第111話 男嫌いの女
皆様、大変お待たせいたしました(待ってた人がいたのか、というのは置いておいて。)
これからも、更新は遅れると思いますが、よろしくお願いします。
今回、いつもに増して短いです。申し訳ない。
(メレン視点)
私はいったん部屋に戻り、治療道具や水などを補給した(治療道具は修業中に大量に消費した。)。腰と右のブーツにナイフ計三本。ボーガンと矢の束。とりあえず持っているあの剣。準備よし。
…………最近ボーガン使ってないな…………。使い勝手のいい指狙撃を覚えたからなんだけど。アイナが持っておいた方がいいって言ったから一応持っていってるんだけど……………。
それは置いといて、これから東の大陸かぁ……………。どんな所なんだろう。少し前までこの世界で最大の軍事国家だったらしいから、その名残とかあるのかも。
準備も終わり部屋を出たところでアイナとバッタリ会った。
「あら、メレン。ちゃんと準備した?」
「うん。アイナ、東の大陸って行った事ある?」
「ええ。昔ちょっとね。」
「どんな所だったの?」
「あたしは東の大陸は殆ど回ってないけど……………。まぁ、どこそこに軍事国家の名残は残っているわね。町を囲う巨大な外掘と防護壁、大きな兵頓所。あちこちに立つ監視塔。平和なんだけど、兵士の規模は未だにとても大きいようね。」
「そうなんだ…………。」
「ま、今言ったように、あたし東の大陸は行ってない場所多いから、詳しくは知らないわ。実際見た方が早いと思うわよ?」
そういえば、アイナっていつも素手だけど、武器とか使わないのかな………………。
「ねえ、アイナってさ。武器使わないの?」
「はぁ、武器ねぇ……………。いくつか扱った事はあるけど実戦で使った事はないわねぇ。武器使うまでもないし。」
そうか、アイナって魔力使わなくても大木をへし折る程強いからいらないか…………。
「使うまでもないし、どれもしっくりこなかったのよ。触ると危険な相手には魔法使えばいいし。あたしが持ってる武器らしい武器は作業用のナイフだけ。戦いじゃ使わないけど。」
そんなものかぁ……………。まぁ、私もアイナに戦いを教えてもらったから戦闘スタイルは格闘主体なんだけど。でもこれじゃあ単純にアイナの劣化なんだよね…………。護身術はあるけど……………。
そんな事を話しながら皆と合流。お城を出発した。これから再びバハル港へ。また一週間歩き。
私と二人で歩いていた時は僅かに微笑み、楽しそうだったのに、皆と合流した途端すぐに無表情になってしまった。
前々から思っていたけど、アイナはカイン達男と一緒に居ると殆ど喋らない。用事で話す事があっても口数は最小限で常に無表情。
やっぱり昔レイプされたせいで男性に苦手意識を持っているのかもしれない。もちろんアイナ本人もそんな事をする男は一部だけで、いい人も多いっていうのはわかっているんだろうけど、深いトラウマだろうし…………。
私としては、フロウはよく知らないけど(カインはナンパ野郎だけど根はいい人だって言ってた)カインやジェルスはいい人達だからもっと関わってもいいと思うんだけど……………難しいのかな。アイナが人造人間であるのも関係してるのかも(アイナは周囲に自分が人造人間である事を知られるのを恐れている。)。
いつかはこんな心配事も気にせず仲良くなれるのかな………………。