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畑仕事と森への出立

 星獣の溢れる外からやって来たフレン達がこの村で暮すようになってはや数日、当初は彼らの事を警戒していた村の大人たちも意欲的に村の仕事を手伝いをする姿に少しずつ心を開いて行った。

 そんな中でも通常運転で過ごしていたアレンは、いつものようにシエルに見つかる前に剣の修行に出かけようとした。

 そろぉ~っと物音を立てないように最新の注意を心がけ家を抜け出したアレンは、シエルの気配がないことを確認して大きく息を吐いた。


「よし、シエルはいないな」


 では早速出発しようとしたその時、背後から凄まじい殺気を一身に受けた。


「アァ~レェ~ン~?」

「ヒィッ!?」


 背後から聞こえてきたシエルの声に思わず短い悲鳴を上げって飛び上がりかけたアレン。その背後には肉厚で大振りのナイフを持ったシエルが、虚ろな目をして立っていた。

 いったいどうして、どうやってっと思いながら首筋にあてるナイフの刃を見つめたアレンは、背後で密着しているシエルに引きつった笑みで問いかける。


「ねぇシエルさん。いったいどこに隠れてたんですか?」

「"シャドウ・ハイド"って魔法を使ってたのよ」

「それっていったいどんな魔法なだよ?」

「簡単に言うと影の中に隠れれる魔法よ。アレンなら絶対に逃げると踏んでちょっと前からそこの影に隠れてたのよ」

「クソ、流石は幼馴染。僕の行動パターンを簡単に読みやがる」


 こうなってしまえば逃げるのは不可能、そう諦めて手を上げたアレンはもう好きにしろと降参の合図を出した


「素直でよろしい!っと言うわけでこれは没収〜」


 降参したアレンの両腰からベルトごと剣を奪い去ったシエル。

 女の子が男の腰からベルトを外している絵面などもはやどんな状況だと思い、自棄っぱちになりながら普段なら言わないようなことをやってみた。


「いやー、シエルの変態ぃー、ケダモノー初めからこれが狙いだったのかー」

「なんでカタコトで叫ぶのよ?」

「なんとなくだけど?」


 軽いボケをかまして見事に滑ったアレンはほかっておいて、剣を回収したシエルは早速畑へと向かう準備を始める。


「さぁさぁ容易は終わってるから、アレンはこの荷台を運んでね」

「いや多いでしょ!今日って整地だけでしょ、なんでたい肥まであるんだよ!?」


 アレンはシエルの家の前に用意されていた農具を見て叫んだ。

 昨日聞いた話では今日はひたすら土を掘り返して大きい石や木の根を取り払うだけだと聞いた。なのになぜたい肥の入った押し車まで置いてあるのかとシエルに問いかける。

 すると差も当然のような表情でシエルが答えた。


「今日の最終目標は土作りまでだからです。速く土を掘り起こさないと夜になっちゃうよ」

「悪魔か!」


 もう好きにしろと諦めの境地に入ったアレン、するとシエルの家の扉が開いた。


「なんだ、騒がしいと思ったら来ていたかアレン」

「イオおじさん、おはよう」


 シエルの家から出てきたシエルに父である巨漢のイオは、アレンのことを見下ろしながら尋ねる。


「押し車、かなり重いが運べるか?」

「うん、平気平気。これでも鍛えてるし」

「そうか──おいライラ。アレンが来たぞ」


 イオが家の中に向けて声をかけると、すぐに返事とともにシエルに似た容姿をした母のライラが出てきた。


「おはようアレン君。畑作りお願いね」

「はい。頑張ります」

「良い返事ね。はいこれ、シエルと二人で食べてね」

「ありがとうおばさん」

「ホント現金なんだから」


 そう言ってライラはアレンに昼ごはんの入ったバケットを渡してくれた。

 昼ごはんの入ったバケットを受け取ってあからさまに喜んでいるアレンを軽蔑した目で見つめるシエルだった。


 ⚔⚔⚔


 ざくざくと鍬を振り下ろし土を掘り起こすアレン。

 もちろんアレンだけでやれるわけではなく、お目付け役兼任のシエルも雑草取りや大きい石を取り除いたりしていた。鍬を振りながらアレンはシエルに話しかける。


「なんかさぁ、村のみんなどことなくピリピリしてるよな」

「そうね。ところでアレン、手が止まってるわよ。誰が休んでいいって言ったかしら?」

「目が怖いよシエル」


 完全に目が暗殺者のそれになっているシエルに負けたアレンは、大人しく鍬を振り続けていると誰かが近づいてくる気配があった。

 もしかしたら誰か手伝いに来てくれたのかと思いそちらを見ると何とも珍しい二人組が尋ねてきた。


「おいシエル、あれ」

「えっ?あっ!」


 アレンに呼ばれたシエルもそちらの方に視線を向けると、こちらに向かってくる二人組みを見て声を上げた。


「二人が畑に来るなんて珍しいな。こっちにでも回されたの?」


 アレンが声をかけた二人組、フレンとノエルの手にはアレンと同じ鍬が握られていた。


「いや、与えられた仕事を終えて手が空いたから来た」

「畑を新しく広げているとお聞きしましたので、そのお手伝いに……ご迷惑だったでしょうか?」


 何ともまぁ殊勝な心掛けか!そこでサボってばっかりいる誰かさんにも見習ってもらいたいッと、言葉にしてはいないにも関わらず伝わってくるシエルの言葉に、件の誰かさんはそっと視線をそらしているのであった。

