第108話
こういう休憩を書く話で仲間全員書くとこっちもダルいし読む方もストーリー進まないとイライラすると思うのでルーレットアプリで二人に絞りました。今後も休憩を書く話ではこんな感じに誰を視点にするかを決める予定です。
今回はジェルスとキュリアに決まりました。今回はジェルス視点。
(ジェルス視点)
部屋に戻った俺はしばらくの間うとうとしていた。久々の遠距離歩行だったのだ。疲れた疲れた。
夢の世界へと飛びかけた意識をドアが開く音が引きずり戻した。体を起こしてドアの方を見るとメイドが食事を持ってきてくれていた。
……………小さいメイドだなあ。メレン程じゃないけど小さい(というよりメレンが小さすぎる。ターナー症候群じゃないのか?)。食事のお盆もよたよたしながら危なっかしく持ってくる。今にもすっ転びそう。
………………不安だ。
ヤバい。これ以上黙って見てるのは心臓に悪い。俺はメイドさんに駆け寄り食事のお盆の受け取った。
「あ、すいません、ありがとうございます。」
……………声も子供っぽいし、この子、否、この人はいくつなのだろう?成人してる?
とりあえずメイドはペコリと頭を下げ、部屋を出る…………と思いきや、出ようとした時こけた。
「ふぇぇ……………痛いよぅ……………。」
駄目だ、見てられないッ!
「あの…………大丈夫ですか…………?」
「ふぇ?あ、はい、大丈夫ですぅ………………。」
…………………。
………………不安だ。大事な事だから二回言った。
このメイドを休憩室まで見送る事にした。道中で何かやらかしたら俺の方が気まずくなりそうな気がした。
何もない所で転ぶような人だ。階段なんて降りた日にはエラい事になるに違いない。
そんな事を考えていたら案の定階段でつまずきそうになるメイド。
「きゃっ…………。」
「おおっと。」
すかさず腕を掴んで支えてあげる。危ない危ない。
「あ、ありがとうございます。」
そしてメイドの休憩室まで無事に辿り着いた。
「あ、コアーちゃん!!」
金髪でスレンダーなメイドが小さなメイドを見て駆け寄ってきた。
「リディさん!」
コアーと呼ばれたメイドも走っていく。転ばないか心配だ。
「ジェルス様、この子の見送りですか?」
「あ、はい。心配だったんで………。」
「すいません、この子、いつも一生懸命なんですけど、どうも危なっかしくて……………。」
「はぁ、……………やっぱり。」
「でも、こんな子だからみーんな放って置けなくて、とても人気高いんですよ。彼氏も今までに何人もいて、こんな見た目によらず経験も豊富なんですよ。こういうのって得ですよねー。そう思いません?」
「は……………はあ。」
「うらやましい………あたしなんて男一人見つけるのに凄い苦労してるのにこの子なんて何度も数人の男ととっかえひっかえヤりまくって……………て、すいません…………。熱くなっちゃいました……………。」
「いえ、お気になさらず…………。」
色々あるんだなぁ…………メイドにも。
………………よし、メイドの事情には首を突っ込まないッ!!部屋に帰ろう、そうしよう!!
「じゃ、俺部屋に戻りますね…………。」
「はい。ありがとうございました。」
俺は部屋へと歩いていく。コアーさんがニコニコしながら俺に手を振っていた。
ま、可愛い人だよな………………。
部屋に戻って食事を取る事にした。この世界にも米とか小麦とかの主食はちゃんとあり、今回の食事の主食は米だ。パラパラとしていてタイ米に近い。
……………で、気になっているのが、ステーキのような肉を焼いた料理なのだが、こっちの世界の肉と比べるとかなり黒い。別に痛んでいる訳では無いと思うが何の肉だろう?
とりあえず食べてみる。
………………牛や豚とは違うな……………うーん?魚?鳥のササミ肉?スジはほとんど無いけどちょっとパサパサしてるかな。でも結構イケるじゃん。何の肉だろう?メイドが皿を下げに来た時に聞いてみようかな。
食べ終わってしばらくすると、茶髪の色っぽいメイドが皿を下げに来た。
「あの、この料理に使われていた肉って、何の肉なんですか?」
「え?……………ロテッグという動物の肉ですけど……………?」
ロテッグ?
「どんな動物ですか?それ?」
「んー、では、魔法で貴方様の頭にイメージを送り込みますね。」
メイドが俺の頭に触れ、目を閉じる。すると、俺の頭に何かが浮かんできた。あれ?これってもしかして………………。
……………………。
「ワニかよッ!!」
ワニ肉でした。にしてもあんなナリだから野性味溢れる物かと思ってたけど意外とそうでもなかった。俺らの世界のワニもこんな味なのだろうか?
食事が終わった後、風呂に入る事にした。ここんとこしばらく風呂に入ってない。
風呂場へと辿り着き、男湯の扉を開ける。もう間違えないからな…………。前回はそのせいで殴り飛ばされた挙句黒焦げにされた(黒焦げにされたのはその後のカインとのパンツ話のせいだが)。
更衣室に入って、カインの服の服が脱いである事に気がついた。…………いつ入ったのだろうか。ま、男同士だし、別にいいだろ。
服を脱いで浴室に入る。
「……………おい、カイン!!」
びっくりした。カインが湯船で熟睡している。しかも顔が真っ赤になり、完全に逆上せてしまっている。目を覚ましたようだが早くも意識朦朧。
とりあえず救出!
更衣室まで引っ張ってタオルで扇ぐ。紅潮した顔が少し冷めたところでゆっくりとズボンを履かせ、メレンの部屋まで背負っていく。
メレンの部屋をノックするとすぐにメレンが出てきた。メレンは背負われている上半身裸のカインを見て
「……………襲う?」
「違うだろッ!」
かくかくしかじか。
「はぁ……………わかったわ。じゃ、カインは私が面倒見ておくから。お風呂入ってきていいよ。」
「スマンね。ありがとう。」
こうして俺はようやく風呂に入る。
………………俺も眠らないよう注意しないとな…………。
上半身裸と言えば、セフィロス!!