表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第2部 リメイカー副将と東の大陸
121/208

第119話 副将レリカ

(カイン視点)


リィパちゃんを保護した次の日、俺達は東の城下町へと歩みを進めていた。この子のお母さんも心配しているだろう。早く会わせてやらないと。


リィパちゃんは俺がおぶって運んでいる。どうせなら体格の大きいアイナさん(女性に体格が大きい、などと言っては失礼だが)がおぶればいいのではと思ったが、アイナさんは小さな子供は嫌いなのか睨んでいた。


同じくガタイのいいフロウは………………、言わずもがな。フロウがおぶっていこうと言ったが俺が拒否した。当たり前だ。この子が汚れる。


そういや、昨日の夜フロウもこの子を見て首をかしげていたな……………、気になる事でもあったのだろうか?


で、フロウはまた探知の魔法を使っている。夜が明けたらこの子の母親が探しに来てるかもしれないからだ。


「うーん…………居ませんね…………」


うーん…………母親は何をやっているんだ?まさか、この子を捨てたって訳でもあるまいし………………。


「とにかく、城下町に早く連れていこう。リィパちゃん、お家の場所、わかる?」


「うん。」


それはよかった。


…………………?


「どうかしましたか?アイナさん。」


「……………いや、何でもない。」


その後、気にしすぎかな、とか呟いたように聞こえた。


昼になり、一旦休憩。少し開けた場所に腰を下ろす。リィパちゃんを降ろすと、腰が痛み始めた。


「痛た………………やっぱ長い時間背負ってると腰にくるな…………。」


背伸びするとポキポキと音が鳴った。それを見てメレンが笑いながら言う。


「カイン、大丈夫?」


「腰痛え……………。」


「マッサージしてあげよっか?」


「あ、できるのか?」


「ほら、落ち葉集めたからうつ伏せになって。」


言われるがままにうつ伏せになる。


「じゃ、動かないでねー。」


……………大丈夫かな…………。


………………………………。


5分後。


「ありがと。気持ちよかった。」


「どういたしまして。」


至って普通の気持ちいいマッサージだった。


「でも、カインばっかおぶるのは疲れるでしょ?アイナ、次おぶってもらっていい?」


「え?…………………いいけど。」


本当にアイナさんはどうかしたのか?リィパちゃんをやたら警戒してるように見えるんだが……………。


俺は立ち上がり再び大きく背伸びした。腰の痛みが軽くなっている。


「ほら、リィパ。」


「うん。よろしくね、アイヌゼラお姉ちゃん!」


「!!!」


アイナさんが急に距離を取り、リィパちゃんに向けて構える。


「ちょっと、どうしたの?アイナ!」


「この子……………何であたしの本名アイヌゼラってしってるの?あたしアイナとしか名乗ってないけど?」


そういえば………………。


「それに、おかしいと思ってたのよ。東の城下町の迷子が歩いて2日もかかる場所にいるとは考えにくいし、母親も見当たらない。それに、近くにいるとよく分かるんだけど、この子膨大な魔力隠してる。」


「え?何のこ」

「しかも、あなた名前をカインにたずねられた時、少し間があったじゃない?それ、偽名を考えていたからでしょ?本名は既にあたし達に聞かれているから。そして、あなたの本名はレリカ………………違う?」


レリカ…………………そういや、クーヤさんが「レリカに報告しないと」とか言ってたな………………。


「くく、くくく………………正解よ。まさか、あたしともあろう者が、こんなヘマしちゃうとはね。」


リィパちゃん、否、レリカが静かに笑い出した。さっきまでとは明らかに声色が違う。


「アイヌゼラの言う通り……………わたしはリメイカー副将、レリカ。」


副将…………こんな小さな子が?


「それにしてもあなた、鋭いのね、さすがはア」

ドカアッ!!!


レリカが喋っている途中だったが、アイナさんのキックがレリカの頭に命中した。

若干、いや、大分無理矢理なのは否めない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