焼き鳥にするぞこのアンポンタンッ!!!」


俺の部屋になんとか引きずって行く。


「とにかく!!さっきのは失礼にあたるから禁止な!!あと、俺に黙ってどっか行くのも駄目だ!!」


「むー…………。」


ヒノは不機嫌そうに頬を膨らませる。……………。


真面目な話をしていたのだが、俺はつい膨らませた頬を指で押してすぼませてしまった。ヒノの頬から空気が抜け、思わず二人笑いあう。


「…………まあ、説教はこれくらいにしとくか。で、本当に家がどこか分からない?せめてどこの大陸にあるかだけでも。」


「んー…………にしのたいりくじゃない。」


一応選択肢一つ削れたな…………。うーん、どこかに鳥人間(ハーピー)に詳しい人がいればいいんだが…………。


「そういやさ、ヒノの住んでた町ってどういう所?」


「んー?わたしとおなじ鳥人間(ハーピー)がいっぱいすんでる。高いとこ。」


…………いくつか手掛かりはあるな……………。


「………ま、旅をする中で探してみるか…………。」


考え事はこれくらいにしよう。…………風呂入るかな………。

本来ハーピーは腕と下半身が鳥の生物だけど実際そんな体だとメチャ生活しづらいですよね?


という訳で背中に翼の生えた人、という外見なのです。

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