 そんな誰かさんを差し置いて、土で汚れた手を手拭いできれいにしたシエルは嬉しそうにノエルの手を握り締める。


「迷惑なんてとんでもない!もぉ~助かっちゃうよ!ホント!」

「そう言ってもらえると幸いです」

「うぅ~ん!ノエルったらマジで天使!ホント、どこかの誰かさんも見習ってよ!ねっ、どこかの誰かさん?」


 ノエルの手を取って喜ぶシエルが横目で元凶でもあるアレンの事を睨みつけるが、その言葉に不服なアレンはぶつぶつと文句を言いながら鍬を振り上げていた。


「ったく、そんなに言わなくても……今だってちゃんとしてるじゃん」

「なに?なんか文句でもあるの?」

「ありませんよ、あるわけないじゃないですか!」


 何度目か分からない殺気と共に投げられたナイフをかわしながら答えたアレンは、ナイフをシエルに帰してから白けた目を向けているフレンに駆け寄る。


「よし!フレンは僕と一緒に土を耕すぞ!!」

「テンション高けぇなお前」

「上げてないと、今度こそシエルに背後から刺されかねないからな!」


 にっこりと不気味なまでのテンションの高さにフレンが引いていると、グググッと何かが引き絞るような音が聞こえる。

 フレンがそっと後ろを見ると、シエルがアレンに向けて矢の照準を合わせている。


「アレン、あんまりさぼってると、次は討つわよ?」

「よしフレン!続きやるか!」


 ドスの効いたシエルの声に震えながらアレンがフレンの方へと駆け寄ってくる。

 もうこいつらの関係はようわからんと、聞くのも面倒だと思ったフレンは持ってきた鍬を肩に担ぐとアレンに指示を請う。


「それで、どこまでこいつで耕せばいいんだ?」

「今日中にあそこまで土を掘り起こして肥料を混ぜて土も作らなきゃならない」


 アレンの指さす場所を見たフレンは、呆れた顔をしていた。

 なぜなら示された場所は到底一人でやって一日で終わるような広さではないからだった。

 だがそれをたった一人で半日かけて耕していたアレンだったが、半日やってまだ半分も終わっていない状況にフレンは憐みの表情を浮かべた。


「お前、大変だな」

「ありがとフレン。これ、休みなく働いてこれだけなんだから、本当にシエルは鬼──」


 文句の一つでも行ってもいいだろうとアレンがフレンにそう愚痴り出した瞬間、二人の足元に矢が突き刺さった。

 ギギギッとぎこちない音を鳴らしながら二人の首が矢の飛んできた方向、シエルの居る場所に向けられるといい笑顔で次の矢をつがえた弓をこちらへと向けているのだった。

 これは次に変なことを言ったら殺されると、アレンとフレンは揃って息をのんだ。


「なぁ~~んって冗談冗談!よっしゃフレン!死ぬ気で頑張るぞ!!」

「お前、たじたじだが大丈夫なのか?」

「何のことかな!?」


 声が裏返りながらもキリッとした顔で返事を帰したアレンに引いたフレンは、持っていた鍬を下ろして眼前に広がる広大な畑を見下ろす。


「しかし、かなりの広さだがお前ら二人で手入れは出来るのか?」

