第133話 パフォーマンス
さて、トーナメントの組み合わせが決まったようだ。組み合わせ表を見てみよう。ちなみに、トーナメントは抽選で決めたらしい。
一回戦第一試合から順に、
リム・イース対ヨルダ・クーガー
フォニカ・グレイティス対トゥム・レンス
ライア・テスバ対キュヌム・インゴー
バルド・ペルシオ対カイン・セプル
テオス・レッシー対アルビス・カーン
フォルス・バルバーノ対ジェルス・ノヴァール
メレン・マチル対シリス・ダルエ
トルト・インゴー対ドゥール・ブーゲ
へぇ。いきなり前大会チャンピオンの戦いが見られるのか。観客も沸くだろうな。
ちなみに今は俺ら6人とフォニカさんで集まっている。
「なぁフロウ。この中に世界的に有名な選手とかいるのか?」
「私あまりこういうのは疎いんですけどね、でもリム・レンスさんは知ってますよ。流石チャンピオンと言った所でしょうか。」
アイナさんも口を挟む。
「ま、それ以外で有名なのはアルビス・カーンとインゴー兄弟かしらね。実力者として名が知れ渡っているわ。ま、有名じゃなくても本選に上がっているからね。油断しない事よ。」
キュリアちゃんがメレンに話しかける。
「あの、メレンさん、大丈夫ですか?あんなに大きい人といきなり……………。」
確かに。身長、というか体格差がえげつない。普通に考えれば一撃でぶっ飛ばされて終わりだろう。ぶっちゃけメレンじゃなくて俺やジェルスでもワンパンで終わりそうなのだが。しかも魔法が使えない。もしかしたら一回戦負けあるか?
「まあ、まともに殴りあったら確実に負けるでしょうね。でも大丈夫よ。何も考えてない訳じゃないから。」
自信あるなコイツ。
「ジェルス、大丈夫なの?兵長が相手なんだけど。」
フォニカさんが
「ん?ま、大丈夫っしょ。喧嘩なら一年間たっぷりとやってきたしね。」
コイツは何も考えてねぇな…………。でも、一年間熊と喧嘩してたらしいし、喧嘩ならコイツが有利か?フォルス兵長だって、俺でも勝てたんだし、大丈夫かも。
「皆様お待たせ致しました。それでは、一回戦第一試合、開幕です!!!」
ワアアアアアア!!!
「早速登場です!!!前大会チャンピオンッ!!!リム・イース!!!」
リムが闘技場へと入る。観客が歓声をあげた。
「この鍛えぬかれた肉体ッ!!!チャンピオンの貫禄と言ったところでしょうかッ!!!ここで、チャンピオンのパフォーマンスです!!!」
ここで、係員二人が何か引っ張ってきた。あれは……………檻?
係員達は檻の扉を閉じている杭を外すと一目散に逃げる。中から出てきたのは……………。
「キャアアアア!!!」
「何だアレはぁーーーッ!!」
あれ、虎?俺とメレンが昔殺した奴に似ているが……………。
「あ、カイン。あれ私達が昔戦ったのと同じ種類じゃない?」
メレンも同じ事を思っていたようだ。でも、少し小さいかな。
「チャンピオンリム・レンス!!この猛獣と素手で戦います!!!」
虎が早速リムにとびかかる。リムは避けない。
「なッ押し倒されたァーーーーーッ、どうしたんだチャンピオンッ!!!なぜ攻撃しないッ!!!」
虎がトドメを刺すべくリムの喉に噛みつこうとする。
ガッ!!!
「おおっと!!!上顎と下顎を掴んで噛みつきを止めたーーーーッ!!!」
おお、流石チャンピオン。虎の咬力を上回る腕力。手に牙刺さっているのに痛み堪えてあの力出せるか。
ドゴオッ!!!
「胴を蹴りあげたーーーッ!!!」
すげぇ音したなオイ。虎浮いたぞ。アレ虎にしちゃ小柄だけど150kgはありそうだが。
虎が痛みで怯んだところにリムは手を口から話し立ち上がる。
リム大きく振りかぶって…………右ストレート!!顔面ヒット!!!
虎が倒れた所に喉を踏みつける!!!
ドムッ!!!
「つ、強いッ、強いぞチャンピオンッ!!本当に素手で倒してしまったァーーーーーーッ!!!」
ワアアアアアア!!!
「つええーーーーーーーッ!!!」
「流石チャンピオンだッ!!!」
「さあ、このチャンピオンに挑むは無名の戦士、ヨルダ・クーガーですッ!!!クーガー選手ッ、入場してくださいッ!!!」