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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第2部 リメイカー副将と東の大陸
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第115話 カイン&キュリアVSゲリズ(その3)

今回でこの戦いも終わりですよっと。

(カイン視点)


キュリアちゃんが放った銃弾はゲリズに命中し、動きを止めた。


「テメェ……………ビビって震えてたクセにィ………………。」


ゲリズが立ち止まりキュリアちゃんを睨む。


「確かに……………人を撃つのが怖かった…………いや、今も怖い。…………でも!!そのせいで大切な人を守れないのはもっと怖い!!わたしは…………守る為なら、もう迷いませんッ!!!」


キュリアちゃんは今までの怯えた表情ではなかった。まっすぐにゲリズを見据えている。


「へェ……………カッコつけた台詞吐きやがってェ…………震えてればよかったと後悔させてやるよォ!!!」


俺は咄嗟に斬撃をゲリズに放ってキュリアちゃんへと向かうのを止めた。


「おいおい、ゲリズ。テメェの相手はこの俺だぜ?それとも、俺に勝てないとふんで女の子の方へ向かっていくのか?へッ。とんだ臆病者(チキン)だぜ。ほら、こいよゲリズ。か弱い女の子なんて放ってかかってこい。俺が怖いのか?」


「テメェ……………舐めんなよォ?貴様ごときが怖いだってェ?笑わせるなよォ!!!よし、望み通りテメェを血祭りに上げてやるからなァアアァアアァァァッ!!!」


ああ、安い挑発に乗っちまったなあ。べネット(映画コマンドーの登場人物)もこんな感じの挑発に乗って死んでしまったというのに。


ま、いっか。俺は剣を握りゲリズと相対する。…………………………今だッ!!


ズパアッ!!


「グギアアアアッ!!」


ゲリズは脇腹を深く斬られ、仰向けにひっくり返る。


もうあの高速移動の仕組みは分かった!!あれは瞬発力を大幅にあげて瞬間移動のように移動するってな!!奴が移動の瞬間足にかなり力が入っていたのが見えたからな。あとは簡単。奴の足に力が入った瞬間に合わせて剣を振るだけ!!今までの奴の動きからして背後をとってくるのは確実!!これでカウンターを決めたのさッ!!!


「う、うう……………ち、畜生…………。こ、降参だよォ……………。く、悔しいけど、敵わないねェ……………。」


ゲリズが仰向けのまま両手を挙げ、降参の意思を示す。ふう……………殺したくもねえし、ここは見逃してやるか

「ハハハッ!!!油断したなァッ!!!」


なッ、だましうちかッ!!!


「カインさん、避けてくださいッ!!!最大出力(フルパワー)!!!」


俺が咄嗟に避けると巨大な魔力弾が飛んでいき、ゲリズを大きく吹っ飛ばす。


俺は再び剣を強く握り直した。剣にありったけの魔力を込める。


「ありがとよ!!キュリアちゃん!!テメェ、もう許さねえッ!!斬撃、奈落(アビス)!!!」


巨大な斬撃がゲリズに命中した。


「死なねぇように急所は外した…………だが、次はねぇぞ?」


血まみれとなったゲリズが落下した。と、その時、小さな玉のような物が転がる。


「ん?なんだこりゃ?」


拾い上げてよく見てみると、真っ黒な太陽のようなマークが描かれていた。詳しく言うと、真っ黒な円の周囲をこれまた真っ黒な三角形が6つ囲んでいる。


ゲリズを見ると右耳のイヤリングが途中で千切れている。金具を見るからにこれはイヤリングについていた飾りのようだ。


「クソ………………ッ、そ、それを……………返しやが…………」


「おい、ゲリズ。こりゃなんだ。トドメを刺されなくなかったら答えろ。」


「へッ……………置き土産に教えてやるよォ…………そりゃあ………リメイカーの証さァ………。」


「証?」


「あァ……………。リメイカーに所属している奴はァ…………必ず、そのマークの描かれた物を…………身に付けているんだよォ……………。それを失う事はァ……………リメイカーを離れるという事をォ……………意味しているゥ……………。」


「おい、詳しくおしえ」

「おおっとそこまで。」


この声はッ!!!


「ゲリズ~?迎えにきてあげたわよ~?」


「クーヤ……………さん。」


「あ、別に貴方達に何かしようって訳じゃないから安心してね。これを引き取りに来ただけだから。」


そう言ってクーヤさんはゲリズを担ぎ上げる。


「それにしても……………やるじゃない。幹部を倒すなんて。ゲリズもかなり強くなってたのよ?でもその程度じゃ到底リメイカーを倒すなんて無理だけどね。」


「………………。」


無言で剣を構える。それを見てクーヤさんはクスッと笑った。


「そんな怖い顔しなくたっていいじゃない。貴方達に手を出しに来たんじゃないって言ったでしょ?あ、その玉は一応返してもらうから。」


その瞬間、俺の手の中から、あの玉が消えた。慌てて見るとクーヤさんが持っている。


「じゃ、わたしはこれで帰るから。カイン、あなたと遊んであげるのは、また今度にしてあげる。またね。」


クーヤさんはこちらにウインクをしたかと思うと瞬間移動でゲリズごと姿を消した。


「おーい、大丈夫かーーーーー!!!」


この声、ジェルスか…………。俺は戦いが終わり安心したのと、魔力の消耗による疲労でその場にへたり込んだ。

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