「そこらへんは問題ないさ。ここに植えるのジャガイモだからな、定期的に雑草さえ抜けば勝手に育ってくれる」

「なるほどな……所で、俺は鍬なんて振ったことが無い。少し手本を見せてくれ」

「おう。そんじゃちょっとやってみるから、後はマネしてやってみ」

「あぁ。頼む」


 

 農業初心者のフレンのために簡単なレクチャーをしてからアレンも自分の持ち場を耕し始める。


 これで少しは真面目になるだろうとシエルが弓から手を放し、二人が耕した後の土から大きめの石を取り除く。


「まったくアレンたら、ちょっと目を離すとすぐにさぼるんだから」

「ふふふっ、これではシエルは、アレンの保護者のようですね」

「やめてよぉ~あんな大きくて手のかかる子供なんて持ってないわ」

「ですが、いずれはそうなるのですよね?」

「ン?どういうこと?」

「えっ?あなた達、恋人なのでは?」


 ポカーンッとしたシエルが呆けながらノエルの言葉の意味を理解していると、一転して顔を真っ赤にして否定し始める。


「ないないない!私とアレンが恋人だ何なんてない!絶対ないって!!」

「頬を染めて否定している姿に説得力はありませんよ?」

「じゃ、じゃあノエルはどうなの!フレンと一緒に旅してるし、他の子たちと雰囲気違うよ!?」

「なっ!?なんてことを言うんですか!?」


 同じようにフレンとの関係を冷やかされたノエルが顔を真っ赤にしてうろたえる。

 その姿に、にまぁ~っと頬笑みを浮かべながら問い詰め始めるのだった。


「ごまかさんなノエルさんや、フレンのことお好きなんでしょ?」

「違います!本当に違うんですからね!」

「えぇ~あっやしぃ~」

「ウソじゃありません!本当なんですぅ~!!」


 きゃっきゃうふふッと楽しそうに笑いあっているシエルとノエル。


「くっ、シエルめ。僕にはサボるなって怒る癖に、自分はノエルと楽しそうにしゃべりやがって」

「怒られんのはテメェが仕事をサボるのが原因だろ」

「それがどうしたの?シエルがサボってることには変わりないでしょ?」


 大真面目にそう答えるアレンに何なんだこいつはと、フレンが呆れている。

 そんな呆れたフレンを残してアレンは我意を得たりと、まるで水を得た魚のごとき勢いでシエルに向かって問い詰める。


「おいシエル!人にさぼるなって言って、自分だってさぼってるじゃんか」

「サボってません!そう言うアレンこそ手を動かしなさい!」

「動かしてます!君たちがしゃべってる間も、ちゃんと耕してました!」


 言い争いを始めるアレンとシエルを横目に、フレンとノエルは黙々と畑仕事を再開した。

 曰く、付き合っていたら日が暮れそうだからとのことだった。


 ⚔⚔⚔


 しばらくの間、言い争いをした二人は急にばかばかしくなり農作業を再開した。

 それからアレンたちは合間にちょっとした話などをしながらも、作業を続けていく。二人になったことで作業効率も上がったため、あと少しで終わりそうという所で新しく誰かがやって来た。


