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対なる剣~光と闇の狭間で何を見るか?~  作者: 蒼雷のユウ
第十七小隊活動報告書1
19/43

登場人物・用語紹介(おまけ話追記)

※第二章終盤までのネタばれを含みます。初めて読まれる方は、第一話から読まれるのをお勧めします。

登場人物・用語紹介


聖王国レイザーランス


 本作の主な舞台。

 古の時代の約千年前、鬼神の侵攻から唯一生き残った当時の“魔鬼戦争”当事国。現在は、伝統と歴史ある国家として成長している。

 元々、女神信仰が強い宗教国家で宗教家達にとっては聖地である事や、世界的に重要視されている物資“働石”の豊富な産出国な事に加え、“魔鬼戦争”を終結するに貢献した聖騎士出身ゆかりの地として、諸外国から敬意を込めて“聖王国”という名を冠せられる。大陸南部に位置し、中部に存在するシュベルト帝国と東部にあるアルト連邦と巧みな外交によって対等な関係を結んでいる。また、古代から受け継がれる魔働の血が色濃く残っている民族が大半を占め、強力な魔働国家としても知られる。

 現在の国家元首はヴィレア・シャルロラ・ド・ダイアート=レイザーランス女王だが、近年謎の流行り病によって床に伏せっている為、その息子であるウィグス王子が代理とし、その補佐に宰相のディル・エンメイスが現在の政を動かしている。専制君主国だが、貴族制も布いている。政務を補佐し、実質的な法律や憲法を作る行政議会“元老院会”と、聖王国守護者の軍隊“蒼衣の騎士団”、そして治安維持と国家権力監査・干渉を担う“警備隊”という、三大柱が国家を支えるが、騎士団と院会は後述するその体制の違いから折り合いが悪い。

 元は平等的な保障と高い就職制度を敷いていた国だったが、近年大国が台頭するにつれて国力が弱くなり始めた為、経済競争制度に移行し回復したが、貧富の差が広がってしまう。また、宰相が提唱した“元老院会”による奴隷制の導入により、様々な奴隷が生まれているなど、裏ではかなり問題が多発している。




 ゼス


 蒼衣の騎士団第十七小隊所属。年齢二十歳。身長百八十二cm。戦闘タイプ:重戦士。称号:「銀狼」「従騎士」「変態男」「無神論者」「お兄ちゃん」「リアリスト」「皮肉屋」

 本作の主人公。その境遇、出身、ファミリーネームが不明の男性。

 女性なら誰もがふりかえる精悍な相貌であり、その碧の鋭い瞳には確固たる刃の様な意志が宿っている。見事な銀髪を首まで伸ばしているが整えてなく無造作、長身のせいでスマートに見えるものの、よく見るとかなりがっちりとした体躯。

 性格はクール、皮肉屋で強いリアリストの持ち主。女性がか弱いという偏見から女性が戦う、ましてや自分と同格に強いということに懐疑的。

 事ある毎に訓練したがるが、そのお陰で身の丈ほどの、漆黒の大剣を軽々と振り回す膂力がある。格闘術も心得ている。何故か魔働術を無効化する事が出来るが、それは大剣の力であるらしい。

 かつて、大剣を肌身離さず抱えて世界中を放浪し、傭兵まがいの事をしてはお金を得て何とか生活していた状態だった。安定した生活を得る為に蒼衣の騎士団に入団し、新設部隊であるアサラム小隊長下の第十七小隊に所属する。同僚となったシェリーとは、思想の違いから溝が深まるばかり。



