表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

     神の遺産と子守唄 その3

【03.絶望の唄が響く時に】


次ぬこが目を覚ますとそこは真っ白な空間だった。

ぬこが居る目の前には川が流れているがそれ以外には特に何かがあるわけではなく、ずっとずっと白い空間が続いていた。

「誰か居るでしか?」

川の向こう側に目をやると、一人の茶髪の青年とオレンジ色の髪をしたぬこより少し大人っぽい少女がいた。

少女が、真っ白な空間の中で何かを求めるようにそっと手を伸ばした。

その先に居る青年もまた何かを求めるように手を伸ばしていた。

お互いの手が届きそうで届かない。

手と手が届くその場所には見えない壁があり、2人を阻む。

泣きそうな顔をしながら青年はただ少女に微笑み首を振ってふと、別の方向を向いた。

『約束を破ってはいけないよ、俺達が幸せになちゃダメなんだ』

青年は別の方向でただ2人を見るぬこに語りかけた。

その青年の顔ははっきり見えない。

青年の先にいる少女の顔もまた見えない。

だけどどちらも知っていて、懐かしい感じがぬこにはした。

ぬこはその存在が気になって、一歩一歩近づいていく。

いつも被っている猫耳の帽子を捨て、靴を脱ぎ捨てて、ぬこと青年との間にある綺麗な澄んだ水色の川を渡る。

「貴方は誰でしか?」

青年に近づいたぬこは、背伸びをしながら青年の頬触れた。

その頬には少し詰めたくて、水みたいなのが零れていた。

それが何なのかぬこにも分かって直ぐに手を退けようとしたが、青年がぬこの手をそのまま頬に置くように手を置いた。

『君は分かっているだろ?オレ達の存在』

「大神様?」

顔と顔が近いはずなのに、ぬこの目には青年の顔がはっきりと見えない。

ただその懐かしい声と記憶の中にちゃんと情報として残っていたので、目の前にいる人物が何者なのか分かった。

『正解!じゃあ、オレが誰か分かっているだろ??』

そう青年に聞かれてぬこは首を縦に頷いた。

『やっぱりいつの(とき)もぬこはぬこなんだな』

悲しそうで嬉しそうな表情をした青年は、やっとぬこから手を離して、ぬこも青年から手を離した。

それから青年はゆっくりと、少し見えない壁の向こう側にいる少女の方に近づいた。

青年が歩く道は、真っ白な空間で灰色の足跡をつけていく。

その後をぬこも灰色の足跡を付けながら付いていく。

不思議な足跡に目をやりながら周りを見ると、青年とぬこ以外の足跡も何個かあった。

大きな足跡や小さな足跡。

親子三人で歩いていたように綺麗に並ぶ足跡。

誰かの後ろを追っかけている足跡……沢山の色々な状況の足跡があった。

『おいで』

青年はぬこの方に振り返ってぬこに向かって手招きをした。

手招きをされたぬこは走って青年の方に向かう。

『今、君が居る場所は君の中に封じた過去、いや……君の未来』

青年は壁の向こうにいる少女の手と合わせるように壁に手を置いた。

少女は青年を見たあと、青年に笑いかけぬこの方を見た。

『お願い、約束』

そう少女は言うとまばゆい光を放ちだした。

それと同時にぬこの体からも大量の光が溢れだし、真っ白な空間は色鮮やかになった。

青年は目をつぶり、ぬこの耳元で何かを囁く。

ぬこはただその言葉に耳を傾けて目を閉じた。

『もう同じ(とき)をするのは終わりにしよう』

小さな声で青年は眠りに付いたぬことその隣で倒れる少女に囁いた。


その頃、海斗たちがいる桜ヶ丘学園では奇妙な怪奇現象が始まっていた。

久しぶりの投稿です。病んでいました……とりあえず復活します。

あまりにも駄文すぎるのと話の展開が自分の中でもすこし狂い出してきました。

とりあえず全力で頑張ります!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