3-17「それぞれの闘い」
―――同日17時02分
“山紅猫団”のリーダーらしき男と大男を含めた六人ほどの敵を迎え撃とうと、ゼスは鋭い気勢と共に大剣を構えて疾走し始めた。
「また勝手に突っ走ったら、本当にこっちの作戦が成立すらしないじゃない……」
シェリーが溜息を吐いて、ゼスへの不満をとりあえず抹消し、今は迫りくるより多くの敵へと意識を集中する。
何人かは後ろにいる荷馬車を抑える為の要員だとしても、向かってくるのは二十名程。その全員を一度に相手にしなければならない。
相手はシェリー自身を生かしたまま拘束する気なのは先程からの会話から明白。つまり、捕まらないようにしつつ敵を一人も通さない様に一人ずつ戦闘不能に陥れさせれば良い。例え倒しきれなかったとしても、先にゼスの方が終わればその援護を期待している。
すなわち、出来る事と言えば、
「私が自信を持って出来る事を懸命にすればいい……!」
敵グループとの相対距離は現在約十五オリュ。
敵は徐々に陣形を展開している。囲い込むつもりだろう。
―――彼らはボクが荷馬車を護衛する者と認識し、留まったまま迎え撃つだろうという予測した動きね。
山賊達の余裕の表情が鮮明に映ってくる。
「へへ……。いくら騎士さんとて所詮は女だ。数で押せば問題ねぇ!」
「四方八方からの攻撃に、一人が対応できる筈がねぇもんな!」
「いいか、顔は傷つけるなよ。いざという時に売値が激減しちまうからな」
「というか、あまり綺麗なままで捕えてぇよな。奴隷として売るにしても、アッチ方面の奴隷で高く売れるしよ!」
「そん時はちょっと味見もよくね!?」
「バーカ。リーダーより先に手を出したら半殺しにされちまうぞ?」
「むしろ半殺しでもラッキーな方だぜ」
「だが、リーダーに指示されたのは勝手に襲うなだろ? 囲んでから乱闘になったら、偶然手が触れちゃったって事も有り得なくね?」
「ヒュー、それは燃えてきたぜ!」
既に勝った気でいる彼らは、思い思いに勝手な事を言い合っている。
確かに囲まれたら不利だ。あの大人数を相手にしながら相手を真後ろに回り込まれたら、とてもじゃないが振り切る自信は無い。
シェリーは、ある戦術を決断する。
狙うは―――仲間に指示をしている、一人の山賊。彼は空いている手を広げながら、自分を視界から外しており―――。
「よし、その方針で行くぜ! 囲んだ後は一斉攻撃、後ろに回り込んだ奴は隙を見て女を怯ませて捕えろ。無論、方法はパイタッ―――」
地面を蹴る。
目標に定めた一人の山賊の醜い口元の歪みが鮮明に映り、その鼻へと白い盾を突き出して一気に肉薄―――!
「―――チブゥアッ!?」
相対距離がありながら、僅か一回の跳びだけで距離を詰めたシェリーは山賊に突撃した。尋常な硬度を持つシェリーの盾による威力は、まさに壁に顔を思い切りぶつけたような衝撃以上を発揮する。今ので山賊の鼻の骨は間違いなく折れただろう。吹き飛ばされる彼から鼻血が飛び散り始める。そして、空いている右手が持つ剣で、山賊の片足に斬りかかる。
―――命までは奪わないわ。動かす足さえ潰せば、もう立って移動する事も難しい筈だから。
そのまま盾を使って、その男を押し倒す。それと同時に自らの足でブレーキをかける。
これにより、シェリーは一回の直線移動だけで山賊達の包囲網を崩す事に成功する。
山賊達は、彼女が一瞬の内に接近して仲間を倒したという事を理解する時には、既にその仲間が二つの痛みに奇声を発しているところだった。
「―――なっ!?」
「は、速―――」
だが、彼らが冷静に戻る隙をシェリーはこのまま与えるはずもない。
動揺の中に居る彼らを、直ぐに近くの敵から順に次々と剣を振るい、その足を潰して倒していく。何の躊躇いも、一瞬の停止もない。風が流れるような動きで、電流のように鋭く切り裂いた。
二人、三人、四人、五人と、盾と剣を交互に使って山賊達を戦闘不能に陥れる。
「全員距離を置け!」
ようやく冷静になった一人が仲間達に叱咤して身構える。
流石に武器を構え始めた相手に、シェリーはこれ以上の猛追を留める。あれほど撃墜できたのも、一つの隙からさらなる隙を繋げてそこに突けいったからだ。流石に今度は追撃を予測されている。
じりっ、と山賊達は未だ納得できない表情のまま、シェリーと睨み合いを続けた。
「く、くそっ! こいつ、本当に従騎士か!? 女のくせに……」