 シェリー


 蒼衣の騎士団第十七小隊所属。年齢十七歳。身長百六十cm。戦闘タイプ:魔働軽騎士。称号:「従騎士」「ボクお嬢様」「お姉ちゃん」「理想の騎士」「お人よし」

 本作のヒロイン、もう一人の主人公。本名シェリー・アイオライト=ブランシェ。代々騎士を輩出する古の家系、アイオライト家の息女。

 背中まで伸びる絹糸のようなストレートヘアの黒髪が印象的で、日焼けしていない端正な顔立ちの美少女。凛とした眼差しを見せる。小麦色の肌に、鍛えているためか、多少の筋肉はあれど無駄な肉は付いていない。スタイルは全体的にバランスが取れている。

 性格は明るく淑やかに振舞うが、本性は直情的で負けず嫌い。しかし、一種の清廉された雰囲気を持つ。効率より感情論を優先しがち。感情が高ぶると「ボク」という一人称を使ってしまう為、普段は「私」と使うように心がけている。

 騎士を目指していただけあって高い実力を持っており、細身の片手剣と純白の盾を持って、速力を活かした撹乱戦を発揮する。強大な魔力を持ち、魔働術も使いこなすオールラウンダー。

 目指すべき理想と現実の厳しさとの間に苛まれながらも、ひたすら理想に順ずる。同僚であるゼスとは登用試験の際での彼の態度から気に入っておらず、前述の件からよく「野蛮人、変態男」などと呼んでいるが、彼の実力は素直に認めている。




 アサラム・ルース


 蒼衣の騎士団第十七小隊長―――上騎士。年齢三十代半ば。

 新設されたばかりの小隊を率いる(?)無精髭を生やす、中肉中背の男性。やる気がなさそうな緩んだ表情をしていて、寝癖がついたボサボサ像牙色の髪、しかし決して不健康な体格はしていない。

 普段は面倒くさいと言って憚らない不真面目な、ゼスとシェリーの上司。現場の指揮はせず、全て部下の騎士達の裁量に任せる方針が広まっているのか、あまり彼には重要任務が回ってこない。その性格から騎士団上層部からも疎まれており、上騎士に昇格した途端半ば強引に小隊長に任ぜられて押し込まれた。

 何故騎士になったのかも定かではなく、功績を得られる機会は無くとも、給料が良く堂々とサボれる第十七小隊はこの上なく天国な環境だと感じている―――勿論、功績を得ようとするシェリーにとっては地獄の環境だが―――。




 ディル・エンメイス


 聖王国宰相兼元老院会議長―――。年齢三十代。

 黒い宰相服を身に包んだ男性。歳は三十代前半ぐらいだが、童顔なため若く見られることが多い。黒い服と同じ漆黒の艶やかな髪で、男性としては華奢な体躯な、まさにインドアな印象の人物。

 国王に任ぜられて君主を補佐し、宮廷で国政を担う、いわば政治家の首相である。また“元老院会”の議長も務めている。立場に相応しい知識と政治手腕を持っており、民衆の大半の支持を勝ち取っている。また貴族制の先駆者でもあり、貴族達にも支持されている。聖王国を諸外国から長年牽制で守り抜いているが、ヴィレア女王の代理である王子を傀儡にしては次々と貴族が有利になる政策を打ち立てて行き、奴隷制を導入するなど、一部で黒い噂がある人物。




