第131話 闘技大会予選
(メレン視点)
全く…………カインったら…………。正直に言えばいいのにコソコソと……………。
「お前が怒りそうだったから」
だって。
……………………。
まあいいか。今は大会だ。大会。
そういや、アイナに参加するかどうか聞いたけど、即答で断られたな……………。やっぱ、男の人が集まるからかなあ…………。
参加受付が締め切られてしばらくするとアナウンスの声がした(魔導石に魔力を流し拡声機のように使っているようだ)。
「選手の皆様は闘技場の中へお入り下さい。そして、中で腕輪を受け取って下さい。」
言われるがままに闘技場の中へ入る。そして係員から腕輪を受け取った。
「!!!この腕輪……………。変な感じ…………。」
「確かに……………何だ?こりゃ?」
私とジェルスは腕輪に触れたら違和感を覚える事に気づく。
「?……………俺はあまりそんな事は……………。」
………………カインはあまり感じていないのかな?
「今大会では、魔法の使用を一切禁止しております。よって、参加していただきます全員に、この魔封石の腕輪を装着していただきます。」
あ、そういう事ね。カインは魔法が苦手で魔力が少ないからあまり違和感を覚えなかったんだ。納得。
……………じゃないよ。魔法使えないって聞いてないんだけど。私。え?私予選上がれる?私身体能力は魔法での能力増強でカバーしてたんだけど(もちろん、魔法無しの力も強くなっているが、体格からして限界がある)。
とりあえず、腕輪装着。なんか、体内の魔力が魔封石によって無理矢理止められているのが分かる。試しにエネルギー弾を造ろうとしたが無理だった。本当に大丈夫かな、これ…………。
とりま、これから予選だ。予選はここにいる全員約200人を4つのグループ(この4つをA、B、C、Dとする。)に分け、その中の上位4人が本選に進める仕組みとなっている。
カイン、フォニカさんがB。ジェルスがD、私はCだ。
周りを見渡すと屈強な男ばっかり。不安なんだけど。
と、そこに後ろから声がかかる。
「あら、あたし以外にも女の子がいるなんて。」
振り返るとやや癖のあるブロンドのロングヘアーの綺麗な女性が私に微笑みかけていた。身長は少なくともカイン以上。スタイルがよく、なかなか露出の多い服装をしている。胸の谷間見えてる……………。
「あ、こんにちは…………。」
「はい。こんにちは。あなた、大丈夫?参加してるから、ただ者じゃないと思うけど強い人ばっかりよ?」
うん。心配されるよね。私この面子の中で浮きまくってるもん。
「あ、(多分)大丈夫です。」
「そう。あなた、大会は初めて?」
「はい。」
「これから、予選を行う部屋に行くの。そこでまず体力測定を行うの。」
「はぁ。」
「と言っても参考程度だから、そこはあまり気にしなくてもいいわ。大事なのはその後の戦い。大体6回か7回、同じブロックの人の中から無作為に選ばれた人と戦うの。その成績で本選へ進出する人を決めるのよ。」
「そうなんですか……………。」
「体力測定じゃわからない事もあるからね。スピードとか、戦闘技術とか。力ばかり強くても緊張して全く動けない人もいるし……………。運よくそんな人と当たればラッキーよ。あなたは…………緊張したりしない?」
「大丈夫です。よく男を殴ってるので。」
「あ、そう………………。」
と、その時アナウンスが。
「それでは、これより予選を行う場所へ案内致します。係の者についていってください。」
「それじゃ、お互い頑張りましょ。あたし、ライア・テスバ。あなたは?」
「メレン・マチルです。」
「そう。メレン。よろしくね。」
「はい、よろしくお願いします!!」
こうして予選会場へ。
予選会場はボクシングジムのような場所で中央にこれまたボクシングのリングのようなものが設置している。そこで戦うのか。
そして予選スタート。私は体力測定の成績はあまり良い方ではなかったが、戦いにおいては全勝し、見事本選進出した。相手が良かった。見た目以上に弱い人とか、緊張でガチガチな人とかだった。
そして、ライアさんも本選進出だ。思わず見とれるような軽やかな身のこなしからの体術で好成績だった。
本選は明日。本選進出した選手は今日はここで泊まりだそうだ。
「おう、メレン!!突破できたか!!!」
当然というか、カインもジェルスも予選突破していた。私より力はあるし。
フォニカさんも本選進出だ。酒場で酔っぱらいの相手してたら強くなったのかな?
その後は皆疲れていたし、明日の健闘を祈る、という感じで解散。食堂で食事をとり、闘技場で就寝。
さあ、明日から本番だし、今日はゆっくり寝て疲れをとろう。おやすみ……………。
後半手抜き感が自分でも否めない。