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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第2部 リメイカー副将と東の大陸
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第125話 行方不明

「恐れ入りました、カイン殿!!このフォルス、まだまだ未熟でしたッ!!」


「あ、いえ……………。」


うん。さっきの戦いは軽傷一つ熱くなりすぎたな。三下の一言でイラッとしたのもあるけど。


フォルス兵長はなんか負けた事によりもっと強くならねば、とか、訓練の内容を見直さねば、とか言ってたな。まあ、リメイカーが城下町に攻め混んでこないとも限らんし、強くなるぶんにはいいんじゃないかな。


ともかく、今度こそ面会終了。


三階へと上がり、俺達六人は適当に部屋を決め、今日はもう解散。


俺の部屋は北の城で俺が使っていた部屋よりも結構広い。1.5倍くらいか?


ベッド、テーブル、ソファー、タンスなど、電化製品以外の生活に必要な物は揃っている。


というか、電化製品が無い上に娯楽がギャンブルしかないからめっちゃ暇なんだけど。どうした物か。今は昼過ぎ(病院から城までは徒歩20分くらいですぐ着くんだけど、メレンが、ね)。時間はかなり余っている。


うーん、今度市場に行ってみるかなぁ、なんか面白いモンないかなあ……………。


ま、今はとりあえず、持ち物の補給しとこう。レリカのせいで治療道具を大量に消費した。特に包帯と鎮痛剤。


という訳で倉庫へ。


さすが軍事国家。治療道具も大量に用意してある。包帯と鎮痛剤。メレンやフロウになんかあった時の為に縫合道具や止血剤とか、骨折した時の為に固定具も持っていくか。何があるかわからないし、大量に用意して損はあるまい。別次元にしまえるから携行も楽だし。


あと、水替えとくか。もう古くなってるだろうし。魔法でろ過できるけど不味くなるし。


さて、物資の補給はこんなものか。次は武器庫行こう。


武器庫も北と比べるとべらぼうに広く、ラインナップも半端ではない。中に入って砥石をいくつか持っていく。さっき気づいたけど、レリカに斬りつけて弾かれた時に大きく刃こぼれしていた。思いっきり叩きつけたからな………………。


あとは……………うーん、飛び道具が欲しいなあ。斬撃は魔力使うし。


……………お、これ手榴弾(グレネード)か?あっちの世界の飲料缶を開ける要領で起動させ、数秒後に中の魔力が爆発する仕組みか。いいじゃん。いくつか持っていこう。あと、予備のロングソード。また折られかねないし。


うん。こんなもんかな。風呂入るか。また長い事入ってないからなあ。


剣とブレスレットを置いて風呂場へ。風呂場は当然男湯と女湯がある。


えーっと、魔力で翻訳すると………………あ、右が男か。


脱衣所で服を脱ぎ、体を洗って湯船へ。


ふう………気持ちいい…………。………………?


鼻唄が聞こえる。今、男湯には俺しかいないし音が高いので女湯からか。


……………壁薄いのか?あと、鼻唄で唄ってる曲がポーカー・フェイスだからメレンだな。


………………壁薄いならどっか古くなって穴空いてたりして。


……………………。


……………いや、何考えてんだ、俺は……………。


風呂から上がりくつろいでいるとドアがノックされる。


「はい。」


「カイン様ぁ、失礼しますぅ。食事をお持ちしましたぁ~。」


あ、メイドが食事持ってきてくれた。身長170程。紺色の長い髪をした女性。目が細く身長俺より高い…………。


……………何で俺が使ってる部屋わかったんだ?うーん……………。


ともかく、テーブルに食事を持った盆が乗せられる。…………なんか、ほんわかした人だな。


さらにメイドさんが俺に話す。


「それではカイン様ぁ、………………………。えーっと、何だっけぇ………………。」


「……………………。」


「あ、そうだぁ。お盆は一時間後に回収しに来ますのでぇ。」


なんでその程度の事忘れるんだ。


「えーっと、せいぜい、じゃなくて、どうぞぉ、ごゆっくりぃ。」


……………………。


「それじゃあ失礼しますぅ~。」


ガチャ。


バタン。


……………この世界のメイドはキャラが濃いのしかいないのか?何か普通の人がいない気が…………… 。


……………飯食べよ。


食事も食べ終えてゆっくりしていると、ドアがノックされる。もう一時間だったのか。


「失礼します。盆を下げにきました。」


あ、さっきと違う人だ。銀色の髪のやや短い髪で真面目そうな女性。


「あの、カイン様。実は、頼みたい事があるのですが………………。」


「はい、何でしょう?」


「あの、実は、この城の王女様が、現在行方不明になっているんです。カルナ王女、と言う名なのですが………………。」


「……………はい。」


「王様は捜索隊を組んで探させたのですが一向に見つからず、王様は普段はあのように気丈に振る舞っておられるのですが、一人になった時、とても不安そうな表情(かお)をなさっていて……………。王女様は心優しく、城下町の皆様からも慕われておりました。皆様には伝えておりませんが、時々、最近王女様を見かけないが大丈夫なのか、という声もあり………。」


「では、お願いというのは…………。」


「はい。もしカルナ王女様を見つけたら、連れて来てほしいのです。」


そう言うとメイドさんは一枚の紙を取りだし、額に当てる。


「これが王女様のお顔です。どうか………………。」


俺は紙を受けとる。記憶にある王女様の顔を魔法で紙に写したのか。


「……………………え?」


これ、もしかして…………。


「……………どうかなされましたか?」


「あ、いえ、何でも。分かりました。見かけたら連れてきます。」


いくらなんでも無いか。


「はい!ありがとうございます!!」


そう言ってメイドは深々とお辞儀をする。


ゴトッ。


何か落ちたぞ。しかもスカートの中から。


「あっ……………。」


これ……………ナイフ?しかも結構デカイぞ。30cmくらいありそうだが…………。


「な、何でもありません!!!」


メイドはすぐにナイフで拾おうとするが


ゴトゴトゴトゴトッ。


何かいっぱいナイフ落ちた。スカートの中から。


「あわわ、これはその、あの………………失礼しました!!!」


メイドはナイフを拾い、盆を持って部屋を出てしまった。


……………やっぱりこの世界のメイドって変わってる………………。

曲名だけ載せるのは問題になりにくいってあったから大丈夫だよな…………… 多分。

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