第132話 闘技大会本選開幕
129話のサブタイ、再会を再開と思いっきり間違えていました。すみませんでした。
あと、選手の外見は本文に書くとごちゃごちゃしたため、後書きにまとめて書きます。
(カイン視点)
「おはようカイン。珍しいな。お前がこんな遅くまで寝てるなんて。」
「おはようジェルス。もうそんな時間か?」
「ああ。早く飯食いに行こうぜ。あと一時間ちょいで時間だからな。」
予選突破した次の日。俺は外から聞こえるざわつきで目が覚めた。既に外には大会を見に来た客が大勢いるらしい。こういうのが好きなのはどこの世界も変わらんのな。
既にほとんどの選手は目を覚ましており、各自朝食をとっているようだ。まだ寝ているのは二人。知らない男と(当然ながら)メレンだ。
そういや、メレンは気づいてなかったけど、フォルス兵長も参加して、予選突破しているんだよな。あの人はどこまでいくかな、兵長なのだからきっと健闘するに違いない。
「おい、メレン。起きろ。」
いつまでも寝ているメレンを俺が起こすのはもはや定番になっている。寝顔はかわいいのになー。
何とかメレンも起きて食堂へと向かい、軽く食事を取る。あまり食べ過ぎると戦いの時キツいし、何より食い過ぎたところに腹パンもらって嘔吐するとか格好悪過ぎる。メレンからも失望されちまうよ。
食事の後、係員からこのような声が。
「選手の皆様には、大会用の服装に着替えていただきます。こちらからサイズに合った物をお取りください。尚、女性の方は別室での着替えとなります。」
早速服を取りに行くと、大きなタンクトップ型、中くらいのベスト型、小さめのTシャツ型の三種類。ズボンも三種類の大きさがあるが、こちらはサイズに関わらず短パン型だ。
「私一番小さいのでもぶかぶか……………。」
でしょうね。こんな小学生サイズが予選突破とか誰も予想しないよ。ズボンは紐が付いているから結べば履く事はできる。
メレン、フォニカさん、そしてもう一人、綺麗な女性が別室へと移動していく。
俺らも着替えるか。俺は小さい服でジェルスは中くらいの服だ(この闘技大会に参加している男達で小さい服を着ているのは俺だけだ、クソ!!)。
「装飾品に関しましては自由ですが、魔封石の腕輪を着ける事は忘れないでください。」
お、という事はリリちゃんのブレスレット着けっぱなしでいいのか(ブレスレットは右腕、腕輪は左腕に着けている。)。よかった。
全員が着替え終わった所で、闘技場の入場口に整列するように指示が入る。
そこで並んでいると遂に本選開幕のアナウンスが入った。
「本日お越しになられた皆様、大変お待たせいたしましたッ、これより、闘技大会、開催致しますッ!!!」
ワアアアアアア!!!
観客の歓声が響く。
「もはやこの大陸の名物でもありますこの闘技大会ッ!!己の肉体を武器とし、頂点を目指すトーナメントッ!!今回も焔の如く熱い戦いが繰り広げられる事でしょうッ!!!今回は誰が栄光を掴むのかッ、それでは早速、今大会で最強を争う16名の強者達に入場していただきましょうッ!!!」
一呼吸おいて、アナウンスが響く。
「全選手入場ッッ!!!」
大きな扉が音を立てて開き、外の光が差し込む。その眩しさに目が眩んだ。
一列に並んだ選手達が一人ずつ歩いていく。戦いの場となる闘技場は外側に掘りがある以外は何もない、ガチンコ勝負に相応しい場所。掘りを除いた直径は100m程か。一対一やるには少し広い。
アナウンスによる選手紹介だ。
「日頃の訓練の成果を試す時ッ!この東の地の若き兵長、フォルス・バルバーノだーーーーーー!!!」
ワアアアアアア!!!
「観よ、俺の筋肉を!!剛腕、テオス・レッシー!!!」
ワアアアアアア!!!
「スピードなら絶対に負けんッ、ドゥール・ブーゲ!!!」
ワアアアアアア!!!
「闘争本能剥き出しにして大暴れだ、ヨルダ・クーガーだ!!!」
ワアアアアアア!!!
「近寄らば何人たりとも蹴って蹴って蹴り倒す!!!トゥム・レンスの登場だーーーーー!!!」
「その美しい姿と戦いであらゆる者を魅了する、ライア・テスバーーーーーッ!!!」
ワアアアアアア!!!
