第127話
第87話を少し改訂しました。
(メレン視点)
私はジェルスが部屋を出た後、こっそりと顔を出してジェルスが自分の部屋に戻るのを確認してからキュリアちゃんに話しかける。ジェルスに聞かれたくない話だからね。
「で、まぁ、私は家に帰りなさいとか言うつもりは無いんだけど………………本当についてくるの?」
「はい。」
「危ないっていうのはわかってる?下手したら死ぬ事も。」
「重々承知しています。」
「私も反対なんだけどね……………只の女の子がリメイカーと戦うなんて。」
「大丈夫です。それに、アイナさんもフロウさんも一般人じゃないですか。」
いや、アイナは人造人間だし、フロウも見た感じかなりの修羅場潜ってきてるようだしなぁ……………。
「んー、ま、いいや。でもさ。どうしてそんなに躍起になってまでついてこようとするの?」
「……………それは………………。」
「ま、予想はつくけどね……………。ジェルスと一緒に居たいんでしょ?」
キュリアちゃんは答えなかったがうつ向いて少し顔が赤くなってるから図星だろう。
「やっぱりね………………。」
ここでキュリアちゃんが口を開く。
「わたしのワガママだって事はわかってるんです。でも、ジェルスさんと一緒に過ごす内に、お兄さんみたいに思えて、それで、ジェルスさんにお別れだって言われた時、離れたくなくて、ついてきたんです。」
うん。だいたい予想通り。ま、普段の二人見てたら気づくでしょ(あの朴念仁以外)。恋愛感情ではなかったのが意外だったけど、まあキュリアちゃんはちょっと幼いからまだ恋愛云々は早いのかな?それとも恋愛云々はわかってるけどそれでも兄として見てる?
まあそれはいいんだけど…………………。帰らせるのは無理かなあ…………… 。ホームシックになったら話は別だろうけど。
「……………わかった。でも、ジェルスはあなたの事凄く気にかけてるんだから、あまり心配させちゃダメだからね。」
「はい。」
「じゃ、わたしはこれ」
「あ、待ってください。」
「ん?どうかした?」
「あの…………前から気になっていた事があって…………。聞いていいことかはわからないんですけど……………。」
はあ。何だろ。この子がよほどヤバイ質問するとは思えないし。
「ん?別に何でもいいけど……………。」
「あの……………メレンさんってカインさんの事好きなんですか?」
!!
「………………………。」
「あ、その、ごめんなさい!!」
「いや、いいよ……………。で、カインの事………………好き、なのかなぁ…………。自分でもわかんない。」
「そうなんですか?」
「うん。普段カインを想っている訳でもないのにカインが他の女性と関わると猛烈に胸がモヤモヤしてたまらなくなる。で、それが収まればカインに対して感情を抱く事はなくなる。そして、またアイツが女性と関わると不満が募り…………………何でだろうね。自分の事なのに、自分が一番わかってない。アイツの事が好きなのかも、自分がアイツに対して何を望んでいるのかも。」
「………………………。」
「と、あなたには難しい話だったかな?じゃ、わたしはこれで。」
それだけ言ってわたしは部屋をでた。本当に何なんだろうね、あれ。
……………………お風呂入ろ。