08 魔力コントロール
AFG公式大会まで残り二日……
昨日は放課後にAFGをプレイしたが、相手のレベルが高く、一瞬にして負けてしまった。
「おはよう……」
久我が元気の無い挨拶をしてきた。昨日負けた事を引きずっているのだろう。
俺も初めて負けたから正直悔しい。
もっと強くならなければ、俺達は大会で通用しないということを実感した。
今日はまた、魔導の授業がある。強くなる為に頑張ろうと改めて決意した。
「今回、皆さんの魔導の授業を担当する杉林です。私も歳を重ねた老人ですが、皆さんに出来る限り多くの事を教えたいと思っています。よろしくお願いします」
杉林先生による授業が始まった。
「今回は皆さんに、魔力のコントロールについて学んで貰います」
魔力のコントロールか。魔法を使う時にやっているやつか。
「今回の皆さんの目標は、"魔力感知"をできるようになって貰うことです」
魔力感知は魔法の一種である。
「まず最初に"魔視"をやって頂きます。これは初歩なので、既にできる人もいるでしょう」
魔視を使うことで、魔力を見ることができる様になるらしい。
魔力を目で見る?何を言っているのかさっぱり分からない。
「魔力をコントロールし、全身に魔力を行き渡らせて"見る"ということに意識を集中させましょう」
俺は目を瞑り魔力を全身に行き渡らせ、"見る"ということに意識を集中させ、目を開いた。
すると、周りの人達の体の外側にオーラが纏っている。
少し驚いたが、このオーラが魔力なのだと直ぐに分かった。魔力の可視化とでも言えばいいだろうか。
オーラは人それぞれで、薄い人もいれば厚い人もいる。
自分の手を見たが、オーラは無かった。
「皆さんできましたか。それでは、次の段階へ移ります」
全員魔力を見ることはできたので、次の段階へと移った。
「皆さん目を瞑って下さい。そして、魔力を体外へと放ち、自分の周辺に魔力を薄く広げる様な形で空気に馴染ませてみて下さい」
俺も言われた通りにやってみた。
すると、目を瞑っていても周りに人が居るのを感じることができた。脳に感覚として伝わってくる。
「皆さん流石ですね、多くの人が魔力感知をできています」
魔力感知は凄いな。人が動いているのも分かる。
「では、まだできていない人もいる様なので、残りの時間は自習とします。ですが、もうできてしまっている人も多いので、もう一つ魔力コントロールについて教えたいと思います」
魔力感知の他にもあるのか。奥が深いな。
「それは、自身の魔力を感知されないことです。つまり、魔力を絶つということです」
魔力を放つことができるなら絶つことができるのも当然か。
「では、自分の魔力を体内に抑え込むということを意識してやってみて下さい」
魔力を体内に抑え込むか。全身に力を入れてやっているが、できているのか分からない。
「自分ではできているか分からないという人もいるでしょう。 その人は周りに見てもらうか、これは難しいですが、自分で魔力感知をしながら自分を見てみましょう」
俺は魔力感知をしながら自分を見ることにした。
自分の手を見たが、さっき魔力感知をやった時と何も変わらない。自分の手に魔力のオーラは見えない。
魔力感知をしているので、周りの人達のオーラが薄くなったり、消えたりしているのは分かった。不思議なものだ。
残り時間も魔力コントロールの練習をして授業が終わったのだった。
部屋に戻って今日習った事の復習をし、魔力コントロールの練習をした。
そこで分かったことがある。それは、魔力は一点に集中させることができたり、物に魔力を使うことができることが分かった。
こうして、一日は終わったのだった――
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