「その女に、深い一太刀を浴びせてみてはどうかしら、山賊」
敵の悪態に、シェリーが容赦ない言葉で言い返す。
改めて彼女は剣を構え直して突きつける。山賊達は一斉に怯みを見せた。
「既にこうなった以上、勧告はもうしないわ。だけど、手加減なしで直ぐに終わらせてもらうわよ。それが、あなた達の為なのだから……」
「くっ……何を訳わかんねぇ事を。なめんじゃねぇぞコラァッ!?」
「やっちまえっ!」
一斉に駆け出す山賊達。それに対するシェリーは油断の無い構え。
かくして、女騎士相手に乱戦に持ち込むという山賊達にとって鬼門が開かれた。
* * *
初撃により山賊の一人を沈黙させたゼスは、曲刀を振り下ろしてくるアンに対応していた。
「ヒャッハァッ! どうしたオラオラァ!」
次撃を放つ前に、アンがゼスの機先を制して肉薄してきたのである。流石に戦闘経験があるのか、曲刀を振るう太刀筋は鋭い。だが、攻め方が無造作である事は否めないものだ。
戦術をこの男は理解していない。ゼスは思案し、隙を窺う為に防御を徹底する。
しかし―――
「う、うぉおおおおおおおおおおっ!」
「……っ」
横から雄叫びと共に、太い拳が迫りくる。
気配を感じていたゼスは、アンの曲刀を弾き返しながら素早く後退。前方と側面、その挟撃を掠める形で回避した。
索敵する範囲は広い。敵一人に集中する事は無かった。彼にとって唯一の危険視するべきは、アン一人では役不足。アン、そして先程横から強襲してきた大男のトゥワの、二人でだ。
「チッ。おい、トゥワ。もっと角度や反応を考えろや。そんなこっちゃ逃げられちまうぜ!?」
「ご、ごめんよぉ……アンちゃん」
「だから、アンちゃんと呼ぶのは止めろ、つったろうが!」
「う、うん……。今度はうまくやるよ、アンちゃん」
怒鳴り散らされ委縮する大男、トゥワ。体格差は逆でも、アンには頭が上がらないらしい。
だが次にトゥワが顔を上げた時は先程とは全く違う、得物を逃がさない鋭い目をゼスへと向ける。
アンとトゥワ、この二人が相手では並みの冒険者では苦戦するだろう。その間に鉱物が奪われてしまう道理も理解できる。
しかし、長く染みついた傭兵の心構えを持つゼスにとっては全く話にならないと言わざるを得ない。護衛対象物を強奪されないようにする為に、長期戦を仕掛けては悪手になる。されど、油断は出来ない。いかに素人然とした戦闘技術とはいえ未だ全容を見せない敵に、無闇に飛び込んではそれこそ手痛いしっぺ返しに遭う。
そのように考えていたゼスの前に、さらに二人の山賊仲間がアン達に加わる。
「ククク……そんなデケェ剣持っていても、四人相手には対応できめぇ。数の暴力は偉大だよなぁ、ん?」
まるでそれが強いとでも確信しているかのような態度で、手に持つ曲刀をちらつかせるアン。
他の山賊仲間達も、自分の優位は揺るがないと感じているようで口の端を歪めている。
ゼスはそれに答えない。それどころか、澄ました表情で逆にアンの射殺すような視線に正面から対峙する。
それが頭に血が上りやすい者にとっては、果てしない侮辱だったらしい。
「無視かよォ、テメェ? いいぜ、後悔させてやらぁ、その余裕っぷりをよォ!」
アンの激昂を合図に、山賊達が一斉にゼスの元へと殺到する。
口元に笑みを浮かべるアン達と、まるで草食動物を狙うような視線をゼスから外さないトゥワが突っ込む。何の小細工も無い直線運動。数で攻めるのであれば余計な動きは必要ない、とした動きだ。
それだけに、あまりに緩慢とした動きで。
対してゼスは一切動かない。まるで様子を窺うように、彼らの突撃を阻まない。
彼我十オリュ。九オリュ、八、七、六……五オリュまで狭まる。
その時には山賊達の隊列は脚力が強い者を先頭に横一列から前後へと変化している。先にゼスへと肉薄してくるのは、アンの下っ端だ。
直後、ゼスの手元が動き―――相手がそう認識した時には、彼の身長ほどある大剣を逆袈裟斬りに薙いだ後だった。鋼と鋼のぶつかり合う音が響いたと思ったら、山賊の手にあった凶器は掻き消えていた。彼がその様子を脳に到達させる前に、右肩に激痛が迸った。
「……い……いがぁあああああっ!?」
山賊の悲鳴が轟く。
彼にとっては何が起こったのか理解できていないだろう。
しかし、遠目に観戦していた者ならば、先程の状況はこう見えた。
「あの銀髪の一振り、速い……!?」