「アレン坊、お嬢ちゃんおるかい?」

「あれ、ザクじい。どったの?」


 珍しくアイザックから声がかかったことに驚いたアレンはシエルを呼びよせると、作業をフレンに任せてアイザックの方に向かう。


「急で悪いんじゃが、明日狩りに出る。ご両親の許しはえたからついてきなさい」

「えっ。いいの?」

「付いて来たがっておったじゃろ。お嬢ちゃんも準備しておきなさい」

「はい。わかったよ」


 去っていくアイザックを見送りながらアレンは、狩りに出るのは久しぶりなのでワクワクと浮足立っている。


「ウキウキしてるところ悪いけど、まだ畑仕事終わってないんだからね」

「えぇ~、今日はもう終わりに──」

「ん~?何か言ったかなぁ~」


 スチャッと持ち上げられたナイフを首に当てられたアレンは、ギギギッと音を鳴らせながらナイフを持つシエルの方を見る。

 ナイフを握るシエルは何ともいい笑顔をしている。

 引きつった笑みを浮かべながら両手を上げる。


「いい加減にしないと、殺すよ?」

「殺意高い!ここ最近のシエル、僕への殺意高すぎるって!」

「隙あらばさぼろうとする君を如何にかしたいってだけだよ?」

「僕の生死にかかわらずってことですか!?」

「生きたいなら仕事しなさいっ!」

「うわっ、危なっ、いやまって──やめてぇええええ――――――――ッ!?」

「逃げるなぁぁぁぁあああ――――――――――――――ッ!!」


 振り抜かれるナイフの一線をかわしたアレンとそれを追うシエル、そんな二人の追いかけっこを畑の中から見ていたフレンとノエル。


「なに遊んでやがるんだあいつらは?」

「楽しそうですね」

「一人死にそうだがな」


 叫びながら逃げ惑うアレンとついには弓を持って後ろから狙撃するシエルの追いかけっこはそれからも続き、結局日が暮れるまで畑仕事は終わらなかった。


 ⚔⚔⚔


 日が暮れたころどうにかすべての畑を耕し終り、家に狩る事が出来たアレンとフレンだった。


「ただいまぁ~。母さん、腹減った~」


 家に入るなりそんな事を言い出すアレンに呆れるフレンだったが、そこに奥から顔を出した母ミアが二人に声をかける。


「お帰りなさいアレン、それにフレン君も」

「たっ、ただいま帰りました」

「フレン君。前にもいたけど少し砕けた口調でもいいのよ」

「そう言う訳にはいきませんので」


 居候の身でそんな砕けた話し方などで着ないとかしこまるフレンを見てミアがクスクスと笑っていると、完全に無視されていたアレンが割って入る。


「母さん。そんな事より夕飯は?」

「できてるわよ。でも、その前に二人とも泥だらけよ、水浴びしてきなさい」


 ミアに言われてアレンとフレンはお互いの全身を見下ろしすと、着替えを持って庭へと向かうのだった。

 敷居に遮られた小さな水くみ場、そこで下着姿になった二人は井戸の中からくみ上げた水を桶に入れバシャッと被った。


「うぅッ。冷た」

「こんなもんだろ」


 濡れた肌に春のそよ風を浴びながら身震いするアレン、対してフレンは何事も無いよにもう一度水を被って見せる。


 家の中に風呂はあるが基本的に入るのは冬場か特別な時だけ、それ以外はこうして水浴びが普通だ。

 フレンの言う通りこれが普通なのだから我慢しようと、もう一度水を汲み水を被ったアレンは、手拭いで汚れを落としながらフレンの事を見る。

 するとその視線に気づいたフレンが少し低い声色で訊ねる。


「何だ?」

「いや前から聞きたかったんだけど、その仮面。水浴びの時もつけてるけど邪魔じゃないの?」

「気にするな。慣れている」

「慣れてるって……まぁいいや。それより明日はどこか手伝い行くのか?」

「あぁ……その予定だが、もうすぐこの村を出るつもりだから、それももう終わりだな」


