07 魔導の授業
真っ白な視界が開けると、ロビーにいた。
「おーい、お前らー!」
久我が勢いよく俺達の方へ走って来る。
「よくやったぞ! お前ら頭良いな」
「えへへ、そんなことないよ」
久我が少し上から目線だが、菅原くんも満更でもなさそうだ。
俺、久我に菅原くんを加えたチームで勝つことができたのだった。
昨日今日と自分の記憶の情報は何も得られていないが、会って間もない二人と友情のようなものが築けた気がする……。
◇◇◇
――翌週
AFG公式大会まで残り四日……
「み、皆さんおはようございます。今日から普通教科の授業に加えて、魔導の授業が始まります」
朝のHRで藍田先生が言った。
今日からやっと魔導の授業が始まるのか。
大会まで日も無いし、俺自身も魔導についてはよく分からない事も多いし、素直に嬉しい。
「に、二限目の魔導の授業は訓練所、α棟に集合して下さい」
一限の授業が終わり、Z組全員訓練所へと集合した。
「よし、お前ら全員集合したな。今回の授業を担当する、片倉だ。 よろしく」
片倉先生による魔導の授業が始まった。
「今回は魔導の基礎、"魔力"について勉強する」
魔力とは、魔法を使う為に必要不可欠なもの。
体力や筋力と同じで、鍛えれば身に付くものである。
「魔力には、属性があるということは皆も知っているだろう。 それが、"属性魔力"と呼ばれることも知っているだろう」
属性魔力と呼ばれてるのか。それは知らなかった。
「属性魔力には、火、水、風、土、雷の基本属性とそれ以外の特殊属性がある」
特殊属性というものもあるのか。興味深い。
「そして、今回皆に覚えて貰いたいのは"魔力率"と言われるものだ」
魔力率(%)とは簡単に、魔法や物に込められる魔力の割合のことである。
「例えば、今俺が放った"岩弾"で魔力率が10%だ。 もっと強力な魔法にすれば、使用する魔力量が増えると共に、魔力率も上がる」
魔力率以外にも、属性率というものがあるらしい。
属性率(%)は、自身が力として使うことのできる、属性魔力の割合のことである。
他にも、属性魔素を組み合わせる際に用いられたりする。
「普通、魔法を使える者が引き出すことのできる属性魔力は、30〜40%(属性率)程度だ。だが、ごく稀に100%以上引き出すことのできる者もいる」
魔力率、属性率共に100%を超える場合があるのか。
「もう一つ皆には覚えて貰いたいことがある。それは、特殊属性についてだ」
特殊属性とは、基本属性とは違った性質を持つ属性のことである。例えば、氷や木などの属性がある。
特殊属性は、基本属性の魔素が組み合わさってできている。組み合わせによって様々な属性が生まれる。
(例 氷属性 属性率・・・水60から70%:風40から30%)
特殊属性を持つ者は、基本属性を二つ以上持っていないと使うことできない。だから、特殊属性を持つ者は希有な存在であると言える。
「今回教えた事は魔導の基本中の基本だ。決して忘れることの無いよに。では、これで今回の授業は終わりにする」
片倉先生による魔導の授業が終わった――
「今日の魔導の授業何言ってるのかさっぱりわかんなかったぞ」
と久我が言う。確かに、難しい事ばかり言っていた。
俺も曖昧な部分が多い。
「仕方ないよ、魔導の基礎だから絶対にやらないといけないことなんだよ」
「秀太、お前は理解できたのか、すげぇな」
菅原くんは少し照れくさそうに頷いた。
今日の残りの授業も終わり、
久我と菅原くんは用事があるらしく、今日はAFGへは行かなかった。別に俺が暇な訳では無い。
俺は今日学んだ事を復習して、今日一日が終わった。
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