第4話「もっと、」
“本ちゃん、やっぱり落ち込んでる…”“あんなことするからだろ”
…なんでこんなことになるんだろう…もう嫌だよ…
“だってすぐ顔に出るんだもん。怒ってないのはわかるけどなんかいやな気分になるんだもん…”“確かにそれはわかるけどな…”
やっぱりだ…でもどうしてこうなるのかわからない…
“否定しているわけでもないんだけどな…”“でもなぁ…”
いやだ…これで友人が減るなんて…いやだよ…!でも…どうして…
“もしかして…本ちゃんは…”“どうしたの?みっちゃん?”
…頼むからやめて欲しいな…今どういう言葉を返すかわからないから…昔からそうだ…
“ねぇちゃんと聞いてるの?”“ふざけんな。お前はバカか?”
…あぁめんどくさい。一度言ったことを繰り返すなよ…分かってるから…それなのにどうして詰めるの?そりゃそんな顔もしたくなるよ。こっちだって言い分があるんだから言わせろよ…どうして話も聞かないの?…早く話を終わらせない、自分の責任なんて知ったこっちゃない。そんな親だから妹に出てかれたんじゃないのか?
“あいついやなんだけど…”“ね、明日休もうかな…”
…何もわからないくせに勝手に決めるな。何も知らない人に決めつけられるほどそんな恨まれることをしてない…お願い…聞いて…お願い…喋らせて…
“僕という存在を認めて…!”
…まずい。言葉に出しちゃった。もうこれで嫌われるのかな…?ダメだ…ネガティブにしか考えられないよ…
“うるさいです。静かにしてください。”
…どうして。どうしてそんなこと言うの…僕そんなに大きな声だった?そんな自分勝手だった?…やめて…やめてよ…
“本ちゃん、私です。みっちゃんです!”
…これも幻聴なのかな…違う、本物だ…僕は僕で…それで…君は…
“本ちゃん、もっと本音言ってもいいんじゃない?絶対言った方がいいって。”“うん…一緒に欠点治していこう?大丈夫、一緒に手伝うから!”
…正直に言って…自分勝手が過ぎる。でも…みんな一緒なら…
“…いいのか?僕と一緒で?”
…言ってしまった…みんな引いてないかな…大丈夫かな…
“大丈夫に決まってるだろ?てか、思ったこと言えて偉いじゃん!”“そうだよ。どんどん本音を言っていけば、顔に出る癖もなくなるかもよ?”
…全く持ってその通りでございます。そうか、もっと声を出せば…
“そうと決まればみんなで友達になりましょう!”
そうじゃなくても友達だと思うけど…ここから本物の友達なんだな。
みんな欠点がある。だけどその分美点がある。だから人間というのは美しい物なんだ。引きこもったままじゃ見つけられなかった…けどまだ親を許す気はないかな…親はきっと僕がいなくなっても…きっと、大丈夫だろう。
しかし、今は梅雨入りしている季節。ちゃんと親は生活できているのかな…ま、今気にしているわけにはいかないか。今日の学んだことが届きますように。
“もっと声を出そう!”