 その他の登場人物


 シュナイダー・アウグスト=蒼衣の騎士団長。王族護衛の近衛大隊を指揮している。

 ティール=ゼス達が城下町で出会った迷子の少年。

 マリアン=リュスト病に冒される若い女性。既婚者。

 エルド=マリアンの夫。

 ジェームズ=マリアンの主治医。リュスト病の阻害薬を初めて開発した名医。

 ダリオス伯爵=“元老院会”に所属する貴族。選民意識が強く、シェリー曰く「残忍で、いやらしい狸」。奴隷制に深く関わっている。

 ウィグス王子=女王の息子で、王位継承権第一位。まだ幼く純粋無垢。

 ヴィレア女王=現国家元首。現在はリュスト病で床に伏せっている。







 組織


 蒼衣の騎士団


 聖王国が擁する騎士団。王族の隷下であり“元老院会”とは権限も規律も隔離されている為、独自の体制を敷いている。世界最高峰の騎士団と知られ、本部は聖都にある。聖騎士が着こなした蒼い衣に由来して、現在の名前で設立された。騎士団長シュナイダー・アウグストを筆頭に、現在三人の将騎士、約五十人の上騎士とその下に正騎士―――その中でも階級が細分化されている―――と従騎士が属する。主な任務は聖都防衛と巡回、各地の領地に駐屯して領主の守護だが、有事の際は率先して戦時中の主な軍隊となり集権化する。騎士団に入る条件は登用試験において、求められる素質を発揮する事だが、魔力が生まれつき高い貴族ならば無条件で加入できる場合もある。殆どが魔働術を使える者で、三分の一が平民出だが、残りは貴族出の騎士となっている。騎士団の部隊の大半は聖都に集中している。

 ちなみに、王族の警護は騎士団長率いる近衛大隊が務める。




 元老院会


 行政を司る議会。宰相ディル・エンメイスをトップに特権階級である貴族達によって運営されている。その為、聖王国の臣民資格を持ち、登用試験さえクリアすれば誰でもその一員となれる“蒼衣の騎士団”と折り合いが悪い。ここで法律や憲法を提示できるが、最終的な決定権は国家元首が持っている。しかし現在、ヴィレア女王は床に伏せっているのを良い事に、まだ幼いウィグス王子を傀儡としてディル宰相が実質的な立法をしている為、表向きには国の為にしているが、裏ではやりたい放題。




 警備隊


 国家の治安維持を主任務とする、現代で言う警察組織。民と関わる機会が最も多い。聖都警護の他に、各地の町、村、集落などに点在して駐留し、民の安全を守る。犯罪者の逮捕権は勿論の事、賊の襲撃には武装し対抗する。騎士団と元老院会との間が隔離されている中では、唯一国家権力双方に干渉できる存在だが、院会による大きな権力で覆われやすく、現在は発言力を弱められている。


 文の元老院会、武の蒼衣の騎士団、警備隊で聖王国を支えている。ちなみに、騎士団と警備隊の違いは護るべき対象の規模と、国家権力に干渉できるか否かである。

 

 

 




 世界用語


 働石


 その名の通り、魔働の力が溜まった鉱石の事。魔働エネルギーを有して動力、燃料、個人の魔力回復など日常生活と軍用品で様々な用途に使用される鉱物資源、“働石”は重要な物資。魔力量は有限であり使い捨てになる為、また国によっては“働石”の産出量が極端に少ない。その理由から、これの産出権を握ろうと戦争を起こす国すら現れる。まさに「働石の一粒は血の一滴」とされる、人々の生活には無くてはならない物質。聖王国はこの働石の豊富な産出国。




 魔働術


 所謂、魔術。魔力を攻撃手段として、術者に備わった魔力を放出することで、魔力の塊を相手にぶつける術である。古代ラルク語をキーに、自らの血の特殊な成分を媒介にして魔力として行使する物。これはその成分が強いことで魔力の大きさそのものとなる。術式によってその種類と強弱が決まるが、魔力が大きいことで例え初級魔法でも高威力を発揮する。

 その見分け方が、術者の周囲に発生する風の強さ。魔力が弱い者は微々たる風が吹くだけだが、魔力が強い者は猛々しい暴風が吹き荒れる。

 魔働術には属性があり、術者の魔力によって得意分野が分かれる。専門属性の術者はその属性の高度魔法を唱えることができ、効率化が可能。しかし、それ以外の属性魔働術は初級魔法しか唱えられず、効率も悪い。属性は火、水、風、地、幻、星、闇がある。




