第143話 一回戦終了
(カイン視点)
「トルト・インゴー!!!魔物討伐整形を経てているインゴー兄弟、その弟ッ!!!その実力、見せていただきましょう!!!」
ワアアアアアア!!!
「ドゥール・ブーゲ!!!スピードには絶対の自信があり、スピードで翻弄させる戦術得意との事ですッ!!!」
ワアアアアアア!!!
「ノックアウト、ギブアップ、場外により勝負が決します!!!それでは、一回戦第八試合、始めェッ!!!」
ドオン!!!
トルトがドゥールに一気に接近し、蹴りを放とうとする。
「ッ!!」
ドゥールはダッシュでトルトから離れる。あのドゥールとかいう奴、速い。恐らく俺らの世界の陸上選手並の速さだろう。しかもアイツ、クラウチングスタートも無しにあんなスピード出しやがった。あれは強いかもしれない。
ダッ!!!
ドゥールがすごい瞬発力で一気に距離を詰める。
「ラアァッ!!!」
ブォンッ!!!
トルトがカウンターの要領で蹴りを放つもドゥールが蹴りを回避し、更に背後へと回り込む。
ドッ!!!
「ウッ!!!」
背後からドゥールがトルトを殴る。トルトがすかさず向き直るが、ドゥールは猛スピードでトルトの背後を取った。
ガッ!!!
「うあッ!」
トルトの右膝にローキック。トルトがふらつきそうになるがバランスを取り戻しドゥールに蹴りを放つ。
「クソッ!!速いッ!!!」
その蹴りもあっさりとかわされる。そこにドゥールが蹴りを放つ。
ガッ!!
トルトに直撃する…………が。
「いくらスピードが速くたって……………捕まえられていたら意味は無い!!!今までよくもやってくれたな!!!」
ドゥールの足を片手で掴み捕まえていた。
「オラアアアアアッ!!!」
顔面に右ストレート。
ドガアッ!!
更にドゥールの腹に回り蹴りを叩き込み、間髪入れずに首筋を掴む。
「ラアアアアアアッ!!!」
ドガアアアアアッ!!!
そのまま顔面を地面に叩きつけた。
「勝者、トルト・インゴー!!!」
ワアアアアアア!!!
「以上を持ちまして、第一回戦は全て終了となりましたッ!!!二回戦に出場する選手を再びご紹介しますッ!!!」
「前大会チャンピオンを圧倒ッ、衝撃の展開を見せてくれましたッ、ヨルダ・クーガー!!!」
「相手の得意分野で戦い、それを真正面から打ち砕きましたッ、フォニカ・グレイティス!!!」
「踊るような戦いで観客を魅了してくれましたッ、ライア・テスバ!!!」
「本ッ当に見た目によらない強さッ、島一番の戦士すら倒してのけましたッ、カイン・セプル!!!」
「鋼の肉体!!!凄まじい剛力!!!誰か止められる奴はいないのかッ、テオス・レッシー!!!」
「兵長をも超える強さ、これが野生できたえた力ッ!!!ジェルス・ノヴァール!!!」
「可愛くったって油断厳禁ッ!!!気を抜いたら一瞬で喰われるッ、メレン・マチル!!!」
「流石の実力ッ、噂通りの強さッ、トルト・インゴー!!!」
ワアアアアアア!!!
「この八名により、二回戦をおこないます!!一回戦より、白熱した闘いを見せてくれるでしょうッ!!!それでは、二回戦第一試合は、15分後に行いますッ!!!」
ワアアアアアア!!!
一戦目はフォニカさん。相手は…………アイツか。正直に言うと、フォニカさんが勝てるとは思えない。アイツは相当強いし、どんな事も躊躇わない。せめて、大きな怪我無く終わればいいが…………。