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対なる剣~光と闇の狭間で何を見るか?~  作者: 蒼雷のユウ
第二章 「第十七小隊」
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2-8「診療所:疫病」

 フェルド通りの巡回任務中であったゼスとシェリーの前に、マリアンという女性が発作を起こして倒れているところを発見される。近くの住人が持ってきた担架に乗せられたマリアンは、診療所に到着直後に緊急治療室に運ばれた。

 直ぐに主治医が治療に当り、運び込んだゼス達は部屋の外で用意された席で、マリアンの近所に住んでいると言う女性から彼女の病について聞いていた。


「彼女がリュスト病に罹ったのは数年前、今の夫と結婚してこれから人生の幸福を謳歌(おうか)しようとした矢先の出来事だったね。突然マリアンが倒れちまったのさ」


 意識を失ったマリアンを緊急治療したところ、聖王国で近頃患者が出始めている、原因不明の難病“リュスト病”を罹っていると診断された。その患者数は決して多くないものの、明確な治療法が見つからず、対処も何もしなければ(がん)を誘発させて死に至らしめてしまう危険な類だった。

 患者の大半が富裕層である為、当初は牛などの畜産物の感染が疑われ殺処分する事があったが、今ではどこからが感染源なのか一切不明のままだ。

 そして、リュスト病を有名たらしめたのは、この聖王国の女王が、この病によって床に伏せっている事からだった。女王は阻害薬を取り続けている為に、辛うじて命を取り留めているが全く顔を出す事が無くなってしまっている。今の国政は女王の息子である王子と宰相による代行として取り仕切っている。

 だが、一般人にとっては命を長らえる問題だけではなかった。

 病の進行を抑止する方法である阻害薬は原材料が手に入りにくく、また調合方法も複雑であり専門知識を持つ医者しか作れない。その理由から非常に高価であるため、毎日処方していたら破産の一途を辿るしかないからだ。

 マリアンもその例に漏れず、自らの貯金を崩し、夫の懇意で稼いだお金で何とか繋いでいるとの事。

 まさに周囲は不憫な事だと思ったものだが―――。


 運び込んでから一時間経とうとした時、集中治療室の扉から主治医の男性が現れる。

 その姿を認めた女性とシェリーが慌てた様子で立ち上がった。


「まぁ、ジェームズ先生! マリアンの……彼女の容態は!?」

「意識は取り戻したのでしょうか?」


 ジェームズと呼ばれた先生は、顔を上げて手袋を取る。

 紺色の髪を整え、穏やかな表情が似合う顔立ちの眼鏡を掛けた理知的な人物だ。ここまで白衣が似合う医師はこの聖王国内でも数名しか居ないであろう風貌だ。


「とりあえず、危篤(きとく)状態からの回避は成功しました。今は安静に眠っています」


 ジェームズは安心させる微笑みの表情を浮かべて、集中治療室から看護師によって運び出てくるマリアンの姿を見る。

 彼女の顔色は元の肌色に戻っており、苦しそうな面影は既にない。彼女の動きが、正常に呼吸をしていると理解できる。

 とりあえず緊急治療が成功した事に、シェリー達は安堵の息を吐いた。


「あぁ、良かったわ……。一時はどうなる事かと思ったわよ」

「ジェームズ先生。助けてくれて、本当に有難うございます! マリアンに代わって、あたしがお礼を言わせておくれ」


 女性が深々と頭を下げる。

 近所に住んでいるとはいえ、彼女にとってマリアンとは娘同然の付き合いで深い情を持っている。彼女に何かあれば、泣き崩れていただろう。

 それを知っているジェームズは笑顔で女性の肩を優しく抱いて、顔を上げてください、と諭した。


「全力を尽くしたまでです。それに、もう少し運ばれるのが遅ければ、こうはならなかったと予測できるほどの危険な状態でした。基礎的な応急処置が施されていたのか、病状の進行が若干抑えられた事も起因しています。―――聞いた話から、迅速な判断と行動をしてくれた、そちらの騎士様達にこちらからお礼を言いたいほどです」


 ジェームズがシェリーと席に座ったままのゼスの前に立つと、頭を下げる。


「患者を助けていただき、誠に有難うございました」

「いえ、当然の事をしただけです。本当に助けてくれた先生がそんなに頭を下げないでください」

「……ああ。俺達だけでは、彼女を助けられなかったわけだからな」


 二人は若干沈ませた声音で応える。彼らはジェームズの言う通り、病の進行を抑えた事と早い搬送だけをしただけなのだ。治療して危篤状態を回避した医師に適うべくもない。

 顔を上げたジェームズは、苦笑しながら手を軽く振った。


「いくら治療で助けられたと言っても、時間が勝負を決めるんです。手遅れになれば、僕ですら手の施しようが無かった。彼女の命を繋ぎ止めていたのは、紛れも無いあなた達の成果です。どうかそのように謙虚になさらないでください」