 バシャッと水を被る音と共に発せられたフレンの言葉にアレンは顔を上げる。


「そっか、旅の途中だって言ってたもんな」

「分けてもらった食料分の働きは出来たと思うが、お前の作っていた畑が中途半端で終わるのは済まない思う」

「気にしないでよ。後は僕一人でもできるからな」

「そう言ってもらえると助かる」


 仮面の奥でフレンの眼がやさしく下がったように見えたアレンは、せっかく出来た友達との別れはやはり寂しいなッと思いながら、側に置いていたタオルとつかみ、片方をフレンへと投げ渡した。


「冷えてきたし中はいろ」

「そうだな」


 服を着なおしたアレンの後を追ってフレンも中に入っていく。


 ⚔⚔⚔


 水浴びを終えた後すぐに夕食を取ったアレンは、カンテラを片手に薄暗い物置の中からある物を捜していた。


「あれぇ~、全然見たらない………ったく、父さんたらどこに仕舞ったんだよ」


 次々に物置の中にある物を取り出しては違うと言って外に放り出していると、ついに物置の外が物で溢れ出してきたころようやくお目当ての者を見つけた。


「うぅ~んっと……おっ、こんな所にあった」


 アレンのとり出したのは弓矢一式であった。

 狩りに行くからと両親に場所を尋ねたところ、普段は使わないからとこんな所に仕舞われてしまったそうだ。


「随分使ってなかったけど、大丈夫───なわけないよな」


 矢筒から矢を取り出して見たところ、案の定鏃は錆に覆われていた。

 これはちゃんと落として置かなければと考えながら、今度は矢の弦を引いてみるとこちらも張りなおさなければ使い物にならない。

 普段からしっかりと手入れしておけばこんな事にならないのだが、使うことがあまりないとこうなるのは必然だ。


「さってとこいつの手入れを……の前に出したもの仕舞わないとな」


 適当に出したガラクタの山をこのまま放置していたら母に何を言われるか分からいので、手入れをする前に片付けようと動くのだった。

 片付けを終えて外の水場に出たアレンは、普段剣を研いでいる場所で矢を研ぎ直していると後ろから声がかかった。


「アレン。お前何しているんだ?」

「ん。見ての通り。弓矢の手入れ」


 外に出てきたフレンにも見えるように研ぎ終わった矢を見せていると、フレンが手に剣を持っていることに気が付いた。


「フレンこそ剣なんて持ってどうしたの、稽古でもしに来たの?」

「いや。不審者でも来たかと思っただけだ」

「そう。フレンもやる?」

「俺は良いが、あまり遅くなるなよ」

「君は僕のお母さんか」


 ツッコミを入れながら笑ったアレンは、家の中に入っていくフレンを見送りながらまた研ぎの続きをするのであった。


 ⚔⚔⚔


 次の日、朝日が昇るより前に置きだしたアレンは眠っている家族や、同居人のフレンに悟られないように着替えると台所から朝食用のパンを一切れいただき、村の入口へと向かうとすでにシエルが待っていた。


「おはようシエル」

「おはようアレン。それ朝ご飯?」

「さすがに何も食べずに狩りへ行く気にはなれないから」

「でもこの時期なら木の実とかなってるから、お昼は大丈夫だよね」

「この時間なら昼前には帰るとおもうけど」


 アレンとシエルがそんな会話をしていると、遅れてアイザック含めた村の大人数名がやってくる。


「二人とも待たせたの。それじゃ行こうか」


 アイザックの声とともにアレンたちは出発するのだった。

 そして、このあとアレンたちは思い出すことになる。

 この世界には存在する邪悪と対面することになるのだった。

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