辛うじて先程の様子を見る事が出来ていた、観察者の小柄な山賊―――ドゥは思わずそう呟いてしまう。
どす黒い刃の一閃がまず見えて、山賊が持っていた武器を弾いたゼスは、一瞬で左手で懐から取り出した暗器で山賊の右肩を刺し潰したのだ。ドゥが鋼のぶつかり合う音を聞いたのはその一瞬後だ。
成人男性でも抱えるのが精一杯の重量をもつ大剣を、なんら負担ではないと言うようにゼスの剣速は凄まじかった。
ドゥはその一幕だけでも戦慄したのだった。
「握り方が甘いな」
山賊の一人を戦闘不能にした暗器も目もくれずにそのまま手放したゼスは、次なる標的へと狙う。
既に相手は肉薄しており、剣を横薙ぎに薙ぎ始めている。
常人ならば反応すら適わない波状攻撃がゼスに向かって襲い掛かり。
ヒュン、と風を切る音だけが耳に届いた。
「なっ―――」
攻撃が避けられた―――そう山賊が判断したという表情が露わになったと同時、上半身を反らして虚空を切らせた山賊の腕を、ゼスの左手が掴む。そのまま綱を曳くように山賊をたぐい寄せた。
圧倒的な力に身体のバランスを崩して無防備に顔を前に出した山賊目がけて、大剣を持つ傭兵は自らの刃の範囲外だと知りつつ、ならばと自分の握る柄の先端を打ちつけた。
「がっ!」
鈍器に殴られたような衝撃に山賊は意識を失う。二人目を戦闘不能。
この間、実に三秒。
「猪突猛進過ぎるな」
一人ひとりダメ出しを呟きながら、ゼスは倒れる山賊の奥から迫りくる、アンへと視線を向ける。
「このヤロウがぁああああああああっ!」
仲間を倒されて怒り狂い、血走った眼で曲刀を振り下ろすアン。
だが。その強襲が繰り出される瞬きほどの時間に、ゼスは大剣を縦に構え直していた。前方から迫る刃に向かって、今度は自らも刃をもってすくい上げるように迎撃する。
「はっ!」
衝突しあう剣閃。
圧倒する質量の差では拮抗すら起こらない。アンの曲刀を難なく弾き返し、さらに右足で連撃。
「ぐはっ!?」
腹部に蹴りを入れられ、苦悶の表情を浮かべるアン。衝撃でよろめいたところに、ゼスが容赦なく追撃の一手を放つ。さらに懐から取り出した暗器を投擲し、アンの脇腹へと刺さった。
絶叫し、膝を突くアンをゼスは一瞥し、最後の敵へと対峙する。
二オリュをも超える大男、トゥワの拳による一撃が迫る―――!
ミシッ、と。辛うじて剣の腹で大きな拳を防御したゼスは、鋼鉄より強靭な筈の剣身があげた悲鳴を耳にした。
「……ここまで力を乗せた一撃を受けたのは初めてだな。やはり集団の中で、お前が一番強い」
「と、当然だお……! ぼ、僕は……それしか取り柄が無いから―――!」
目の前のモノを壊す。壊したいと。
そう願うようにさらに左の拳を引き上げ、連撃の一手を放つトゥワ。ありったけの力を込め、今度こそその大剣を砕き切るとして振り下ろす。
「……成程な。だが―――」
ゼスは眉の端を上げて不敵に笑った直後、剣身でトゥワの強力な二撃目をまともに受けず、逸らすように傾けた。
柔らかな動きで敵の攻撃を受けて流し、剣をもって斬る―――トゥワの一撃を防御せず、逆にその強さを利用したのだ。
そして腰を使い、大きく身体を回して遠心力をかけて―――
一閃。
トゥワの脇を通過、すれ違いざまに大剣を薙いだ。
「―――小さいな。俺に到底及ばない」
大男の脇腹を裂いた。
倒れる寸前に片手を突いたトゥワに、起き上がることは困難だった。
「……図体が大きいからか、もしくは脂肪の太さ故か、そこまで切り込めなかったか」
命拾いしたみたいだな、とゼスはようやく自らの周囲が静かになった事を認めたのだった。
* * *
嵐だ。俺達は、嵐と遭遇している―――。
山賊の一人が今の状況を見て、そんな感想を抱いていた。
彼の他にも仲間の山賊が二十人はいる。彼らは皆一つの目標に向かって殺到していたのだが。
彼らの中心には黒い嵐が吹き荒れていた。
鳴りやむ事の無い剣戟音。肉を裂き、骨を強打させる音。そして山賊達の苦悶の声。
嵐が吹き荒れる場所から絶えず轟いていた。
多人数相手に、黒い髪をなびかせて蒼い騎士が縦横無尽に駆け回り、剣と盾を最大限に使いつつ次々と吹き飛ばし、または戦闘不能にさせていた。
近づく者を容赦なく蹂躙し、弾き飛ばす乱戦の名手。まさに黒髪の騎士―――シェリーにはその称号が似合う戦いぶりだった。
健在な山賊の数は減り、ようやく彼らが乱戦に持ち込むのは愚かだと自覚してきていた。