 リュスト病


 作中では聖王国内の中産階級の人々を中心に蔓延る、謎の流行り病として記述する。

 その患者数は決して多くないものの、明確な治療法が見つからず対処も何もしなければ、癌を誘発させて死に至らしめてしまう危険な類。患者の大半が富裕層である為、当初は牛などの畜産物の感染が疑われ、殺処分する事があったが、今ではどこからが感染源なのか一切不明のままだった。抑止する方法である阻害薬は原材料が手に入りにくく、また調合方法も複雑であり専門知識を持つ医者しか作れない。その理由から非常に高価であるため、毎日処方していたら破産の一途を辿るしかない。また、聖王国国家元首ヴィレア女王も、この病によって床に伏せっている。




 シュベルト帝国


 大陸中部にある国家。平原にある帝都を中心に、世界最大の国土を誇る。皇帝をトップに絶対君主制を布いている。商業系が盛んで経済的に恵まれているが、働石の採掘量が少なく資源が不足している。しかし、大規模な軍事力を保有しており、その歴史は侵略によって繁栄した。作中ではしばしば、帝国と呼んだり侵略国家の代表的な一国として扱われる。




 アルト連邦


 大陸東部にある共和制国家。海に面していて、海運業が盛ん。東洋様式を取り入れ始めており、近年「カタナ」という武器が流行ってきている。シュベルト帝国と覇権を争う二大国家の一つで、しばしば衝突を繰り返している。各領地からの領主による議会で行政が決定される為、いつも帝国の後手に回っている。その代わり各国とのパイプを数多く敷いており、聖王国もそれなりの関係を築いている。また、技術力もそれなりに高い。




 リオ


 この世界エクスぺリアの共通通貨。我々の世界と同じ通貨の形式で、日本円の一万は一ケアリオ、一億は一ケイリオ、一兆は一ケウリオとして扱われる。




 奴隷


 聖王国の宰相が発案した奴隷制の公布後に生まれた下流身分。主人に買われて生を得て多額の取引が行われる代わりに、発言権や自由権、人権まで失われる。大抵は莫大な借金(債務奴隷、債権者は返済不能となった債務者自身を奴隷として売却し貸付金を回収する)、人身売買(自国の民、特に貧困層の住民が身売り、集落を襲撃して拉致、家族が関係者を売り払う)などで、貴族などが買って他人の所有物となる。主に農業などの経済活動、家内工業における職人や雑用役、愛玩用などに使役される。

 奴隷をどう扱うかは主人の裁量に任されているが、奴隷を殺害する行為は一切認められておらず、厳しい処置がされる。しかし、あくまで事故による奴隷の死亡は対象外であり、明確な殺意が無かった場合は主人に罪には問われない。中流階級層などの平民は縁がない為に、認知度は殆ど無い。

 騎士団ではこの奴隷制を良く思わない者が居るが、貴族出の騎士も多く嘆願書提出の条件である人数三分の二以上には至らず、また確固たる証拠がないのが実情。





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 11月15日11時11分―――巡回警備が終わった数時間後



 ―――聖都外周部


 薄暗く、既に肌寒い季節となった。

 家を持たないホームレス達は、この時期をいかに乗り越えていくか、頭を巡らす。

 だが、ストリートチルドレンは穴のあいた毛布にくるまって、ただ我慢するしか方法が無かった。

 既に弱くなり始めている、男の子も震えた身体を抱いてただ冬が越すのを待ち侘びていた。だが、どの道これだけ弱っていたら数日後には持たなくなっていると彼は理解している。