「あ、有難うございます。そのように言ってくださると、私達も騎士の(ほま)れと感じます」


 礼儀正しくお辞儀を返すシェリー。ゼスは返事もせずに脚を組み直した。

 白衣の襟を整え直して、ジェームズは診察室に向けて手を仰ぐ。


「とりあえず、ここで立ち話もなんでしょう。これからの話をあちらで話し合いましょうか」



 * * *



 案内された診察室は、主治医が患者の容態を文字通り診察する部屋であり、ジェームズの執務室も兼ねていた。

 聴診器にシャウカステン、喉を見る為に舌を抑える金属棒と診察寝台などが完備されている。

 三人用の椅子を用意されたゼス達はそこに腰をかけ、ジェームズと向かい合っていた。


「―――単刀直入に申し上げます。今は危篤状態を回避できましたが、実際のところ前と変わりはありません。一日も経たずに再び発作が起きるでしょう。残念ながら僕が出来た事は、それだけです」

「では、これからもいつも通りに阻害薬(そがいやく)を服用しないといけないのかい?」

「ええ、そうなりますね。今週も七日分を出しますので、マリアンさんが目を覚ましたら渡しておいてあげてください」


 ジェームズと女性が話し合っている。

 ゼスとシェリーは部外者故に、僅かに後ろで席に座っている。話には割り込む事が出来ず、ただ状況を知る為に静観を貫いていた。

 否、シェリーだけが一つの疑問を問うた。


「あの、失礼ですが、リュスト病の阻害薬は用意されているのですか?」


 ジェームズが彼女に顔を向けて答える。


「はい、その通りです。正確には、阻害薬はこちらで作られているんですよ」

「ええっ!? 先生は阻害薬を調合する事ができるのですか?」


 目を見張って驚くシェリーは、阻害薬の存在が非常に貴重な物であるという事を物語っているようだった。

 二人の話を聞いていた女性がまるで息子自慢をするような誇らしさで言う。


「そりゃそうさね。ジェームズ先生は医学界では権威と謳われる実力者の一人なのさ! そもそも、阻害薬を初めて開発したのも先生なんだよ!」


 この話に、シェリーは口を手で覆い、ジェームズを見張っていた。

 当のジェームズは照れくさそうに頭をかいた。


「いやはやお恥ずかしい。先人達の腕には到底及びませんし、阻害薬に関しても思考錯誤(さくご)を繰り返して偶然出来た代物ですしね。そんな誇らしげに言わないでください」

「何言ってるんだい! それどころか普通なら高価な阻害薬を、良心的な価格で譲ってくれる事なんてそうそう出来るもんじゃないよ!」

「いや、それはちゃんと材料費と調合用具などの資金繰りで損失が無い程度にギリギリ抑えられたからであって」

「そんな事を考える人間が、自分の給料を度外視しておきながらよく言うよ」


 女性の言葉に、ジェームズは苦笑する。

 ゼス達が察するに、ジェームズは優秀な医者であり、阻害薬を割安で提供してくれる良識的な人間であるということだと。自分の利益より、ただ少しでも病で苦しむ人々を助けたい、その願いが伝わる行動に、ゼスはともかくシェリーは好感を抱いた。

 そんな人間でも、この病を治す事は適わない事実に恐らく歯噛みしたい想いに違いない。だからこそ、ジェームズは謙遜しているのだろう、と。


「そ、そんな事より、マリアンさんのご主人にはもう連絡が着いたのですか?」

「知り合いが仕事場へ知らせに行った筈だから、そろそろ―――」


 女性が思案げに応えていると、外から扉が開いて、慌てたような男の声が響いた。


「マリアン!? どこだ、大丈夫か!?」


 その声は主の思う人物を案じる気持ちを感じさせる。

 ジェームズは着たみたいですね、と席を立って診察室から後にする。

 ゼス達は一応ここに留まる事にしていた。


「ああ、先生! マリアンは、妻は無事なんですか!?」

「ご安心ください、一命は取り留めました。今はぐっすり眠っています。一通り説明致しますので、付いて来てください」


 男性の息を呑む気配を感じ、ジェームズの動きを追う。

 診察室の入り口に、ジェームズが顔を出す。


「すみません、移動しますので貴方がたも付いて来てください」


 その言葉にゼス達三人も立ちあがって、マリアンが眠る病室へと案内された。




* * * * *




 ゼス達に説明した時と同じく、マリアンの今の状況を新たにやってきたマリアンの夫―――名をエルドという―――に聞かせたジェームズは、マリアンの検診を馴れた様子でし終えた。