「くそ、退け! 一旦退いて態勢を立て直せっ!」
一人が叫び、まさにそれが天命だと思ったのだろう、僅かな希望に縋った山賊達が一斉に包囲していたシェリーから離れ、後退し始めた。
シェリーは無理に深追いせず、馬車から付かず離れずの位置を保った。
「なんて女だ……! こんな話聞いてねぇよっ」
「強すぎだろ。あんな動き目で追い切れねェ」
「だ、だが、ここまで離れれば、そう簡単に手が出せね~だろ」
「そうだな。さっきのスピードを見ても、ここまで来る頃には俺達でも眼で追える。頭いいな、オマエ!」
囃し立てる山賊達とシェリーの相対距離は三十オリュ。彼女が彼らへ辿り着くのに数秒を要するだろう。彼らの言う通り、到達する頃には迎撃する用意がされるだろう。先ほどの様な強襲は通用しない。
山賊達もそれが判っているのだろう。ようやく勝機を見出したように笑みを浮かべていた。
「……それでも、ボクの勝機は揺るがないのだけれど。―――さて」
その状況を見て、シェリーは息を吐きつつ独白する。
持っていた剣を腰に差す鞘へと納め、右手の人差指と中指を立てて虚空へと伸ばす。
そして、意識を集中させる。精神統一しつつ、声に力を入れた。
その小さい口が、開かれる―――。
「―――Elsak ou toer Kar L torl ora《天に坐す明主に乞い願う》」
直後、彼女の周りに真の嵐が巻き起こった。
貫くほどに凛とした、一切のよどみなく少女の唇が紡ぐ言霊。
彼女から発せられる風で、頭上に伸びる木々がざわめきを響かせて。
あらゆるものにその声が届くように轟かせて。
少女は謳うように言っていく。
「な、なんだぁ!?」
「一体何が起こってやがる!?」
「何しやがる気だ、あの女!」
その様子を初めて見るのか、シェリーがやっていることが何であるのか理解できていない山賊達。
だが、遠目で観戦していたドゥの顔面が蒼白になっていた。
「て、テメェら! あの女を直ぐに止めろ! 魔働術を放って来る!」
怒号で指示するドゥ。
「Keol du R torle haut arl T ba-kurat oil rew《常夜に聖なる矢を 怒りの裁きを》」
古代ラルク言語を用いた魔働術師の術式。
創世記から世界に存在する奇跡の御業。誰しも扱えるわけでもなく、さらには才能の有無でも威力が左右される。そして、扱いこなす為には途方もない努力も必要だ。
故に、この場でそんな努力をしてきて扱えるのは、シェリーただ一人。
魔働術―――それは、彼女が持つ強力な武器。
「走って止めろ! 術が来る前に!」
ドゥの怒声がさらに飛び、反射的に山賊達が剣を構えてシェリーに突進し始める。
山賊達とシェリーの距離が狭まっていく。だが、三十オリュも離れていれば、到達まで時間がかかる。
すなわち―――
「gert sik tourl eaerf ort qef tortu E gahart qeul《善と悪を敷くこの地に 鋭き理を》
敵との距離が空いた時、それは魔働術の絶対範囲と化す。
そして、山賊達が五オリュまで到達し、シェリーへと殺到しようとした時。
彼女の面前には緑の魔働陣が現れる。
Yelt set―――col ior miel C cid mie aile dois le《誓おう―――変わった地の為に 真っ直ぐと》――――――
魔働陣にピリッ、と電流が走った。
右手を拡げ、魔働陣へと重ねる。その瞬間、陣から雷鳴と光が迸る。光はシェリーに切り込もうとしていた山賊達へと到達した。
対象に向かって鋭い電撃を放ち、相手を感電させる風属性初級魔働術―――“ライトニングボルト”。発動から目標に到達するまでの時間差は殆ど無い。まさに迅雷の如くであった。
絶叫が轟く。山賊達の身体がその感電によって衝撃が走った。
だが、それはシェリーの号令で直ぐに魔働陣からの放電が止み、術が終わる。
「が……あ……」
山賊達は皆焦げたように肌が焼けて、意識を失って地に伏した。全員が痙攣を起こしている。
ふぅ、と息を吐いたシェリーは彼らを見回しながら、納得したように頷く。
「致命傷になる前に術を停止させたから、命に別条は無いと思うわ。もうこんな目に遭いたくなかったら、悪行はもう辞めることね?」
風が止んだことで浮いていた髪が垂れる。地に立ち続ける少女は凛とした面持ちでそう告げた。