 こんな苦しい思いをするなら、いっそ永遠に眠ったほうが―――


「……?」


 空耳だろうか。

 不意に路地から何かを砕く音と共に、人が倒れた音も響いてきたのは。

 次第にその音は止み、静寂に包まれてしばらく、足音が響き渡る。

 直後、脇道から姿を現したのは、薄汚れたコートを身に纏った、銀髪の青年だった。

 視界が定まらない男の子でも、その姿は見覚えがある。

 確か夕方、蒼い衣と白銀の甲冑を着こなした騎士の一人だった筈。あの時は同じ服装の黒髪の少女騎士と同伴していたが、今は一人のようだ。

 しかも今は、輝かしい鎧は着ておらず、むしろこの辺りにどこにでもいるような、むすぼらしい服装を着て、一瞬夕刻と同じ人物だろうとは思い浮かばなかっただろう。

 銀髪の青年は、右手を振って舌打ちしながら、こちらに歩み寄ってくる。


「チッ……手間掛けさせるな」


 青年は、毛布に包まって横になっている自分の前に立つと、しゃがみ込んだ。

 彼の左手には、なにやら包装している紙袋が一つ。

 次の瞬間、男の子は一気に覚醒する。

 その袋から、食欲をそそるような香りと湯気が立ち込めていたからだ。

 弱った身体を奮い立たせ、起き上がる。


「君のだ。受け取れ」


 そのタイミングを見計らったように、青年は袋を差し出してくる。

 男の子が思わずそれを受け取り、中を開けるとさらなる香りが鼻腔をくすぐった。

 中に入っていたのは、膨らんだパンの生地を乗せた長方形の器が一つ。だが、ただのパンではない。生地の中に、温かいクリームシチューが入っており、中央通りで人気を博す冬定番メニューの一つだった。

 丁寧に中にはスプーンも入っており、それを使って食べるようだ。

 男の子はその味を想像しただけで喉が鳴る。思い切ってスプーンを手に取りたかった。

 だが、直前で思いだしてしまう。

 ここは貧困層が集う外周部。自分と同じ境遇の人や、ならず者が数多く存在する。

 もし、ここで施しを受けているのを誰かに見られでもしたら、自分は睨まれるどころか、この青年でさえ危ういかもしれない。

 そう考えると、全く手を付ける事が出来なかった。


「……」

「……君が食べ始めないと、俺は帰れんのだがな」

「……」


 青年の呟きに、男の子は顔をあげて、じっとその顔を見つめる。

 その表情に、青年は納得したようにあぁ、と言った。


「周囲の事なら安心しろ。ここら辺は先ほど全て黙らせた。今は早い就寝だな。この辺りで目を覚ましているのは、君だけだ」

「……!?」

「君には生きて、諦めないと考えてくれないとこちらが困るな。阿呆な小娘にボクを騙したな、って殺されてしまうからな」

「……」

「それでも心配と言うなら、食べ終わるまで俺が居てやる。ここら辺に近づく奴が居たら、早めに寝てもらうな」

「―――」

「だから、食え。残すな?」

「っ!」


 青年の言葉を理解した男の子は、何かに突き動かされるように、スプーンを手に取り、パンの生地を破った。

 目の前に飛び込んでくる湯気と白い温かな液体。パンの生地を先に口に入れ、その後に一心不乱にクリームシチューを喉に通す。

 美味しかった。冷え切った身体に良く通る暖かさだった。たった一つの食事が、ここまで生気を取り戻すとは男の子は驚いた。

 シチューが無駄に零れないようにゆっくりと、だが素早く口に放り込んでいく。

 青年はただ静かにその様子を眺めている。無表情で男の子の食べる姿を何の感慨も無く、視線を逸らさず。

 やがて、男の子の視界は急に歪み始める。

 口の中は熱いくらいに温かいのに、頬に伝わる滴は冷たく、舌に含んだらしょっぱかった。

 それでも、スプーンを手にする右手の動きは止まらない。

 何かの拍子で消えてしまう前に、ただ喉に通したかった。


「……うっ……あっ……あっありっ……ありがっ……とう……っ!」

「……美味いようだな?」


 スプーンを咥えたまま、男の子はただ無言で青年の言葉に応えた。


何か質問がありましたら、感想版にどうぞ。


ちなみに、男の子が口にしていた食べ物はかのケン○ッキーの冬定番メニューのホットパイと考えて頂ければ良いと思います♪

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