「脈は良好ですね。この分なら、三日もしないうちに退院できるでしょう。今日中には目が覚めるかもしれませんね」

「あぁ……それはよかった」


 不安の気持ちを全て吐き出すように、安堵の息を吐き出すエルド。張り詰めていた緊張が抜けたように、椅子に腰を下ろす。

 その時、眠っていたマリアンがうっすらと目を開けた。


「マ、マリアン! 体調は? 痛みは無いか!?」

「……まぁ……あなた……どうして……? あたし……なんで……眠って……」


 まだ発作から回復したばかりで、身体の活動が弱いのかマリアンの声は弱々しい。

 彼女から上げられた手を、エルドは両手で優しく握りしめる。


「いつもの発作が起きて、道に倒れたんだよマリアン。本当にビックリしたさね」

「……おばさま……あたし……倒れて……ジェームズ先生の……処に」

「どうやら手術は大成功のようですね。こんなに早く目を覚ますとは。順調に回復しているようです」


 ジェームズが微笑むと、それだけでマリアンの不安が溶け出して、彼女は安堵の息を吐いた。


「ジェームズ先生、毎度の事ながら助けてくれて有難うございました」

「いやいや、僕は悪化の進行を止めただけです。あと一歩遅ければ助けられなかったぐらいの瀬戸際でした。礼なら、マリアンさんをここまで迅速に運んで来てくれた、こちらの騎士様達に」


 ジェームズはゼスとシェリーの二人を指し示す。突然話を振られた事に驚いた二人だったが、エルドはなんと、と目を見張った。


「そうですか。騎士様、有難うございました。マリアンもきっと感謝してくれるでしょう」

「……騎士様……ここまで……ありがとう……ございます」


 まるで降臨した神に縋る様に、信者の如く頭を下げるエルド。

 マリアンも頭を動かす代わりに、目を瞑った。


「……すみません……あたしが起きれたら……ちゃんとした……お礼を」

「いえ、無理はしないでください。私達は当然の事をしたまでですから」


 シェリーが慌てて、起き上がろうとするマリアンを抑えて再び楽に寝かせる。

 座ったままのゼスも、そう何度も礼を言わなくて良い、と口にする。


「身体を悪化させるような事はするな。俺達に礼をするって言うなら、まずは早くその病気を治す事だな」

「ゼス! そんな言い方……!」


 強めの口調が剣呑の眼差しをしているシェリーから発せられる。しかし、その通りですから、とマリアンが(たしな)めた。


「気休めの言葉は掛けない主義でな。言葉がきついのは許せ」

「……ええ、大丈夫、です」


 気にしていない、と微笑みを浮かべるマリアン。


「……それにしても……あなた……仕事は……大丈夫……?」

「そんな事を気にしている場合じゃないさ。仕事をしているのもお前を助ける為だが、それよりもお前の傍に少しでも居たかったんだ」


 マリアンとエルドがお互いの手を握り、その視線を交わす。


「……でも……仕事を休むと……お給料が……減るんじゃない……?」

「それに関しては心配する事は無いよ。最近、良い仕事が入ったんだ。大分仕事時間が長くなるけど、ようやく先生が割り引いてくれる阻害薬の価格に追いつく。これで、家庭は安定する。後は、お前さえ俺の傍に居てくれれば、後は何も必要ないんだ」


 エルドが妻の手をさらに握りしめた。


「俺はお前を幸せにすると誓ったんだ。闘病生活は辛いかもしれないし、俺も仕事が大変だ。だが、お前の笑顔と心を見ると、凄く癒される。疲れなんて吹っ飛んでしまう。もっとお前の笑顔を見たい。お前の傍に居たい。それ以上に優るものなんて、なにも無いんだ。だから……俺を置いて行かないでほしい」