「この俺を指しおいて最強とは片腹痛いわ!!!前大会覇者、リム・イース、史上初の連覇を目指し推参だーーーーーーッ!!!」
ワアアアアアア!!!
「野性との戦いで生き抜き、鍛え上げた闘いを見せてやるッ、ジェルス・ノヴァールッ!!!」
ワアアアアアア!!!
「南の大地からやってきた双子の格闘士!!その弟、トルト・インゴー!!!」
ワアアアアアア!!!
「そしてその兄、キュヌム・インゴー!!!」
ワアアアアアア!!!
「北の大陸の戦う看板娘ッ!酔った男達との戦いで身に付いた強さを見せる!!!フォニカ・グレイティス!!!」
ワアアアアアア!!!
「デカァい!!!圧倒的な巨体だッ、シリス・ダルエ!!!」
ワアアアアアア!!!
「小さくても油断大敵だッ!メレン・マチル、一体どんな戦いを見せてくれるんだーーーーーッ!!!」
ワアアアアアア!!!
「高齢となってもその腕は未だ現役だ!!!アルビス・カーン!!!」
ワアアアアアア!!!
「南の島から一族代表で参戦だ!バルド・ペルシオ!!!」
ワアアアアアア!!!
「見た目は只の少年!!しかし、その実力は見た目を遥かに超えるッ!!!カイン・セプルだーーーーーーッ!!!」
ワアアアアアア!!!
「以上ッ!!!こちらの16名がトーナメントに参戦する者達ですッ!!!この中の誰が栄光を掴むのかッ!!一瞬たりとも見逃すなァーーーーッ!!!」
ワアアアアアアアアア!!!!
一際大きな歓声が響きわたる。それにしても、どっかで見たことあるような気がするな。こういうの。なんだったっけ……………。
「一旦選手の皆さんには退場してもらいます!!その後、トーナメントの組み合わせを発表致します!!第一試合は組み合わせ発表から10分後、とさせていただきます!!!選手の皆様は遅れる事のないよう、お願い致します!!!それでは選手退場ッ!!!」
歓声に包まれながら、俺達選手は一旦退場する。自分の試合までにここに戻ってこれれば、それ以外は自由にしてていいようだ。まあ、観客の多すぎてごったがえしてるからあまり遠くへは行けないけど。
さて、トーナメントの組み合わせはどうなっているかな。確かめに行こう………………。
(クーヤ視点)
「そろそろ本選開幕かしらね。」
「ええ。あの闘技大会に、もしかしたらあの子達が出るかも、と思ったら案の定。アイツはあの子達との誰かとは当たるでしょ。肉弾戦の実力がどれ程か分かるわね。」
「そうね。……………でも、アイツくらいになら勝てるんじゃない?アイツ、サーリッシュより下でしょ?」
「魔法ありだとね。殴りあいなら勝ってると思うけど。ま、どの道アイツ程度に勝てなきゃダメでしょ。」
「そうね。せいぜい頑張ってもらいましょ。」
最大トーナメントのアレを意識しすぎました。反省。
各選手の特徴。既に登場してるキャラクターは割愛。年齢はカイン達の世界での数値。
テオス・レッシー。30代程度。身長は170cm未満だが筋肉質な体つき。頭はハゲ。
ドゥール・ブーゲ。20代後半。手入れをしていない長い黒髪で肌の青白い痩せこけた男。体は細いが足の速さに自信がある。
ヨルダ・クーガー。20歳程度。身長は平均的で体つきも普通よりやや優れている程度。逆立てたグレーの髪が特徴。
トゥム・レンス。25歳程度。長い足を持つ長身の男。右のモミアゲが不自然な程長いのが特徴。
リム・イース。40代程度。強面な顔つきの身長2m超の大男。高そうな腕輪をたくさん着けている前大会の優勝者。
トルト・インゴーとキュヌム・インゴー。双子の格闘家。共に20歳程。トルトは茶色の長髪でキュヌムは茶色の短髪。後は二人ともよく似ており、身長192cm。細いが引き締まったバランスのいい体型。
シリス・ダルエ。40歳程。240cm、310kgはあろうかという巨体を持つ。デカァァァァァいッ説明不要!!
アルビス・カーン。60代程。白髪の目立つ160cmくらいの優しそうな老人。
バルド・ペッショ。30歳程。180cmで筋肉質な黒人。