05 ゲームスタート
「おぉー! ここがゲームの世界か! 面白れぇ」
ゲームの世界とやらに来た。ここはロビーなのだろう、人が沢山いる。
本当にここはゲームの世界なのか。身体に何か変化があるわけでは無いし、至って普通だ。
「壱、早く行こうぜ! 早く戦いたくてうずうずするぜ!」
久我に強引に手を引っ張られて参加受付所へ向かった。
「この、マルチバトルってやつでいいよな」
『マルチバトルは最大3人まで申し込み可能ですが、二人の参加でよろしいですか?』
受付の女性が言った。この女性はゲーム世界で生み出された人なのだろう、感情に気迫が無い。
「二人でもいいよな? 二人でも十分だろ」
そう言って、参加希望のボタンを押した。
その瞬間、目の前が真っ白になり、地面も壁も無い真っ白な空間にいた。
『ようこそ、バトルモードへ。初めてのプレイヤーには、設定を行って頂きます』
目の前に画面が表示された。画面には、服装や武器の選択が表示されている。
俺は、設定を全て終わらせた――。完了のボタンを押すとまた目の前が真っ白になった。
視界が開けると、住宅街の中にいた。隣りには、鎧を着た久我が立っている。
「お、おい、何だよその格好……」
「格好良いだろう! 少し重たいが、問題無い!」
「壱、お前こそその格好何だよ。 地味過ぎないか」
俺の格好は、黒いフード付きのマントを羽織っている。
「全身真っ黒はダサいぞ」
全身鎧を着ているやつだけには言われたく無い。
そんな会話をしていた時、空から石が降ってきた。
「俺に任せろ! "小爆発"!」
久我は、お得意の爆発魔法で降ってきた石を粉砕した。
石を粉砕したと同時に、俺の目の前で男が剣を振り上げていた。
間一髪のところで躱し、距離を取った。危うく斬られるところだった。
「ふっ、躱したか。ならこれはどうだ! "雷球"」
と男は叫んで、"雷球"を五つも放ってきた。
俺は、直ぐに防御魔法を使い、全て防いだ。
「おい、久我! これどうなってんだよ!」
「わかんねぇけど、試合はもう始まってるみてぇだ」
嘘だろ……。チュートリアル的なものは無いのかよ……。相手は三人いるが、ゲーム世界の人って感じはしない。
「とにかく勝つぞ! 壱!」
「お前ら二人だけでどうやって勝つんだよ」
「俺らには勝てねぇぜ、ひよっこの初心者が!」
「うるせぇ! 俺たちは二人でも勝つんだよ!」
久我は簡単に挑発に乗っている。バカ丸出しじゃ無いか。
そんなことをしているうちにも、相手は攻撃を仕掛けてきている。
「久我! 一旦引くぞ!」
「お、おう!」
俺たちは一旦相手から距離を取り、家の陰に隠れた。
「よし、よく聞け久我。俺が囮になって、あいつらを引き連れる。 俺が合図を出したらお前は、三人が纏まっているところをお前の爆発魔法で吹き飛ばせ」
「良いな、その考え。吹き飛ばしてやるぜ!」
「よし、行くぞ!」
久我に作戦を伝え、俺は相手の方へと向かった。
俺は相手の前に堂々と出て行った。
「どうした、お前一人か? やる気あんのか?」
「いやー、相方が怪我をしてしまったものでね」
と言って、また逃げた。
「待てこら!」
相手も馬鹿なのだろう、適当な嘘にまんまと引っかかって、三人とも追いかけて来た。
久我の方へと移動した。三人とも俺のすぐ側まで来ている。
突然久我が前方に現れた。両手を前に突きだしている。いや、ちょっと待て、俺はまだ合図を出してないぞ。
「いくぜぇ、俺の最大魔法! "中爆発"!」
大きな爆発音と共に辺り一帯が吹き飛んだ。
久我は俺諸共、相手三人を爆発魔法で吹き飛ばした。
目の前が真っ白になり、気づくと最初のロビーにいた
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