「……あなた……。……えぇ、もちろんよ。……あたし……頑張ってみる……あなたが……いれば……何も怖く……ないから」

「マリアン……! いつかきっと、その病を治してやるからな……!」


 二人からの熱っぽい視線が交わり、お互いの距離がグッと近くなる。

 その親密な雰囲気から完全に蚊帳の外である、ゼスとシェリー、マリアンのおばさんとジェームズは、二人の光景を微笑ましく見守っていた。


「おやおや~。真昼間からやるねぇ」

「素敵だわ」


 おばさんのニヤついた顔と、輝く表情を浮かべるシェリーにマリアン達がようやく我に返って、恥ずかしながら振り返った。


「す、すみません……! 二人で勝手に」

「……お恥ずかしいところを……」


 萎縮する二人に、ジェームズが穏やかに遮る。


「はは、大丈夫ですよ。では、我々は私用でお話もありますし。ここで失礼致しましょう」


 医師に促され、ゼス達はマリアンとエルドを病室に残して後にする。


「あの……騎士様」


 マリアンの呼び止める声が届き、ゼスとシェリーが振り返る。

 彼女の視線は、ゼスへと注がれていた。


「俺の事か?」

「はい……。あの……ありがとうございました。あたしを……ここまで運んでくれた事と……病を治す目的を抱かせてくれた、言葉をかけてくれた……事に」

「……そうか」

「そちらの女性の騎士様も……。……また近い日に、お二人にお会いする事があったら……お礼をさせてくださいね……」

「ええ。その時は元気なお姿を見せてください」


 騎士二人はお互いに違う反応を返して、病室から退出した。

 

 

 

* * *

 

 

 

 廊下で立ち止まったゼス達は、そろそろ巡回任務に戻る機会だろうと考えた。

 かれこれ一時間以上は経っていることもあって今日中に聖都中を巡りたい事や、既に二人ができる事は無いと感じていた事を、ジェームズとおばさんに聞かせていた。


「そうですか。お勤め御苦労様です。これからも、民達を護り、自らの仕事に誇りを持てるよう祈っておりますよ」

「有難うございます。誠心誠意、務めていきます」


 お辞儀をするシェリーに、おばさんが彼女の顔を覗き込みながら、得意げな顔で言う。


「騎士の仕事は大変で過酷なんでしょ? 怪我や病気はジェームズ先生に診てもらうといいよ」

「あはは、その時はお世話になるかもしれませんね」


 苦笑するジェームズの表情に、笑みを浮かべるシェリー。

 ふと、何かを思い出したように彼女が医師に訊ねた。


「そういえば、先生のご専門は? 薬学ともお見受けしましたが、手術の腕も見る限り外科の腕もお持ちなのでしょうか?」

「はい。一応外科の免許も取得済みです。後は、精神科の心得もありますが」


 ジェームズの濁りのない言葉に、シェリーは驚きの表情を浮かべて、「は、博識なんですね」と返した。


「はははっ……。器用貧乏なだけですよ。それに、医療関係で認められるのもそう簡単ではありませんしね。滑り止めで学んでいただけです」

「あたしゃ、それができるだけでも十分なんだがね」


 おばさんの一言に、さらに苦笑を深める白衣の男。

 その時、今まで話に加わっていなかったゼスが、さらなる仏頂面で一歩前に踏み出した。


「先生。先ほど、精神科の心得があると言ったが……」

「ん? はい、その通りですが……?」


 ジェームズを含め、その場に居た全員がゼスの雰囲気に不思議に思っていると、当の本人は逡巡とした様子で何度も話をするべきか思い留まっていたが、暫くして言葉を紡いだ。


「……過去の出来事でそれが毎回夢に出る、ということは有り得ることなのか?」

「夢、ですか? そうですね……記憶に残るような強烈な出来事、例えば最も楽しかった記憶や、悲しい出来事―――所謂、トラウマを経験する事で、有り得る事象であると考えられていますが」


 話を聞いたゼスは一瞬眉をピクリと跳ねたが、直ぐに元の表情に戻って「感謝する」と言って背を向けた。

 シェリーは事態が掴めないとばかりに首を傾げる。


「ゼス?」

「気にするな、単純な疑問だっただけだ」


 さて、と彼は話題を変える。


「そろそろ行くべきだろう?」

「え、ええ。そうね。では、私たちはこれで」


 ゼスの後を追うように、シェリーはジェームズとおばさんに挨拶を交わして別れを告げる。

 ジェームズが別れ際に、医師としての社交辞令のような言葉をかけた。


「また今回みたいな件や、その他個人的な何かがありましたら僕のところにいらしてください。そこまで融通できませんが、騎士様には診察代をサービス致しますので」

「……また来る」


 そうして、騎士二人はおばさんのお礼の言葉を受け取りながら、診療所を後にしたのだった。


 :ゼスとシェリーの知名度が2上がった。


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