入社前
僕はもともとIT系の会社に入ろうとしていた。ナウでヤングでイケイケでウハウハな雰囲気に惹かれたのだ。六本木のバカ高いビルにオフィスを構える会社に行ったり(エレベーター楽しくて5往復ぐらいした)、メディア系のキラキラした会社の面接を受けさせてもらったりした(結果はお察し!!!)。
就活を進める中で痛感したのは、僕自身が全くイケイケでもなく、ナウでもなく、ウハウハでもなく、キラキラでもないということだ。ヤングなのはまあその通りなので否定できん。
就活に疲れてしまった僕は、しばらく現実逃避をしていた。なんかもう川で魚捕まえてお金もらえるような仕事ないかなぁと思って調べてみたら、それっぽいのを見つけてしまった。しかもオフィスが実家から近い。これは神のお告げ的なヤツだろうと思い、説明会に応募しようとしたのだが
説明会はなかった。質問があればメールしてくださいとだけ書いてある。なんという採用意欲の低さ!!!会社情報を見ると、従業員は10人未満であった。よく言えば少数精鋭、悪く言えば立派な超零細企業だ。若い人はいるのかなとメールで質問してみると、一番若い社員が35歳。一番上が80オーバー、平均すると58歳という途轍もない答えが返ってきた。でもまあ人生の先輩ばかりなので、僕がミスりまくってもふぉっふぉっふぉと言いながら許してくれそうな気がする。若造め、調子に乗りおってとか言われたら泣く。
無事に書類選考が通り、一次面接に呼ばれた。一次面接は面接というより、会社説明会という感じだった。ざっくりと会社の説明をした後で、おじさんが代わる代わるやってきて、自分の業務を説明して帰っていく。冗談まじりに明るく話す陽気なおじさんもいれば、ボソボソと真面目一徹に説明してくれるメガネのおじさんもいる。予想通りではあったが、この会社マジでおっさんとおじいさんしかいない。お茶汲みのお姉様なんてものもおらず、35歳のお兄さん(最年少!)が熱いお茶を持ってきてくれた。この会社入ったら、ワシがお茶汲みやるんか…
僕は一次面接に真っ黒のネクタイをつけて行った。大学の就活セミナー的なものに一切出なかったので、黒ネクタイが葬式用だなんて知らなかったのだ。そんな知ってて当たり前のビジネスマナーを知らない僕は大馬鹿者だが、そんなヤツを通してしまう会社も大概である。
なぜか二次面接に呼ばれちゃった僕は、ラスボス(社長)と対面した。この社長、めちゃくちゃ怖かった。おれこの会社入ったらこの社長さんに怯えながら仕事するんか…とびくついていたのだが、いざ入社してみたら、社長は転職して別の会社に行ってしまい、別のおっちゃんが社長になっていた。さては、俺のことが怖くて逃げたんだな???
二次面接後、一次面接でお世話になったおじさんがきたので、まっ黒ネクタイを着用してきた無礼を詫びると、あ〜そういや黒ネクタイだな〜〜と思ったわ〜〜〜と言われた。ゆるゆる〜〜〜
長くなってきたので一旦区切ります〜〜〜